日付
2007.8.18-23
山域
北アルプス
山名
鷲羽岳
(2924)
、水晶(黒)岳
(2986)
、
黒部五郎岳
(2840)
、薬師岳
(2926)
(その2)
同行者
なし
行程
第1日 新穂高温泉-秩父沢-鏡平山荘 4時間20分
第2日 鏡平山荘-弓折岳分岐-双六小屋-三俣蓮華岳-
-三俣山荘-鷲羽岳-ワリモ岳-水晶小屋 10時間45分
(以下本ページ)
第3日 水晶小屋-水晶岳-水晶小屋-岩苔乗越-
三俣小屋-黒部乗越-黒部五郎小屋 8時間25分
第4日 黒部五郎小屋-黒部五郎岳-赤木岳-北ノ俣岳-
-太郎平小屋 8時間30分
第5日 太郎平小屋-薬師岳-太郎平小屋-折立 8時間10分
第6日 富山より帰京
青線
……主稜線。
赤線
…歩行経路。
第3日 8月20日(月) 晴れ
4:30起床。朝焼け。稲光のお陰でやや睡眠不足。小屋写真の2階窓が稲光の差し込んだ窓です。
5:45サブザックで水晶岳往復へ。寒いので長袖シャツの上にセーター、ジャンパー着る。
5:46南方向、右の高いのが槍(写真)。そこから左の稜線を一段下った上にかすかに見えるのは
南アルプス。肉眼ではそのさらに左に富士山が見えたのだが写真では残念ながら…。
日本の高山ベスト5がほぼ一直線に並んでいる!
歩き出してしばらくは稜線上のなだらかなルート。
こんなものなら楽、と思っていたのだが…
5:57朝の黒部五郎岳。気分爽快。
左は祖父岳。
右の低地は雲ノ平。
高天原温泉にはいつか必ず行ってみたい。
水晶ピークに向け、簡単にアクセスできそうに思えたが、
ルートは左外へと巻いてゆく。
ハイマツがらみの狭い道を通り、岩の重なりをいくつも上下。
人には全く会わない。岩峰険。
6:00水晶岳山頂を写す。ステゴザウルスの背中のようだ。
この瞬間に左から頭が持ち上がってもおかしくない(おかしいが)。
6:37水晶岳頂上に達す。
展望絶佳だが狭く岩だらけ。
セルフタイマーも使えず。空が只ただ青い。
仕方がないので標識だけ、背を反り返らせて写す。
360度の展望。西には白山、南には乗鞍、御嶽。
6:38赤牛岳方向。先には台形の立山とその左に剱岳。
右手はるかの山は白馬か。
快晴無風、昨日からは信じられない好天。
この先に行きたい気持を将来にあずけ、小屋へと引き返す。
7:15岩場抜ける。陽強、暑い。
水晶で百名山は54座目。歳に追いついた。
7:50水晶小屋帰着。荷造りして黒部五郎へ向け再出発。
8:23ワリモ北分岐。
8:32岩苔乗越。ここから黒部源流標までの沢は鼻歌の出るような良い所(左)。
流れの水を飲む。うまい! 顔を洗う。気持いい!
あちこち拭く。3日風呂に入っていない体には爽快。
沢の水でしぼった手ぬぐいを頭にかぶると冷たくていい気持。
この後これを繰り返す。帽子かぶる人の気が知れぬ。
こんな沢には一日中いたい。右手には祖父岳。
お花も一杯。これはムシトリスミレ。
株元の葉が丸まっているのは虫を取り込んでいる所。
9:56なぜか「ワサビか?」と思ったが帰って
調べるとフユユキノシタ。食べられそうだ。
靴の紐がゆるんだので、休んだら結び直そうと思い、いざ休むと、まず水を
飲み地図を見て忘れてしまう。歩き出してまた気付く、ということが何回も。
「岩苔」の「岩」の字が出てこない。疲れている。カメラ電池も乏。
10:00雲ノ平分岐。こっちもいつかは行ってみたい所。
しかし今回は残念ながら無理だ。10:50三俣小屋、カロリーメイトで昼食。
11:25出発。両手の日焼けが赤くなっている。軍手をする。11:50雪渓渡る。
12:00すばらしい展望台。正面に黒部五郎(右)、右に薬師、後ろに鷲羽。
12:45黒部乗越。肩疲。黒部五郎小屋へは400mも下る。もったいない!
14:10黒部五郎小屋着。快晴のまま。CT5h25mの所8h25mかかっている。
早着は久しぶりのゼイタク。部屋は天井高く客も少なくてよい。
標高2350m。明日の登りは約500。洗濯(下着上下、手ぬぐい)、体ふき、
玄米ブラン食事、水補給、ストレッチ、アリナミン、ビオフェルミン飲む。
終わって15:45、5時まで寝たら…頭痛だ! 南アと同じ! 高山病か?
