デュッセルドルフは人口が58万人。東方10�qの郊外には、先史時代の骨が発見されたので有名なネアンデルタールがあります。

長い歴史のある土地柄のようです。

デュッセルドルフには外国人が10万人もいて、そのうち日本人は5.000人。日本企業の進出が盛んで、1971年には日本人学校が開校されました。

通りには日本語の看板が並んでいる一角があります。
日本人向けの食料品店や本屋さんもあり、たいがいは不便しないとのこと。

スーパーでは寿司も売っていました。

写真では「NEU!NEU!NEU!　Sushi」の広告に気を取られて、肝心の寿司は左下に少ししか写っていませんが、紛れもない日本の寿司でした。

朝食用のパンを姪が買いに行くので、いっしょにに付いて行ってみました。

パン屋さんは歩いて５分ぐらいのところにあり、６時前なのにここだけ店が開いています。
ドイツでは焼きたてのパンを食べるのが普通なのです。

日本と違って不必要な照明がなく、それが返って新鮮でした。

パン屋さんからの帰り道、通りにクリスマス用の飾り付けが残っていました。

左の写真はストロボを焚いたのですが、冬場（１月初旬）のせいもあり通りはまだこの暗さです。デュッセルドルフは北緯51度、樺太と同じなのです。

通勤･通学は７時半ごろ家を出ます。その時間でも外はまだ薄暗いのでした。

同じ通りに小さな十字架が立っていました↓

1797年、ハイネはこのデュッセルドルフで生まれました。「ローレライ」が有名ですが、その詩には多くの音楽家が曲を付けました。

シューベルトの「白鳥の歌」、メンデルスゾーンの「歌の翼に」、シューマンには「詩人の恋」や「二人の擲弾兵」があります。

ハイネの政治評論や社会批判はドイツ当局から監視され、パリに居を移した後はマルクスやエンゲルスと深い交流がありました。

レストランになっているハイネの生家　　↓

シューマン夫妻が住んでいた家の玄関の右側の壁には、シューマンとクララのレリーフがはめられていました。

デュッセルドルフの音楽監督としてやってきたシューマンは、ここでチェロ協奏曲やライン交響曲を作曲します。

1853年、20才のブラームスがこの家にシューマン夫妻を訪れ、親しい交際が始まりました。

しかし1854年2月、シューマンはライン川に投身自殺を図り、ボン郊外の精神病院で息をひきとります。46歳でした。

オペラハウスでバレーを観賞しました。チャイコフスキーの「クルミ割り人形」の曲に乗せて「クリスマスキャロル」の物語を演じるのですが、その取り合わせが絶妙で、楽しかったです。
曲と踊りが違和感なく聞こえるのですから不思議です。

演奏はかつてシューマンが指揮をした地元の交響楽団でした。内容の楽しさと合わせ、照明が夢のように美しく、２時間を超える舞台もあっという間でした。

途中で休憩時間が取られ、各階に備えられたレストラン？で軽い飲み物を立ちながら取るようになっています。この舞台の合間の歓談が、一種の社交の場になっているようでした。

1998年に初めてデュッセルドルフを訪れたのですが、その時にはベートーベン唯一のオペラ「フィデリオ」を見ることができました。
しかしそれは、予想外のできごとだったのです。

実は、私たちが手にしていたのは「蝶々夫人」の入場券でした。だから始めに序曲が演奏された時には、なんだか聞いたことはあるが、これが「蝶々夫人」の序曲だったんだな、ぐらいの気持ちでした（実は序曲レオノーレだったのです）。

しかし幕が上がると、背景といい、衣装といい、日本を感じさせるものは全くありません。これは洋の東西を超えた斬新な演出なんだろう、などと思って見ていました。

それでも蝶々夫人のあらすじは想像がつくので、予想外な舞台上の進行にしだいに落ち着かない気持ちになっていました。

間違いに気づいたのは妻の弟でした。彼は我々と違ってドイツ語がわかるので、さすがに「蝶々夫人」ではないと察し、考えを巡らせたあげく、それがベートーベンの「フィデリオ」だと気づいて、教えてくれたのです。
入場の際、通りすがりに見かけた掲示板に、「フィデリオ」の紹介があったことを思い出したのだそうです。それはプログラム変更の知らせでした。

帰国してからコーラスを指導している専門家の方に妻がその話をしたら、「あなたがたは運が良かったのよ」とほめられたそうです。それほど「フィデリオ」を生で聞ける機会は少ないのだそうです。

