☆ どうぶつたちの今 ☆     しつけとノーリード ・・・ ドイツの犬事情 ・・・
 皆さん、唐突ですが下の写真をご覧ください! これは2回にわたってご紹介してきた、犬先進国ともいわれるドイツの街中の風景です。たくさんの人々が行き交う街中、バスの停留所、本屋さんの店先、道路・・・、本当に犬たちが“家族”として人間と行動を共にしている様子が伺えますね。何て素晴しいのでしょう。

さて、ここでお気づきの方も多いかと思いますが、着目すべき点はここドイツではノーリードのまま犬を連れている人が多いということ。 「そうそう! うちの子もとってもお利口さんだから、こんな風にリードなしでお散歩したいのよね」とお思いの方、ちょっと待ってください!

 「犬と子供はドイツ人に育てさせろ」というくらい、ドイツ人がしつけに厳しい国民性だということは既にお伝えしました。ドイツでは、子犬の保育園は当たり前。人間の子供を育てるのと同じくらい、飼い主が責任持ってしつけを行います。そのしつけは家庭内の振る舞いに留まらず、犬の社会性を身につけるための訓練も含まれているのです。ですから、ドイツの犬はとってもお利口で、マナーがいい! でもそれだけではないんです。犬を取り巻く環境が成熟されたドイツでは、飼い主に限らず、周囲の人も犬を受け入れる態勢が日本とはまったく違うのです。

たとえば、先ほどの写真の本屋さん。日本では考えられない光景です。「犬が本を汚すから」「他のお客様に迷惑になるから」「そもそも犬を店に入れるなど、衛生上良くない」…。日本では本屋さんに限らずほとんどのお店や公共施設で補助犬《盲導犬・介助犬・聴導犬など》以外の犬の同伴は許可されていません。一方でドイツでは、犬同伴で入ることができないお店や公共施設を探す方が難しい! というのも、ドイツの犬はしつけされていることが前提だからなのです。とはいえ犬もやはり動物。人間でいえば4、5歳と同じくらいですから、予期せぬアクシデントや物音でパニックになったり、ちょっとした粗相をしてしまうこともあるでしょう。こうして万が一他のお客様に迷惑をかけたり、商品にダメージを与えてしまっても、それは犬のせいではなく、あくまで飼い主の責任とみなされます。さて、日本ではどうでしょう。

 今、日本では各地でたくさんのドッグランが建設され、一見犬を取り巻く環境が整ってきたように思われますが、その分トラブルも多発しています。

 私が自分のわんちゃんと散歩をしていると、ノーリードで散歩をしている飼い主さんを見ることも少なくありません。近くには交通量の多い道路があるというのに、大丈夫なのだろうか? とこちらがヒヤヒヤしてしまいます。それに、うちの子は残念ながらどの犬ともお友達になれるわけではないので、散歩途中に他の犬とすれ違うときは、しっかりリードを握り締めて、他のわんちゃんに飛び掛らないようにしています。ところが、相手がノーリードの場合、こちらの事情もお構いなしにどんどん近寄ってくることもしばしば。そんなときは「ワンワン、ギャーギャー」、とっても大変ですし、うちの子が噛まれて怪我をしたことだってあるんです。
 また先日海に遊びにいったときは、小学生のお子さんがノーリードで犬を散歩させていました。もしもそのわんちゃんが、他の犬と喧嘩になってしまったり、他人に噛み付いてしまったり、咄嗟に犬がパニックで走りだしてしまった場合、大人でさえ対処できないこともあるというのに、お子さんならなおさらです。お子さんは自らの判断でノーリードにするわけではありませんので、親御さんがノーリードで散歩をされているのか、「リードを離してはいけないよ」と教えていないんでしょうね。これは本当に考えものです。

同サイトのコラム「ポチたま事件簿」でも、ノーリードに関して載せていますので、まだお読みでない方は、ぜひそちらもお読みください。

 本当の意味での「犬と人間の共存」について、皆さんはどのようにお考えになりますか? ドイツのようにノーリードで散歩をさせたければ、まずは犬に対する責任あるしつけと、それを取り巻く環境をみんなで育てる必要がありますね。
                                           (文責: ペットジャーナリスト Nao)

日本のちまたでは・・・・ノーリードをどう考えているのでしょう。
参考までに覗いてみてください。

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