第4日 8月21日(火) 曇り
4:30起床、少しは寝たか。同室者歯ぎしり騒。
五郎にはガス。
昨日は炎天で閉口と思ったが見えないよりは晴れた方がよい。勝手だ。
6:00出発。カール内の道をゆく。ガスで見えず。
7:19巨岩の多い所でライチョウ見ゆ(右中央)。
2,3人の同方向の人と前後し、急勾配を登って7:55肩に着。
一瞬ガスが晴れ、稜線上からカール内見ゆ(左)。
スケール感ない写真だが距離あり。
スタジアムのようで、コンサートやったら面白そうだが来るのが大変。
8:15分岐にリュックデポして頂上へ。
8:30黒部五郎山頂。残念ながら完ガス。幸いシャッター押す人あり。
8:40デポ地点に戻。8:45薬師方面へ再出発。
9:00太郎平方面からの10名ほどとすれ違う。
西の谷からの冷強風に吹かれながらジャンパーえりを立てて下る。
9:15コル先ハイマツの間に風を避けて休憩。
ガス真っ白の強風が音を立ててコルを吹きすぎてゆく。
9:50多分2578のピークに着。腹が減ったのでベビースターラーメン食べる。正面に薬師(右)がどーんとある。
薬師を中心に6連写。しかし欲張って重なりが足りなかったため繋がっていない。痛恨のショット。
左上2枚は赤木岳から北俣岳。下は右上から繋がる、赤牛-水晶-祖父-ワリモ-鷲羽各岳。
10:10再出発。風強まる。快晴となる。爽!
11:05、2575のピークらしき所で休。スパッツの靴底ゴムをはずし、しかし虫除けのため本体は着けておく。 11:40赤木岳。疲。陰ると寒。ジャンパー着る。 12:35北ノ俣岳直下でライチョウ親子。 左手に有峰湖。カメラ電池不安で不写。太郎平小屋見ゆ。雲行き怪し、風強。
12:50神岡分岐。 14:15雲ノ平分岐。疲。薬師、黒部五郎に黒い雲。
14:30太郎平小屋着。混んでいる! あてがわれたカイコ棚は談話室の近くで、
関西弁の元気なオバチャンの大声や廊下を通る足音で落着かず。
それでも寝ていたら15:30豪雨、よかった。
クラブツーリズムの団体など続々到着。小屋写真忘れ。
第5日 8月22日(水) 曇り/雨
6:00サブザックで薬師往復へ。短視界の中、下る一方で間違えたかと引返したら
出会った老夫婦に正しいと言われ、前後して登る。テント場で外人の女の子挨拶。
7:00薬師平、虫多し。陽出る。
チングルマ群落多。カザグルマに露を含んで多数あると雪渓のようだ。
7:25またライチョウ。ヒナ2羽連れ。
7:40薬師岳山荘、休。8:00発。強風とガスに道間違えるもなんとか
9:00山頂へ(写真)。
風を避けてすぐ下山。9:40薬師岳山荘通過。9:50雨やむ。
9:54登りで印象的だったチングルマを撮る。
またライチョウ。目の上に赤点1羽、オスか。
10:40テント場。外人の女の子はもういないようだ。
11:10太郎平小屋に戻る。この間にも折立から続々登って来る。こんなに人気の所とは知らず。11:20荷を作り直して下山出発。
11:55五光岩ベンチ。あちこちにベンチあり。
表丹沢のように整備された公園のような登山路。登山者も多いが道も長い。
13:06有峰湖(右)。その後また雨。
ずぶ濡れの男性を追い抜きながら傘なら貸しましょうかと言ったが断られる。
14:10折立着。1日2本のバスを休憩所(写真左。右はトイレ)で待つ。
テン場にいた外人の女の子2人がすでにいる。
あとから来た60位の夫婦と話していると、物凄いスコール。よかった。
が、途次傘を断った男性は大変だろう。
15:50やっとバス発。乗客は7人。あとは皆マイカー。ずぶ濡れの男性も車らしい。 途中、有峰の旧村の説明などがテープでアナウンスされるが、よく聞こえず。 民謡「こきりこ」も流れる。
16:55有峰口駅着。何ともレトロな駅。駅舎上部に見える「驛■小」は、旧駅名「小見驛」の名残。昭和45年に改名の時、上から新駅名看板を貼り付けたが落ちてしまった(Wikipedia)という。それをそのまま、というのもすごい。待合室の壁には、昭和38年1月の愛知大学パーティー遭難(13名死亡)の時の遺族作と思われる短歌の短冊が貼られている。
富山行きは17:29でまた待つ。外人女の子の一人が話しかけてきたので
久し振りの英語を使っていたら突然激しい頭痛。5日間の強行軍に加え、薬師岳で寒い思いをしたり折立までの下山中雨に濡れ、待っている間に体が冷えた…等のせいか、英語でオーバーヒートしたか? 来た電車に乗ると、その弱い冷房にも耐えがたく、セーターを出し、さらにジャンパーを羽織った。富山までの間、再び豪雨。
18:16富山着。翌6時の高速バス池袋行きをゲットして駅前のビジネスホテル「α1」へ。
疲れは普通でなく、とてもこのまま帰京できる状態ではなかった。 駅前の立ち食いソバでの天ソバがうまい。土産(ホタルイカあられ)と頭痛薬、酒「立山」300mlを買い、ホテルへ。 大浴場へ行く気力はなく、酒も半分も飲めず。21時過ぎ寝につくがエアコン暑くて不眠、明け方少し眠。
第6日 8月23日(木) 曇り
4:30起床。寝不足だが少しは回復しているか。6:00予定通りバス乗。
12:45池袋着、13:50帰宅。
結語:
8年前の南ア南半分6日間の時(46歳)より、明らかに体力が低下している。
今後は、できるだけ荷を軽くすること、行程はまあ3日まで、1日の行程を楽にすること。
しかし今回のような目標は、行ける時に行っとかないと、もう行けない、というテーゼは正しかった。
当初の計画では、自分でも半信ながら、最大、薬師を越え、スゴ乗越−五色平と更に2泊することを考えていたのだが、とうていムリと判明。
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