巻柏 特徴の用語

巻柏の特徴を現す、用語に付いて

 現在でも大まかな類別は、萬延元年の「岩檜葉名寄」の方法が、引継がれて利用されて
居りますが前にも述べた通り、其の後に出現した新たな特徴を有する品種も多くなり、
新たな類別方法が必要な時期に来ているようにも思われます。

 しかし江戸時代の昔から、幾多の先人達の努力によって、現在に引継がれた伝統も
軽視は出来ません、また巻柏の特徴を的確に捉えて類別した、萬延元年の名寄の
類別は、近年の品種も一部を除けば、其処に類別する事が出来る、優れた分類法と
言えるでしょう、その様な観点から、私もこの分類方法を重要視して、利用しています。
   
かかし、ではなく、またまた、しかし、(おいおい、乗って来たのに真面目にやらんかい)
古来種でも現在種でも、各人の見解によって、同一種でも類別の見立てが異なる場合も
あります、地域環境によっても、また管理環境などによっても、変化を見せる巻柏です、
類別は強く主張できる物では有りません、巻柏は趣味の世界です、別に決まりを作って
制約する必要は無いと思いますので、ここでは、私の個人的な考えで述べるもので、
異論も有り、お叱りの受ける部分が有る事も、重々承知ですが、ご容赦頂きます。 

お読みの皆さんも「ああ、その様な考え方もあるんだ」程度に、ご自由に解釈しながら
御覧になってください。 (どうでもいいけど、前置きが長げ〜んだちゅうの) 「はい済みません」 

 その様な訳で、類別された中でも、色々な葉形や斑の形態等に違いが有り、
その特徴を表現するために、用語を用いて細分化もします、主な用語を取上げてみます。

  葉姿に用いる用語  (ここでは「性」と書きましたが、「葉」と書く事が多いようです)
立 性
葉全体が上に向かって伸びる性質の品種。
真上に向く物を「極立ち性」等とも言います。 
中立性

葉全体が斜め上に向かって伸びる性質の品種。
平 性

葉が水平に伸びる品種、若干斜め上に伸びる品種も含みます。
下垂性

水平に伸びる若葉が、やがて下に向かって伸び続ける性質の品種。
受け性
葉が、手の平を少し縮めたのようになる、性質の品種を言います。
指先だけを曲げたような物は、爪を抱えると言い、別扱いです。
獅子性
獅子性と表現される品種は、二つのタイプがあります。
ひとつは、受け葉と同じ感じで、手の平を上に向けて、更にに大きく
縮む感じの品種と、もうひとつは下垂した葉を根元に向けて、
内に巻き込む性質の品種も獅子性と言います。

   此れでも表現が足りず、「やや立ち葉」「下垂気味」等の表現で補います。
   また、複数の葉性を現す品種も有り、「やや立ち性の受け葉」等と表現する事も有ります。

  葉の形に用いる用語
常 葉
  檜の葉の様な岩檜葉の、
 基本的な葉形を言います。

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龍 葉
 基本的には一本葉を指しますが、 一本葉で
伸びた葉先が 多少分岐する品種も含みます。

 次の写真の「手葉」も広い意味では
 龍葉に入ります。
手 葉
  葉元が一本葉のようでその先に
 手を広げたように 成る葉を言います。
珊瑚葉
 
  昭和に入って生まれた、泰平楽を指すのに用いる用語です。 古今独歩や
 錦孔雀も 独特の葉形をしていますが、基本的には常葉の部類でしょう。
  
      泰平楽            錦孔雀
小枝葉

小岐葉
 近年発刊の書籍に用いられた用語ですが 常葉と
 言っても上記の珊瑚葉と同様に、檜の葉とは
 懸離れた葉形の品種が多くなっています。
 分岐の粗い常葉を指す方法として、良い類別の
 用語と思っています。

 (写真は「鶴之舞」の葉です。)

   分岐の粗い常葉では、次の「華鳳」が良い例で、一見龍葉(一本葉)のように見えますが、
   葉元から二股に分かれた葉が、さらに二股に分れ、其の先がまた二股に分れ順序良く
   分岐しています。 この形態は龍葉とは言い難く、やはり常葉と言うべきでしょう。
        


  葉の性質に用いる用語 (定義は有りません、相対的な表現です)
大 葉
成長が早く成長するに従って、葉が長く大きくなる品種を指し、大葉物
などと総称します。 若株の時は短い葉でも、成長するに従って
葉が長く大きくなる品種も、大葉の部類に含まれます。
中 葉
若株のうちは、葉が特に短い印象を受けない品種でも、長年成長しも、葉が
特段長く成る事が無く、古株になっても纏まった姿を保てる品種を指します。
小 葉
「丹頂」「金麒麟」等に代表される、引き締まった短い葉を指し、管理や環境の
変化に大きく左右される事無く、古木に成っても短葉でいる品種を言います。
太 葉
平均的な品種の相対として、葉幅の広いものを言います。 またある品種
から、葉幅が広く変化したものなども、太葉変化種などと言います。
細 葉
上記の正反対で、平均的な葉幅の相対で、葉幅の狭い品種を指します。
またある品種から、葉幅が狭く変化したものなどを指します。
肉厚葉
これも相対ですが、葉の断面が肉厚のものを指します、その代表的な
「龍尾」や「泰平楽」等は、葉の断面が円に近い物も有ります。
薄 葉
平均的な各種の相対で、葉肉の薄い品種を指します、見た目にも軟らかさ
を感じます。比較的美しい品種が多いのですが、中日管理がお勧めです。
羅紗地
葉の表面が、ザラザラしたような、感じを受ける葉を指します。


  斑の形態に用いる用語 (曙斑、砂子斑、刷毛込斑、に付いては前項を参照ください)
爪 斑
葉の先に現れる斑を指し、一般的には葉先の固定斑を指しますが、
「八重爪」等の様に、葉の先から現れる曙斑の表現にも使用されます。
中 斑
葉の中ほどに現れる曙斑や、葉先から現れた曙斑が、其の後に伸びる
地色の葉により、斑が葉の中ほどになって見える事を言います。
元 斑
葉元の方に現れる斑を指します、品種的に数は多くありません。
散り斑
固定斑ではない小さな斑が、葉のあちこちに、散らばしたように入ります。

 この他にも曙斑の形態によって、段斑、飛び斑、虎斑、等のよび方も有ります。

 この主旨とは違うのですが、(それなら書くな) 「・・・そだごど言われても、書きてえので書ぎます」

日照管理にも「強日」「中日」「弱日」等と、巻柏の性質に合わせた管理を、用語で表します。

(えっ、たった此れだけ?、説明は無いの?、そんな事なら始から書くな、このバカタレが)

 「そだごど言っても、ラブレター書ぎだもん、一生懸命だんべや、ああ、やっと終わったぜや、
ラブレターだが、破れただが知んねきっと、書ぐのも楽じゃねえなや、こわがった(疲れた)な〜
好きでやってんだがら、しゃ〜ねきっと、キーが、ながながめっかんねんだもん、老眼鏡かけで
右手があちさ行ったり、こっちさ来たり、頼まれでやんじゃ、おらやだぜや。」 (これ本心)

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