低身長のお話 (いのまたこどもクリニック)

1.   調べた方が良い「低身長」とは。

極端な低身長を「小人症」と言います。性別・年齢別の身長の平均値からの隔たりを
表す用語で「標準偏差値(SD)」というものを使って、「平均値-2.0SD」よりも
小さい身長の場合に「小人症」と定義されます。その様なお子さんは、原因になる病気
があるかもしれませんので、診察・検査をした方が良いです。

そして、身長の伸びが悪いお子さんも調べた方がよろしいです。これも、性別・年齢別
の成長率(1年間に何センチ伸びるか)と言う値があって、「平均値-1.5SD」よりも
伸びが悪い場合には、診察・検査をした方が良いです。

「平均値-2.0SD」の身長(左表) 「平均値-1.5SD」の成長率(右表)

年齢

男cm

女cm

 

4歳0ヶ月

92.5

91.9

 

5.8cm

5.8cm

5歳0ヶ月

98.1

97.7

 

5.1

5.4

6歳0ヶ月

103.8

103.4

 

4.6

5.1

7歳0ヶ月

109.5

108.8

 

4.6

4.6

8歳0ヶ月

114.7

113.9

 

4.4

4.3

9歳0ヶ月

119.7

118.8

 

4.1

4.2

100ヶ月

124.5

123.9

 

3.9

5.2

110ヶ月

128.9

130.2

 

4.1

6.7

120ヶ月

133.9

137.0

 

5.5

4.5

130ヶ月

140.7

142.3

 

7.7

1.7

140ヶ月

148.6

145.3

 

5.0

0.6

150ヶ月

154.7

146.5

 

2.3

0.2

もっと詳しい表や図などはクリニックに置いてあります。

成長曲線や低身長の話は
ファイザーKKの成長障害相談室のサイト

日本ケミカルリサーチKK(JCR)の成長ホルモン治療情報サイト 
ノボ ノルディスク社の成長障害、低身長のお子様のための相談室
日本イーライリリーKKの「患者さんとご家族のための成長ホルモン治療情報サイト」
などにもあるので参照して見て下さい。 

2.   小人症になる原因の病気

小人症の原因疾患」(ココをクリックすると見れます)には沢山あります。クリックされて見た表は専門的な病名が並んでいるので一つ一つは説明出来ません。言いたい事は、この様な色々な病気を考えながら、診察をして必要ならば検査をしている事、成長ホルモンを射てば身長が伸びるという病気ばかりではない事を知っておいて下さい。

 

3.   診察・検査・診断の手順

    受診の前に「成長の記録」を準備して持参して下さい。

母子手帳、幼稚園の記録、学校の身体検査の記録(学校に言えばコピーをもらえます)などから、過去の身長・体重の記録を(クリックして印刷されると便利です)に記入して持って来ていただけると助かります。

    診察・検査の手順は(ココをクリックする)別表のように私はしております。初診の時には、成長の記録から成長曲線を描き、問診と診察とから、必要な場合は、血液・尿検査と骨年齢を調べるための手のレントゲン検査をします。再来の時に、検査の結果から、診断をお話しするか、更に検査を進める必要があるか、の説明をします。成長ホルモンが出ているかどうかの検査が必要の場合は、外来にて23時間かかる薬剤での刺激検査の予約をします。これ以上の事は、外来にてお話します。

                  (2021.3.4.更新)