スキー場からザルツブルク駅まで、妻の弟が姪と車で送ってくれました。

駅の売店ではモーツアルトの似姿の看板が、チョコレートを手に宣伝していました。
ザルツブルクではモーツアルトの宣伝効果が抜群のようです。

切符売り場の壁面には、子どもたちが描いたと思われる絵が貼ってありました。　↓

電車の後部に自動車を積んだ貨車が続いていました。

電車の中に自転車を持ち込んでいる人も見かけましたが、利用者の便を図っているのが見て取れます。

ザルツブルクはドイツとの国境にあり、ミュンヘンまでの直線距離は１３０�qほどです。
電車が駅を出発するとほどなく国境を越え、ドイツになります。

しかし電車に乗っている分には、オーストリアとドイツの国境を意識することは全くありませんでした。
電車の窓から見える風景も、どこまでがオーストリアでどこからがドイツなのか、まったく分かりません。

一面を覆う雪景色の中に時折現れる石造りの家と教会の尖塔に、旅情を感じました。

雪に埋もれた冬景色は、我が東北地方を思わせます。
暖冬になったこの頃では、岩手でもこういう雪深さはあまり見られなくなりましたが。

雪かきをしている子もいました。雪の深さがよく分かります。

やはりアルプス山脈のふもとだけあります。

ミュンヘンは、ドイツ南部バイエルン州の州都で、人口は約135万人、ドイツ第３の都市です。

上の雪景色の地方と同じ州なのに、アルプスから離れたミュンヘンには雪がありませんでした。

街の広場にスケート場がしつらえられ、親子連れなどで賑わっていました。

照明があるので夜も利用できるようです。

そのリンクの脇で、水着姿で頑張っている人たちがいました。

我慢くらべでもしているのでしょうか。

カールス門は旧市街への入り口です。この門をくぐるとメインストリート、ノイハウザー通りになります。　

両脇に店の並んだ広い通りは歩行者天国になっていて、車はありませんでした。

自転車も押して歩いていました。

通りには模様入りのライオンの像が、いろいろな所に置いてありました。　　　↓

ライオンはミュンヘンのシンボルなのだそうです。

イノシシは妻の干支なので、親近感を持ったようです。

ユーモアのある彫像。

噴水にもいろいろな工夫が凝らされています。

通りに面した店に、ハローキティの人形が並んでいるのが目に入りました。

ドイツでも人気とは知りませんでした。

ハム・ソーセージの専門店もありました（↓）さすがは本場です。

壁面に彫像の張り出した建物がありました。

いわれのありそうな建物ですが、何なのかはわかりません。

天使ミヒャエルを讃えて、１６世紀後半に建てられました。

入り口には悪魔と戦うミヒャエルの像が飾られています。

　

教会の地下にはルートヴィヒ２世の墓があります。ワーグナーに肩入れし、ノイシュヴァンシュタイン城　　↓

を建てた彼は、湖で謎の死を遂げたのでした。

私たちが入ると、ちょうどミサの最中でした。日曜の朝だったのです。

正面奥の十字架の前の、白い服装が司祭です。

ミサの参加者は、ほとんどが高齢者でした。

市の中心マリエン広場にある新市庁舎です。

ネオゴシック様式の歴史的建造物だそうです。

一階にはユニセフや喫茶店などが入っていました。　　↓

中央の塔には、ドイツ最大の仕掛け時計があります。
その仕掛けが正午から見られるというので、時間前に行って待っていました。

そのからくりは、上段で馬上の槍試合が行われ、下段ではビール樽を作る職人たちがくるくると踊り出す、というのでした。

人形は３２体で、等身大なそうです
演技？は１０分ほどで終わりました。

１４１７年に作られた旧市庁舎は戦争で破壊され、１９７２年に復元されたのだそうです。

道理で、「旧」なのに「新」より新しいわけです。

やはりマリエン広場に面して建ち、現在はおもちゃ博物館になっています。

塔のある黄色い建物がテアティーナー教会です。

写真では塔が一つしか見えませんが、その陰に同じ塔がもう一つ建っています。
イタリア・バロック式で1675年に建てられました。

この通りも歩行者天国になっていて、右側にはファッション店やカフェなどが並び、観光スポットだそうです。

テアティーナー教会の向かいがオデオン広場です。
写真は広場の正面にある「将軍堂」の一角。
ここにもライオンの像があります。

この広場は、1923年アドルフ・ヒトラーの率いるナチスがバイエルン警察と衝突した、ミュンヘン一揆の場所です。

ここで、スパーで買った軽食で昼食を済ませました。

Ｎ響の桂冠名誉指揮者ヴォルフガング＝サヴァリッシュは、このバイエルン国立歌劇場の音楽監督を長年勤めました。

バイエルン国立歌劇場はワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」や「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が初演された、名門劇場です。

歌劇場の隣にあるレジデンツは、バイエルン王家の宮殿でした。王制崩壊後1920年から博物館になりました。

このヴィッテルスバッハ家から、オーストリア＝ハンガリー帝国の最後の皇帝ヨーゼフ１世に、１６歳で嫁いだ王妃、エリーザベト

　

が生まれたのでした。

レジデンツ一番の見どころ「考古館」は１６世紀に建てられました。

ルネサンス様式の丸天井にはフレスコ画が描かれ、両脇にはギリシャ・ローマ時代の胸像や彫像が並べられています。

ここにはモーツアルトやゲーテ、ナポレオンも来て、豪華さに驚いたそうです。

十字架に掛けられたキリストの像からは、事柄上むごい印象を受けることが多いのですが、これは美術品として作られたのでしょうか。

下の彫刻も美術品のコーナーに並んでいました。

王家の豪華な生活を彩る、豊富な宝石の陳列には驚きます。（写真下）

それとならんで、陶磁器のコレクションの多さにも驚きました。

ミュンヘンには美術館が多く、何カ所か回って見ました。
その中から印象深いものをご紹介します。

絵の前で１０人ほどのグループの人たちに熱心に解説している人がいました。

キリストの誕生を扱った作品らしいのですが、ドイツ語に無知な鑑賞者には結局由来が分かりませんでした。

これは下の絵同様、かなり大画面の迫力ある絵でした。

たぶんカトリックとプロテスタントが対立した宗教戦争を題材にしたものではないかと思います。

ミケランジェロのシスティナの礼拝堂の「最後の審判」は、力強く罰するキリストの印象が強かったのですが、こちらは優しい救いの気配が漂っています。

これなら祈りをささげれば救われる気持ちになれそうです。

天上の世界はおぼろにぼかされ、地上の世界はくっきりと描かれるなど、工夫がこらされています。

おどろおどろしさは薄まっていますが、構図的にはこちらがヨハネの黙示録に近いと思いました。

ゴッホの「ひまわり」はいろんな美術館で見かけます。

それぞれの違いは分からないのですが、確かにこれはゴッホだ、という独特の気配が伝わってくるから不思議です。

これはよく見かける有名な肖像画。
ドイツと言えばやはりゲーテが欠かせません。

なにしろ詩人、劇作家、小説家、哲学者、自然科学者、政治家、法律家と、その精力的な活躍ぶりには驚かされます。

それにあやかろうと一緒に撮ってみたのですが。