表 『日本の古代国家』に引用された「理論的」著作

著者 書名・論文名 引用頁 引用テーマ
第一章 1 マルクス 『資本制生産に先行する諸形態』 16頁 「初期の支配形態」の二類型
2 マルクス 『資本論』(第一巻第一篇第二章) 17頁 商品交換の始まり
3 マルクス 『ドイツ・イデオロギー』 18頁 「正常な交通」
第二章 4 エンゲルス 『家族・私有財産および国家の起源』(第九章) 97頁、105頁 97頁:国家の属性と税制の成立
105頁:国家の属性と領域による人民の区分
5 マルクス 『資本制生産に先行する諸形態』 105頁、110頁 105頁:4−105頁に同じ
110頁:「統一体」
6 モルガン 『古代社会』 4−105頁に同じ
7 メイン 『古代法』 4−105頁に同じ
8 マルクス 『資本論』(第一巻第一篇第一章) 143頁 王の「自己運動」に対する錯覚
第三章 9 マルクス・エンゲルス 『共産党宣言』 174頁、383頁 174頁:「組織された強力」と国家
383頁:「公然たる、または隠然たる闘争」
10 マルクス 『ドイツ・イデオロギー』 196頁(二箇所)、343頁 196頁:国家と支配階級の「共同利害」
196頁:「国家意志」
343頁:武士団・領主の連合体・結合体
11 エンゲルス 『フォイエルバッハ論』 196頁 10−196頁(後者)に同じ
12 ウェーバー 『社会学の基礎概念』 199頁 団体における「自律的」他の概念
13 ランゲ 『政治経済学』 223頁 資本主義社会の「計量化」
14 エンゲルス 「道徳的批判と批判的道徳」 350頁 所有と権力
15 尾高朝雄 『国家構造論』 358頁 「精神的構造物」と国家
16 マルクス 「ヘーゲル国法学批判」 360頁 国家の目的と、官僚の「出世」
17 マルクス 『資本論』(第三巻第四七章) 383頁 土地と、農民の隷属
18 エンゲルス 『家族・私有財産および国家の起源』 384頁、394頁 384頁:国家と「物的設備」
394頁:国家と社会の「融和しがたい対立」
第四章 19 マルクス 『資本論』(第三巻第六篇第四七章) 242頁、243頁、255頁 242頁:「労働地代」の特色
243頁:奴隷制と農奴制の区別
255頁:従属関係と負担の過酷さ
20 マルクス 『資本論』(第三巻第六篇第三七章) 243頁 水と土地
21 マルクス 『剰余価値学説史』 254頁 リチャード・ジョーンズへの評
22 ジョーンズ 『地代論』 254頁 「ライオット地代」
23 マルクス 『資本制生産に先行する諸形態』 255頁 「共同労働」・徭役労働とアジア的首長制
24 エンゲルス 「マルクス宛書簡」(1853.6.6) 270頁 東洋的専制国家と「再生産のための配慮」
25 マルクス 『ヴェーラ・ザスリッチ宛の手紙』 274頁、275頁、280頁(二箇所)、 274頁:「農業共同体」
275頁:「農業共同体」の解体と家畜
280頁:ロシアにおける、「私有財産」としての土地
280頁:私的占有の、ゲルマン的共同体との区別
26 マルクス 『ドイツ・イデオロギー』 275頁、277頁 275頁:「交通」と社会的分業
277頁:私有と分業
27 マルクス 「エンゲルス宛書簡」(1853.6.2) 279頁 279頁:東洋的専制国家における「私的土地所有の欠如」
28 エンゲルス 『アンチ・デューリング』 322頁 支配=隷属関係の「二つの道」
第五章 29 マルクス 『ドイツ・イデオロギー』 411頁、444頁(二箇所) 411頁:宗教と「超越的なものについての意識」
444頁:「虚偽意識」としてのイデオロギー
444頁:「共同性の幻想的な形態」
30 マルクス 『資本制生産に先行する諸形態』 412頁、450頁 412頁:呪術と、共同体の「隠れた基礎」
450頁:支配と「他者の意識の占有」
31 マレー 『ギリシア宗教発展の五段階』 412頁 古代ギリシア人の宗教意識
32 J.Harrison Prolegomena. 412頁(二箇所) 412頁:31に同じ
412頁:ポリスの古典段階における呪術
33 G.Morrow Plato's Cretan City 412頁 32(後者)に同じ
34 R.Marett Sacraments of Simple Folk 412頁
35 エンゲルス 『フォイエルバッハ論』 444頁 「イデオロギー的権力」としての国家
36 デュルケム 『宗教生活の原初形態』 451頁 宗教と「教会」


(1)書名・論文名は、原則として石母田の引用に従う。
(2)複数回、引用されている著作は、『日本の古代国家』の章毎に示した。例えば、bPのマルクス『資本制生産に先行する諸形態』(以下、『諸形態』)は、第一章だけでなく、第二章(5)、第四章(23)、第五章(30)にも引用されているので、別個に示した。また、同一の章において複数回引用されている場合は、一括し、頁において引用回数を示した。例えば、『諸形態』は第二章において二箇所、引用されているが、5として一括し、引用頁を示すことで引用回数を示した。
(3)『資本論』は、同書の章毎に独立して示した。例えば、第四章では第三巻第六篇の第四七章(19)・第三七章(20)の二章が引用されているが、それぞれ別個に示した。
(4)32〜34を「理論的」著作とするには疑問もあるが、便宜、示しておいた。
(5)他に、第三章については、マックス・ウェーバー『経済と社会』が参照されていることが指摘されている(古尾谷知浩「序章 家産制的支配」〔『律令国家と天皇家産機構』塙書房、二〇〇六年〕など)。ただし、同書は引用されていない。また、そこで展開された「理念型」、さらにその具体的概念である「カリスマ的支配」などと、石母田の「人格的身分的結合関係」他の概念は、ー前者の影響は否定しないがー基本的に異なるものである(拙稿「機構論における『人格的身分的結合関係』とは何か?−任用過程研究の意義ー」註(38)参照)。