2013年10月19日
湿潤療法で著名な夏井睦先生の著作です。
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)
一言でいうと、とても面白いです。あとがきにも書かれていますが、多くの仮説が出ています。
第1章から第5章までは糖質制限の有効性、自身の体験とブログ読者や周囲の糖質セイゲニストの体験、理論、現在の糖尿病治療について、人間と糖質のこれまでの歴史的経緯などについて説明しています。
他人に秘密にしておきたい情報満載ですね。(子供のデキがよくなる方法など)
第6章は「食物のカロリー計算」という概念は間違っているのではないか?という話です。
現在の医学常識を疑う、非常に刺激的なテーマです。
体温は最高でも、せいぜい40℃であり、この温度では、脂肪も炭水化物も「燃焼」しない。つまり、人体内部で食物が「燃えて」いるわけがない。
そもそも、細胞内の代謝と大気中の燃焼は全く別の現象である。
青汁だけで生きている人や千日回峰行が例としてでています。
それでは食物のエネルギーをどのように考えればいいのでしょうか。カロリー計算という考え方がわかりやすかっただけに、それに変わるものが必要とされる気がします。
第7章は「ブドウ糖から見えてくる生命体の進化と諸相」ということで、少し難しいです。
肉食動物も草食動物も人間と同様に、血糖値は100mg/dl前後でコントロールされている。(人間も元来肉食であったと考えられる)
つまり、「糖質を摂取せずに血糖を維持するシステムになっていること」が説明されています。
獣医の著作「ヒトはおかしな肉食動物」を読んだときも感じましたが、他の哺乳類と人間を比較するといろんなことに気づき、納得させられます。
その他、なぜ脳のエネルギー源がブドウ糖という効率の悪いものなのか?など。
第8章 「糖質から見た農耕の起源」
壮大な人類の歴史を糖質というテーマにそって。ある意味一番面白かったです。