北村秀行氏と釣りがしたくて、宮古島フィッシングツアーへ参加



私がソルトウォータールアーを始めた時に、ジギングと言えばクラブビックワンズの北村秀行氏の記事がバイブルとなっていた。
その北村氏がインストラクターとして宮古島ガーラツアーに参加している記事を見つけた途端に、チャンスとばかり早速申し込んだ。
申し込みの電話では「北村さんがインストラクターの日程で申し込みたい」と言う感じでかなり熱くなっていた。

当時トレバリーフィッシングの参考書は殆ど無く、アングリングの紹介記事と北村氏、原田氏、皆川氏の出ているガーラフィッシングのビデオを購入してタック ルや釣り方を参考に準備する事となる。
まずロッドはトレバリースペシャルをメインにサブがスミスの100Hとスエルズ800SGS
リールは30Lbラインのキャパを充分取る為と巻き取りパワーを考え、ダイワトーナメント磯遠投3000を購入、これに5000のスペアスプールを購入 し、トレバリースペシャルとの組み合わせで調達出来る最強スピニングタックルとした。
ルアーの方はビデオで使用していたスカジットのガラポップをメインに各色購入し、その他ピリーやらマグナムラパラ、ヨーヅリペンシルやら大量に揃え気合充 分、しかし反比例する様に財布の中身は寂しい限りで、遠征費以外に滞在場所で使える費用は殆ど無くなっていた。(笑)


釣り方の方もビデオでやっているポッパーの早巻き位しか想定出来ず、魚が掛かった後のファイトなどどうなるか予想すら出来ない状態ながらツアー出発に向 けて羽田へ向ったのであった。

ロッド:ウエダ トレバリースペシャル11f
リール:ダイワ トーナメント磯遠投3000
ライン:バリバススーパーソフト30lb
リーダー:クレハ シーガー20号
ラインシステム:ダブルライン(ビミニツイスト)+よつあみケブラーノット20号

トレバリースペシャルについて

かねてからナイロン30lbタックルを探していた所、入手可能なロッドはUFMウエダのトロピカルプロかトレバリースペシャルの2種類しか選択肢が無く、 早速ウエダに相談の電話を入れてみた。
対応してくれた方は非常に親切で、ロッド折れに強いトレバリースペシャルを薦めてくれ、ウエダから直販はしていない事と、注文生産になるから色々スペック を選べる事と、良く行く釣具店を聞かれ、釣具店の名前を2~3挙げると、そこから注文可能だから注文してねとアドバイスを受ける。
しかし、オーダーから完成までの時間が結構掛かる様で、次の釣行は何時ですか?と聞かれ1ヶ月後と答えると、それでは間に合いそうも無いとの事で、ウエダ で製作中のロッドの中で、納期に余裕の有るロッドのスペックを教えてくれ、これで良かったら先に廻せますからオーダーしてください、と嬉しい対応をして頂 いた。
早速釣具店から注文を入れて貰い、期待のロッド、トレバリースペシャルを手に入れる事が出来た。

 

このロッドは新たにロッドを購入しても遠征に必ず持って行くロッドとなり、ファイトしやすい様にバットを少し切り詰めたり自分なりにモディファイし、オフ ショアや磯からの釣りで通算2~3トン以上魚を釣り上げているが、折れる事無く今も大切に保管している。

 

(遠征一日目)

羽田から直行便にて宮古島へ。
今回は一人で参加していた為、参加メンバーの方達は全て私より年上で、年少の私はチャレンジャー的な意識がかなり強かった。
ホテルに到着して北村氏から軽く半日釣りに出ようと誘われて「タックルは一番試したい物を持っていけば良いよ」とアドバイスを受ける。
そして近所へビーチサンダルを買いに行こうと誘われて、歩きながら色々釣りの話したが(交わした会話の詳しいところは忘れてしまったが)、歳の離れた兄の様な感覚だった事を覚えている。
試したいタックルとして持って行ったのは。
トレバリースペシャルとトーナメント磯遠投5000に30lbとリーダー20号の組み合わせ。

港を出てすぐの浅瀬を示す標識付近で釣りを始めると、1投目から北村氏にヒット!その衝撃にウォッとなっていると、プールに人が飛び込んだ時の様なダッパーン と言う音と共に私にもヒット!
狂った様にアワセをくれるとドラグをジリジリ出され、やり取りを始めた時に北村氏から「あ~っ」とラインブレークの叫び声が聞こえた。
すぐに北村氏がサポートに来てくれて「30lbだから強引に行けるぞ」「ロッドを倒してプレッシャーを掛け続けながら、どんどん巻かなきゃダメだ」とアド バイスをくれる。
無我夢中でロッドを左右に倒しながらリールを巻き続けていると、意外と早く魚が浮いて北村氏がギャフを掛けてくれた。
トレバリースペシャルと30lbの組み合わせならば行ける!と言う具合に、この釣行ではトレバリースペシャルを振りまくっていました。
この釣行でトレバリースペシャルの欠点として判った事が、バットが長過ぎ魚を掛けた後にバットエンドを腹に当てられずファイトしにくかった。
私の身長は190cmとかなり高いほうだが、それでも持て余す長さに、北村氏と「どうゆうコンセプトで開発したのか?」「バットは少し詰めた方が良いかも」などと談義しています。


