大物を求めて小笠原へ

日本で最も釣行するのに時間が掛かる釣り場、それは小笠原諸島
時差が有るのではないかと思うくらい、日の出と日の入り時間が東京と違うが、ここは東京都であり品川ナンバーの車が走っている。
私が始めて訪れた時は、ようやくBSが放送され島でもTVが見れるなどと言われた時期で、小笠原丸でも30時間掛かった時代だ。

小笠原釣行に私が準備したタックルは、ラインはスピニングにフロロ6号とナイロン30lb、ベイトにはナイロン50lbをチョイス。
ロッドはスピニングにスエルズ800SGSとリールはダイワ磯遠投5000、ベイトはフェンウイック ツナスティックにリールはアブ7000シンクロ。
ジグは3ozから200gと重めのジグとして13ozのジグをチョイス。
リーダーはナイロン20号と30号を準備し、フックはガマカツの強化トリプルフックに強化スプリットリング。
当時アシストフックシステムは登場しておらず、4/0クラスのトリプルフックの入手に苦労した記憶がある。
(アシストシステムが一般的になっていれば、カット泳がせ等の入手しやすいフックとケプラーを使って自作していたと思う。)
釣友達はPE6号のスピニングヘビータックルをチョイスして、ジグも200g以上しか揃えていない大物狙いである。
小笠原の釣りは基本的に全行程1週間以上、釣り船上でも数日間連続の釣りになるので、小物類やスペア道具の調達も現地では出来ず、釣行は大荷物となってしまう。

ここは大物との出会いが多く、リーダー20号など軽く切られ魚が止まる前にラインブレイクの連続だった。
船長は手釣りで20kgクラスのカンパチを軽く釣り上げており、色々話しているうちにリーダーが細くて短過ぎる事が、バラしの原因では無いかとアドバイスを受ける。
船長曰く、ラインは魚とやり取りしていて張り込んでいると、60号でも切れるので手釣りでは80号を使用しているからルアーの場合、
ロッドの弾力とドラグでラインが出る事を考えると60号位を付けて試してみると良いのではないか。
そしてリーダーはIGFAルール内限度一杯の9m取る事にする。
結果的に、この方向性は見事に的中し、私は良いサイズの魚に巡り合う事が出来た。
ジギングで根回の魚を掛けて止めきれないサイズならば、太いリーダーで擦らせて取る、こんな感じのスタイルです。

その時の釣り場のコンディションにもよるだろうが、私が釣行した時期の小笠原では大物が掛かる確率が高く、いかにラインブレイクしないで取れるかが勝負になっていた。
魚を掛けるテクニックよりも、魚を捕るテクニックをタックルを含めて重視する方向になってゆく事になり、強化タックルとして、トレバリースペシャルのバットを詰めて使っていたが、
ロッドが長くジギングしていると消耗が激しい為、その後は新規タックルとして、ロッドはガチゴチのザウルス グレートバリアリーフにリールはペンの8000番+ナイロン30lb+リーダー60号が、
私の小笠原メインタックルとなってしまう。

当時ナイロンラインに拘った理由は特に無く、30lbラインで多くの魚を釣り上げた経験から、一番自信が持てる使いこなしたラインチョイスだったと言う理由のみ。
そして強化フック+ナイロンラインでは、フッキング率が悪かった事から、魚が掛かると7~8回以上は大アワセを入れていたのも当時の特徴です。
ナイロンラインでは、16lb20lbあたりと30lbでは強度と耐久力が随分と違っており、フレッシュな30lbラインでは大物との引っ張り合いで切れる事は殆ど無く、
ジギングとしては充分の性能だったのですが、直径が太い事からラインキャパが取り難くPEラインにその座を譲ってしまった感がありますね。
またフロロ6号は耐久性が良いラインでしたが、ハリス用のラインでコストが非常に高く、ジギングで使用する釣り人は殆ど見ることが無かった。

ジギング創成期は重いジグの存在が無く、太いラインではキャパ不足や潮の抵抗が大きく流されてしまい、自ずと細いラインを使用する必要性から16、20lbクラスを使用していたのだと思うが、
当時既に重いジグが存在していなくても、離島のジギング入門は30lbラインでが妥当だったと私は思います。
雑誌等でジギングを紹介する方達は既に経験豊富で、魚を確実に取るよりゲーム性を重視する傾向から使用ラインが驚く程ライトな感じがします。
魚を取るタックルではパパ大津留氏、ライトラインのゲームタックルでは村越正海氏が参考になるのではないでしょうか。

 

小笠原北方のケータ列島

 

カーニバル200gとスキルジグ13oz 共に夜光カラーを良く使っていた。

 

左 ザウルス GBR 右 ペン800SS(当時はナイロン30LBを巻いていた) GBRは、まさに棒の様なロッドでPEライン時代になるとバラしが多かった。 

小笠原で主に使用していたジグ 上から スキルジグ13oz マリアラフェスタ200g カーニバル150g k-ten P-BOYジグ 80g 60g

  

小笠原では船長と釣りの話をしながら過ごす方が私は好きで、釣果はそれに追いて来たと言う感じです。
長い休みが取れれば、またチャレンジを続けてみたい。

 

ジギングを始めた頃から最近までのスピニングロッド(付録記事)

古いロッドは折れたり譲渡したりで、現存するロッドはザウルス数種類とスエルズのロッドが残っている。

 

一番左から: ティファ スエルズ800SGS (グラスコンポジットらしく、6:4調子で良く曲がる。20lbラインで主にシイラ、カツオ、ジギングで使用) 1990年~
二番目: ザウルス PE60 (パワークラス10 PE対応でかなり強く遠征用 8:2調子程度の先調子) 1999年~
三番目: ザウルスGBR (パワークラス10 本来はトレバリーのポッピングロッドでジギングロッドでは無い。 極端な先調子な為、PEラインを使用するとバラし易いのが欠点) 1994年頃?~
四番目: ザウルス デッキスティック76ジギング(パワークラス6 スエルズ800SGSの後継として使用。 スエルズより張りが強く7:3調子程度) 1999年頃?~
五番目: ザウルス デッキスティック60トゥイッチン (パワークラス5 シイラのトップ用に購入。 軽く扱い易い為ジギングで使用する事も多かった。 6:4調子ややアンダーパワー気味)1994年頃?~
六番目: メジャークラフト OBS60PE (キャスティング全般に使用 バットが短い為ジギングには不向) 2012年~
七番目: メジャークラフト OBS60LJ  (ライトジギング用 表示では150gまでジグ使用可能だが、バットパワーが弱く太刀魚あたりのスローアクション向き、ジグは80g以下が最適)2010年~
八番目: メジャークラフト OBS63/4 (ジギング用 150gあたりまでのジギングで使用。 ドラグテンション7kg表示だが試した事は無い) 2012年~

バットの太さとガイドの種類が年代を物語っています。
遠征用のPE60やGBRはとにかく重く棒の様なロッドで、大物と力対力の勝負と言う感じのロッドですね。
ザウルスが多いのは、デッキスティックが結構良い感じだった為、その後のロッドメーカーを揃えてみたかったからです。
病気で釣りを中断してなければ、ザウルスの90Hやチャーマスバルクとか買っていたと思われます。(笑)

 

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