中尊寺は、850年に天台宗の寺として開かれた古刹です。
1105年に藤原清衡が多くの堂塔の造営に着手し、1124年には金色堂も上棟されました。

源義経はこの地で秀衡に庇護されて成長し、1185年平氏を壇ノ浦で滅ぼしました。
しかし頼朝と不仲になり、秀衡を頼って平泉に逃げ戻ります。
秀衡が亡くなると義経追討の宣旨が下り、1189年泰衡に攻められて自害します。31歳でした。

清衡が造営に21年をかけた中尊寺は、『吾妻鏡』によると「寺塔四十余宇、禅坊三百余宇」と伝えられる豪華さだったそうです。

しかし大群を率いた頼朝の軍勢を前に、泰衡が放った火で平泉は炎上し灰燼に帰します

1689年、松尾芭蕉が「奥の細道」の旅で訪れ、
　夏草や兵どもが夢の
　跡
　五月雨の降残してや
　光堂
の句を残しました。

紅葉したらさぞきれいだろうとも思ったのですが、それには１０日ほど早かったようです

金色堂は国宝第1号に指定された、平安時代の浄土教建築を代表する建造物です。　
芭蕉の句にある通り、金色に光輝く美しさには驚かされます。

中央の壇の中には清衡の遺体が、向かって左の壇には基衡、右の壇には秀衡の遺体と泰衡の首級が、納められています。

仏像はもとより、仏壇・巻柱・長押の隅々にいたるまで、夜光貝の螺鈿細工や透かし彫り、漆の蒔絵で飾られて、絢爛たる輝きに包まれています。

ドイツ人のアレックスには竹林や木の根の浮き出た風景が珍しかったらしく、時間を掛けて撮影していました。

我々なら立ち止まることなく通り過ぎてしまう風景も、西洋人には珍しい日本的な情景だったのです。

それでも奇岩の間を流れる渓谷美が人気で、夕方にもかかわらず観光客でにぎわっていました。

岩手日報によるとこの厳美渓と猊鼻渓が、韓国からの観光客による「東北で次に行きたい所」の１番人気なのだそうです。
「次に」と言うのが意味深ですが、平泉は４位だったとのこと。

この谷の向かい側にある店から谷川の上に渡された綱を利用して団子を注文できるのですが、時間が遅いせいか売り切れでした。

途中室根神社に寄ってみました。
　< 室根神社について
　　は「室根祭り」の
　　ページ参照 >

観音は３３の姿に変身してあらゆる人を救いあらゆる願いをかなえてくれるのだそうです。

金色堂の仏像の豪華さには及びませんが、素朴でひなびた味わいがあります。

写真右下には清水が湧いています。

樹木に興味があるというアレックスはこの千年杉が気に入り、ポーズを取ってくれました。

中央に小さく見えているのは展望台と天文台を兼ねた建物です。

なお、室根山頂のツツジの見ごろを、「室根山のつつじ」のページで特集しています。

太平洋と湾に挟まれた中央に小さく見える山が、大島の亀山です。
陸続きのように見えていますが、れっきとした島で、この亀山にあるリフトに翌日登ることになります。

写真左手前に写っているのはキャンプ場

アレックスによるとどちらもドイツの観光案内書に載っているそうですが、そのどちらもスペルが発音と異なり間違っているそうです。

両側に高くそびえる石灰岩の岩壁を眺めながら、２キロメートルにわたる渓谷を、船頭さんの操る手こぎ舟で上下する「 舟下り 」が人気です。

初めは川上に向かって上っていくのですがこれも「 舟下り 」と言うのかな。

乗り場では魚の餌を売っており、それを観光客が舟の上からまくのを知っていて寄ってくるのでした。

奥の岩壁には猊鼻渓＜獅子の鼻の谷川の意＞の名前の由来になった獅子ヶ鼻という岩（鍾乳石が茶色に変形）もありました。 ↓

カメバチは攻撃的で、長男が小学生の時に刺されたのを思い出しました。

時々咳き込んで中断しながらも、枯れた高音で、鄙びた味わいのある唄でした。

唄に聴きほれながら両岸の景色をゆったり眺めていると、いつの間にか船着き場に着いたのでした。

幽玄洞は日本最古の鍾乳洞なそうです。
洞内ではウミユリの化石などが見られ、３億５千万年前は海底だったという、壮大な地球の歴史を体感できます

長い年月をかけて石灰岩を浸食してできた鍾乳石や石筍（せきじゅん）など、自然の不思議な造営が見られます。

水滴が地面にしたたり落ちてタケノコのように堆積したのが石筍。

実際は鍾乳石と石筍が柱状につながったり、写真のように壁一面を覆ったり、バラエティに富んでいます。

船での楽しみはカモメとの戯れ。
持参したパンくずを空中に投げ上げるとたちまちカモメが群がってきます。

写真はアレックスが指先につまんだパンくずを、カモメが直接くちばしでくわえ取ろうとするところ。
そのビデオも見られます。　　クリック　↓

リフトの傾斜はなだらかで足元には安全網が張られ、約１２分間ゆったりと風景を眺めながら登ります。

写真で少しはかすんでいますが、左手奥に遠く金華山まで望めました。

室根山から見下ろした写真と対の関係になります。

頂上には四阿もあり、そこで景色を眺めながら、持参のおにぎりでゆっくり昼食を取りました。
久しぶりにピクニック気分を味わいました。

ドイツでは海が北方にしかないこともあり、太平洋を目の前にしたアレックスは感慨深そうでした。

砂浜を遠くの方まで歩いて行き、アワビやサザエの貝殻を探してきて、珍しそうに見せてくれました。