散歩の途中で見られるカモの仲間は、カルガモ、マガモ、コガモ、オシドリです。

カルガモは年中見られます。全身が茶褐色でほおから首にかけて白っぽく、くちばしの先が黄色です。

春３月、柳もまだ芽吹かない大川を泳いでいくカルガモ。

カルガモはこうして、群れで行動します。

しかし、中には単独で行動しているカルガモもいます。

このカルガモは、川だけでなく沼でもよく１羽でいました。

つれあいを亡くしでもしたのでしょうか。

カルガモは時々田んぼでも見かけます。

カルガモは雑食で、水草の他にタニシなども食べるそうです。

この２羽は、後で特集する「つがい」の２羽だと思います。

川面に首をつっこんで、水草や藻をあさるカルガモ。

平たいくちばしで器用に水草をすいて食事します。

川岸に生える稲科の植物も好物です。

右端の頭が緑っぽいのはマガモではないかと思います。

夏には沼でゆったり漂っているのをよく見かけます。

水草をあさるのでもないところを見ると、涼んでいるのでしょうか。

大川をさかのぼっていくカルガモ。

朝日に照らされて、くちばしの黄色が目立ちます。

カルガモも人の気配には敏感です。

これは遠くから望遠でねらっていたのですが、気配に気付いたか２羽が飛び立ったところ。

この後一斉に残りのカルガモも飛び立って行ってしまいました。

カルガモは、繁殖期前はつがいで行動し、メスがヒナを育てている間は、オスはオスだけの群れで生活するのだそうです。

ヒナが離巣すると、１０月頃から雄雌が一緒になり、大きな群れをつくります。

これはちょうど、大きな群れをつくり始めた頃だと思います。

これも、雌雄が一緒の大きな群れを作っているところ。

このあとの秋から冬にかけて、新たなつがいが誕生するのです。

カルガモが群れている岸の手前が、田んぼの中央を流れる大川です。手前の稲の陰になって川の流れは見えないのですが。

早朝の光の弱さと望遠の甘さのせいでぼんやりしていますが、右端と左手前の頭の黒っぽい２羽は、マガモだと思います。

頭が濃い緑なのがマガモの特徴だからです。

同じカモ類なので仲がいいのでしょう。

冬枯れの沼を列を組んで泳ぐカルガモ。

餌の水草は枯れずにあるのかな。

沼にいたカルガモが、私の気配を察して飛び立ち、田んぼの上を飛んでいくところ。

カルガモのあわてぶりは、なかなかユーモラスです。

上空に行くにしたがい羽ばたきや陣形はそろってくるのですが、これはあわてて逃げる最中で、陣形を組む余裕も羽ばたきをあわせるゆとりも無かったみたい。

カルガモは、秋から春先に行われるつがいの形成後、４月から８月ごろまで「つがい」単位で行動します。

その仲むつまじい様子を紹介します。

これは沼での様子。

その沼から、私の気配を察して飛び立った直後です。

群れでいたときと違い、ぴったり並んで、逃げるのにも息が合っています。

川で餌探しのつがい。

決して離れることなく、いつも一緒です。

こうしてアップで見ても、雌雄の区別は難しいのがわかります。

たぶん手前右側がオスで、左側奥がメスだと思います。

これも沼で、私の気配を察して飛び立ったところ。

けっこう警戒心が強く、容易に近づけません。

江戸時代まではネギと一緒に煮られて人間の餌にされた、遠い記憶でもよみがえるのでしょうか。

なお、今日鴨肉で流通しているものの多くは、アヒルやアイガモ（アヒルとカルガモの交配種）の肉だそうです。

マガモのオスは頭部が濃い緑で、白い首輪があり、羽も腹部も白っぽいのが特徴です。

メスは、頭部が黒褐色で胴体が黄褐色と地味で、頭部を除くとカルガモに似ています。

これがアヒルの先祖で、かつては食用としてカモの仲間では最高の味とされたそうです。

右端の小さいのはマガモの子どもだと思います。

母鳥が真ん中手前で向き合い、父鳥が左端で見守っています。

手前を右側に向かって泳いでいる３羽がマガモで、奥の３羽がコガモだと思います。

コガモは名前の通りカモ類の中では小型で、鳩より一回り大きいぐらい。

オスは頭が濃い茶色（栗色）で、目の周りが暗緑色。身体は灰色で側面に横方向の白線が入っています。

メスは全体に褐色で、羽の横側に緑色が見られるのが特徴です。

コガモは植物食で、藻や水草などを食べるそうです。

越冬のために渡来し、2月末から3月につがいを形成し、繁殖地であるシベリアや中国に渡るのだそうです。

この２羽はつがいになったのでしょうか。

このときはオスが４羽にメス１羽と、つがい形成はどうなるんだろうと思われる状況でした。

体は小さくても、味はマガモに勝るとも劣らないと言われるそうです。

それでも小さいおかげで、マガモほど人間にねらわれずにすんだとのこと。

こんなかわいい鳥を食べたとは。

このカモは種類が不明です。

図鑑を調べると似たのにヨシガモというのがあるのですが、そちらは頭頂部が栗色で顔から首にかけてが緑なので、ちょうどこの鳥の模様と逆です。

マガモとコガモを掛け合わせればこうなるか、という面白い模様です。

この２羽はたぶんつがいだと思います。

オスはピンクのくちばしに目の周りの横長の白いくま取り、首筋の明るい茶色を始め、カラフルな色模様で一目で見分けられます。

一方のメスは、全体的に灰褐色で、目の周りの白い横線と羽の白いまだら模様が目立つぐらいで、オスには著しく見劣りします。

「おしどり夫婦」で仲のよい代名詞になっているオシドリですが、実際は他のカモ類と同じく、繁殖期ごとに別の相手と結ばれ、繁殖期以外ではオスとメスは別行動なのだとのこと