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安保法
9月22日付「岩手日報」の”日報論壇”という欄に載った投稿記事を、コピーでご紹介します。
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本 文 の 補 足
集団的自衛権行使を柱とする安保法案が衆議院で強行採決された後、日本が戦争する国へと変えられようとしていることに危機感を募らせた妻は、「お父さん、新聞に投稿してみたら?」と勧めるのでした。
多くの著名人が安保法案を批判する意見を公表している中で、わざわざ私などが出る幕ではないから、とスルーしていたのですが……。
衆議院で質問者が発言中に「早く質問しろよ」とヤジを飛ばした安倍首相は、参議院でも中谷防衛相が答弁に窮すると「いいじゃん、そんなこと」と質問者にヤジを飛ばす不誠実さでした。その防衛相のたび重なる答弁不能ぶりにも驚いたのですが、さらに委員会の異常な強行採決(速記録には”議場騒然、聴取不能”としかなく、実際に採決したかどうかの客観的証拠はない)を見るうち、黙っていられなくなりました。
憲法9条第1項には、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とあります。
安倍首相は、自衛隊の「武器の使用」は「武力の行使」ではない、などと答弁するのですが、「武力」とは「武器を用いた力」なわけで、こういう答弁を詭弁と言うのではないでしょうか。
私などと違って、純然たる憲法学者の見解はもっと明快です。朝日新聞が7月に憲法学者に対して行ったアンケート調査によると、回答した122人中104人の方が「憲法違反」と答え、「憲法違反の可能性がある」が15人、「憲法違反に当たらない」はたった2人だったそうです。
もっとも政権側もそんなことは重々承知のようで、磯崎総理補佐官(安全担当)は、政権にとって(従来の憲法解釈との)「法的安定性は関係ない」と発言したのが問題になりましたが、安倍政権は法律が憲法に違反するかどうかは問題でないと認識しているようです。ここには憲法を遵守すべき政権担当者の、憲法軽視の不遜な態度が現れていると思います。
2年前問題になった麻生副総理の講演会での発言が思い起こされます。
かつてドイツで、最も民主的と言われたワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生したことを挙げ、「ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか。」と言ったのでした。
あれは単なる言葉のアヤだったのではなく、安倍政権の根深い憲法軽視、あるいは敵視の表れだったのではないでしょうか。
1999年、100ヶ国以上が参加して開かれた第3回国際平和会議で、「 各国議会は、日本の憲法第9条にならい、政府に戦争を禁止する決議をすべきである 」とされた、世界に誇るべき日本国憲法、「世界史の奇跡」と言われる憲法を、解釈改憲で骨抜きにし、それに反する法律を制定することは許されないと思うのですが。