ヨカッタ、ヨカッタ。

「クリスマス・キャロル」に戻ると、その�Bのように地元の子どもたちも出演しかわいらしく踊っていました。地方都市の文化の質の高さを感じさせます。

デュッセルドルフから東へ１０�qのネアンデル谷に、ネアンデルタール博物館があります。
この谷の洞窟で1856年に発見された化石から、約20万年前〜2万数千年前に現生人類とは別種のヒト属がいたことが分かり、ネアンデルタール人と命名されました。

入り口の像の前　↓

ゾーリンゲンは中世から刃物の町として知られており、今もナイフ・ハサミ・手術用具などの刃物工業で世界的に有名な都市です。

デュッセルドルフからは東南に20�qほどに位置します。

この地の山上には中世の古城がそっくり保存されていました。

ベルサイユやシェーンブルンのような華麗な宮殿とは違い、領主同士の戦乱の世に築城された戦いのための城です。

城の外壁は敵の襲撃に備えて矢を射る穴がぐるりと取り囲んでいました。

室内もシャンデリアや壁の絵こそ豪華な感じですが、腰板や天井は板木がむき出しです。

廊下には刀や槍などの武具や、鉄製の黒い甲冑が何種類も展示されていました。

当時の戦いの絵も展示されていました。全身を甲冑で覆い、太い槍を手に構え、馬に乗った何百人という騎士の一団が、相手の一団と向き合い、長い槍で互いに相手を馬から突き落とし、落ちた騎士を剣で突いて殺そうとしている様子が克明に描かれていました。

その残酷さを思うにつけ、 当時の貴族も心中は決して平安でなかったろうな、と暗い気持ちになってくるのでした。

城は外壁に沿ってぐるりと一回りできるようになっています。そこを歩いていくと、その通り道にそって弓矢を持った兵が配備され、城壁の外から攻め寄せて来る敵兵に向かって、次々と矢を射る様までが目に浮かんでくるのでした。

写真右手の見晴台の奥には、塔の上に通ずる細い道がありました。その抜け道のように暗く狭い、急な石段を登っていくと、700年前の騎士道物語の世界に戻っていくような思いがして来るのでした。

古城の敷地内には土産物売り場やレストランがありました。

この写真は、レストランの２階でコーヒーを飲みながら見下ろしていた風景です。
そのコーヒーは、ウェートレスが置いていった容器から自分でコップについで飲むのですが、たっぷり３杯分はありました。

夕暮れが迫るころ、白わくに縁取られた窓と黒壁の民家を見下ろしていると、しだいに旅情が湧いてきます。

日本と違ってレストラン内は無用な音楽が流れていないので、ゆったり情景に浸れるのでした。

デュッセルドルフの市街をライン川が流れています。妻の弟の家から徒歩で10分ほどでした。川上と川下の風景です。
ドイツでは「父なる川」と呼ばれるそうです。外国の船が自由に航行する国際河川。

ハイネの詩「なじかは知らねど…」で有名なローレライの岩山は、ここから150�q上流になります。ユネスコ世界文化遺産に登録されました。　　　↓

姪は日本語学校でなく現地の小学校に入りました。その１年生の授業風景を１時間見せてもらいました（歓迎されました）。

写真は途中でおやつを食べているところ。

授業の中頃には中央の広場？にみんなが集まり、ダンスを踊って気分転換しました。生徒の気をそらさない楽しい授業でした。

生徒数は22人、日本の40人学級ではこうゆったりしたていねいな授業はできないだろうな、と思いました。

その２年後、２度目の訪問時の写真です。海外旅行をしていた娘が、旅先で知り合った友だち夫婦を連れて来て、一緒に落ち合ったところ。

姪は３年生で、ハロウィン の仮装も見せてくれました。　　　↓

３度目の訪問時の写真です。姪も中学生になり、部屋の入り口に友だちの大きな写真があったので一緒に。

この中の一人と、２回目の訪問時に撮ったのが下の写真です。
　ドノ子カワカルカナ 　↓

３度目の訪問時には妻が餃子づくりを伝授（？）しました。

妻は中国から来たお嫁さんに日本語を教えている関係で、餃子づくりの講習会を我が家で何度か開きました。その腕を披露しているところです。

夫は甥のピアノ伴奏でラピュタやエーデルワイスを披露しました。
その声をお聞かせできないのが、ホントウニ残念です。　 　↓