初日から好調で、ホテルに帰って明日に備えて早速30lbラインを巻き替えてラインシステムを作り直した。
夕食後北村氏と雑談している時に、「久米島のマグロが凄い」と話をしたのだが、まさかその後久米島のパヤオで偶然再会するとは、このときは夢にも思ってい なかった。

(遠征二日目、三日目)

翌日からも、若さと体力に任せてポッパーを投げまくりカスミアジや、移動の際にマグナムラパラを流してイソマグロを仕留める事が出来た。
ツムブリのナブラにジグをキャストして掛けた時など、水面をラインが音を立てて物凄い勢いで走り、北村氏曰く「時速100KM/H超えてるよ~」などエキサイティングな体験も出来た。
この時ツムブリをバラした訳だが、北村氏のアドバイスは「掛けた瞬間だけアワセただけでは、アワセ不足なので追い合わせを入れないとダメだ」
確かに大型魚を掛けた興奮と走りに圧倒されていたのは経験不足の結果であり、ハイスピードで横に走られてもラインテンションを保ちながら追い合わせが出来ないとダメであろう。
また掛けた後のやり取りも、ロッドを横に倒して魚を誘導しながら引き寄せて来るテクニックも教わる。
パラシュートアンカーを使用したジギングでは、主に根魚が良くヒットしたが青物のヒットはキャスティングが殆どであった。
今回参加した多くの経験により、釣りに対しての自分なりのスタイルが出来たのも、この宮古島の釣行からである。

そして経験の差を感じたのはタックルだ、私は多数のルアーやロッド、リールを持ち込んでいたが、北村氏はロッド2本にルアーボックス1個にスペアスプールと言うスタイルだった。
その絞り込まれたタックルチョイスが経験の差であり、あれこれ想定し過ぎると荷物が多量になってしまう事と、釣り自体も使う道具の絞込みに迷う結果になってしまう。

次にラインに関し、私だけが30lbを使用し他の方は20lbを使用しており、キャッチ率においてその強度差は数字以上のモノが有ったのも事実である。
今回の30lbラインでの経験は、ラインシステムと共にその後遠征に30lbを多用するベースとなっている。

このツアーで北村氏と一緒に釣りをした経験は、私の釣りに対する姿勢に良い影響を与えてくれ、今でも私の財産となっている。
(単に氏のスタイルを真似するのではなく、自分のやってみたい釣り方を探求してゆくと言う感じでその後釣りを続けてゆく事になる。)
これは私の私論になりますが、トレバリーは資源的に厳しい魚であったのか、各所で釣れなくなった等の噂を聞く様になりました。
トレバリーに関して、久米島、奄美と釣り歩きましたが、今後トレバリー狙う釣り人に資源を残す方が良いと思い、1999年以降はトレバリーを狙った釣りを控る事にしました。
(ほんとうは、資金力と体力が落ちたためです。笑)



  

 

 

使用ルアーはガラポップの大きい方のブルーで、このルアーは記念に残してある。
使い方は遠投早巻きでポーズは一切入れていなかった。


  

(マグナムラパラ18cm ブラックバス専門のルアーショップでセール品として投売りされていた物を買ってみたら、結構釣れる事にびっくり。)

このイソマグロを仕留めた時、掛けた魚にイソンボが船縁まで付いてきており、それを狙う北村氏は「付いて来た魚にはジグをヒラ打たして食わせる!」とジグで狙い続け。
掛けた魚に一刻も早くギャフを打って貰いたい私は、正直冷や汗タラタラだったと言う、笑い話が仲間内で大ウケとなる。
また、このラパラではスマガツオの良いサイズを釣っているのだが、取り込みした際アクシデントが有った事は私思い出の中だけの秘密です。(グッサリ)

(上 スカジット ガラポップ小 下 ピリー  同じようなサイズだが、ピリーの方が打率が高かったのは、スプラッシュ具合の差か?)

 

遠征情報
宮古まで羽田より空路で宮古島。ホテルからタクシーで港まで。
ツアー料金 ¥180000位だったと思う。(航空券+ホテル代+チャーター料)

 

後年発売された北村氏の著書(付録記事)

  

1998年発売のソルトウォーターを極める 著北村秀行氏
ターゲットについての解説が非常に詳しく、実釣で役立つ内容が多い。
タックルの紹介記事は、スピニングタックル主体のスタイル。

 

 

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