ワードの理解シリーズ{フィールドについて}
■{はじめに}
前回の「ページとセクション」で出てきました「ページ番号」はフィールドという参照機能を活用した特殊なプログラムだと言いました。
画面上の、ある位置にページ番号を挿入しなさいという命令をコンピューターに出した結果、ページ毎にどんどん変わっていく数値を「自動的」に表示する機能です。
それでは、これからフィールドについてご紹介していきます。
このフィールドやフィールド コードに関しての解説書が少ないので、いろんな実験をしながら、紹介していきます。また、フィールド コードに使用されているフィールドの名前、各種スイッチ、スイッチの修正オプションなどは、総て英語のコマンドの頭文字から採っています。従って、参考になる英語のヘルプを基本にして、日本語のヘルプを対訳版として、なるべく解かりやすく紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
第1章その1■フィールドとは?
□フィールド
フィールドとは、文字列、図、ページ番号などの情報を文書中に自動的に挿入するための命令のことです。
例えば、
@リンクと参照
Hyperlink (ハイパーリンク) フィールドは、ハイパーリンクを挿入します。
StyleRef (スタイル レフ)フィールドは、指定したスタイルが設定されている文字列を挿入します。
A差し込み印刷
AddressBlock (住所ブロック) フィールドは、差し込み印刷の住所ブロックを挿入します。
B索引と目次
TOC (目次) フィールドは、目次を作成して挿入します。
C数式と計算
= (式) フィールドは、指定した数式を使用して数値の計算を行います。
Eq (数式) フィールドは、数式を作成します。拡張書式の囲い文字、組み文字、ルビ等に応用します。
D日付と時刻
Date (日付) フィールドは、現在の日付を挿入します。
Time (時刻) フィールドは、現在の時刻を挿入します。
E番号
ListNum (一覧から挿入)フィールドは、段落に一連の段落番号を挿入します。
Page (ページ番号)フィールドは、ページ番号を挿入します。
F文書の自動化
GoToButton (ジャンプ)フィールドは、[ジャンプ] コマンドを挿入します。
MacroButton (マクロ ボタン)フィールドは、マクロコマンドを文書に挿入します。
G文書情報
Author (作成者)フィールドは、[ファイルの概要] タブ ([ファイル]
- [プロパティ]) に表示されている作成者名を挿入します。
NumPages (総ページ数)フィールドは、[詳細情報] タブ ([ファイル] - [プロパティ]) の情報を使用して、作業中の文書のページ数を挿入します。
Title (表題)フィールドは、[詳細情報] タブ ([ファイル] - [プロパティ]) の [タイトル] ボックスに入力されている内容を文章に挿入します。
Hその他
Embed (埋め込み)フィールドは、ほかのアプリケーションで作成されたオブジェクトを挿入します。
□フィールド コード
フィールドは、Excel の数式と似ています。
フィールド コードは式に相当します。
フィールドの命令が実行されたとき、文書に挿入される文字列や図は、その式によって算出された値に相当します。
フィールド コードは、フィールド文字(記号){ }、フィールド名、命令で構成されています。
たとえば、フィールド コードは以下のように構成されています。
@リンクと参照
Hyperlink (ハイパーリンク) フィールドは、
{ HYPERLINK
"ファイル名" [スイッチ] }
StyleRef (スタイル レフ)フィールドは、
{
STYLEREF スタイル識別子 [スイッチ] }
A差し込み印刷
AddressBlock (住所ブロック) フィールドは、
{ ADDRESSBLOCK
[スイッチ ] }
B索引と目次
TOC (目次) フィールドは、
{ TOC
[スイッチ] }
C数式と計算
= (式) フィールドは、
{ = 式 [ブックマーク] [¥# 数値形式] }
Eq (数式) フィールドは、
{ EQ スイッチ }
D日付と時刻
Date (日付) フィールドは、
{ DATE [ \@ "日付/時刻表示形式"] [スイッチ] }
Time (時刻) フィールドは、
{ TIME
[\@ "日付/時刻表示形式"] }
E番号
ListNum (一覧から挿入)フィールドは、
{ LISTNUM ["リスト名"] [スイッチ] }
Page (ページ番号)フィールドは、
{ PAGE [\* 番号書式]
}
F文書の自動化
GoToButton (ジャンプ)フィールドは、
{ GOTOBUTTON
移動先
表示文字列
}
MacroButton (マクロ ボタン)フィールドは、
{ MACROBUTTON
マクロ名
表示文字列
}
G文書情報
Author (作成者)フィールドは、
{ AUTHOR
["新しい名前"] }
NumPages (総ページ数)フィールドは、
{ NUMPAGES }
Title (表題)フィールドは、
{ TITLE
["新しい表題"] }
Hその他
Embed (埋め込み)フィールドは、
{ EMBED
オブジェクト
アプリケーション名 [スイッチ] }
スイッチについては、第2章でご紹介します。
□参考:ヘルプ対訳
About fields
フィールドについて
Fields are used as placeholders for data that might change in a
document
フィールドは、変更される可能性のあるデータや、
and for creating form letters and labels in mail-merge documents.
差し込み文書内でフォームの書簡やラベルを作成する場合の枠として使います。
Microsoft Word inserts fields when you use particular commands, such as the Date and Time command on the Insert menu.
[挿入] メニューの [日付と時刻] などの特定のコマンドを指定すると、フィールドが挿入されます。
You can also manually insert your own fields by using the Field command on the Insert menu.
また、[挿入] メニューの [フィールド] を使うと、独自のフィールドを手動で挿入できます。
Security Because field codes
can be visible to anyone reading your document,
安全性について、文書のフィールドコードは外部から閲覧が可能なため、
be sure that the information you place in field codes is not information that
you want kept private.
その内容を匿秘できません。
Common uses for fields
フィールドの一般的な使い方
You might
insert a field if you want to:
フィールドは、次のような場合に挿入します。
Display information about a document such as the author's name, the file size,
or the number of pages.
作成者名、ファイル サイズ、ページ数などの、文書に関する情報を表示する場合は、
To do so, use the AUTHOR, FILESIZE, NUMPAGES, or DOCPROPERTY field.
Author フィールド、FileSize フィールド、NumPages フィールド、または DocProperty フィールドを使用します。
Add, subtract, or perform other calculations.
加算、減算、その他の計算を行う場合は、
To do so, use the = (Formula) field.
= (式) フィールドを使用します。
Work with documents in a mail merge.
差し込み印刷をする場合、
For example, insert ASK and FILLIN fields to display a prompt as Word merges
each data record
with the main
document.
例えば、Ask フィールドや Fill-in フィールドを挿入すると、メイン文書にデータ レコードが差し込まれるたびに、ダイアログ
ボックス(プロンプト)が表示されます。
(data record: A complete set of
related information that corresponds to one row of information in the data
source.
(データ
レコードとは、データ ファイルの 1 行のデータに対応する関連情報の集合のことです。
All information about one client in a client mailing list is an example of a
data record.)
顧客リストの 1 人の顧客についてのすべての情報は、データ
レコードです。)
In other cases,
it's simpler to use the commands and options provided in Word to add the
information you want.
Word のコマンドやオプションを使用すると、より簡単に情報を挿入できます。
For example, you can insert a hyperlink by using the HYPERLINK field,
例えば、ハイパーリンクは Hyperlink フィールドで挿入することもできますが、
(hyperlink: Colored and
underlined text or a graphic
(ハイパーリンクとは、下線が引かれた色付きのテキストまたはグラフィックス。
that you click to go to a file, a location in a file, a Web page on the World
Wide Web, or a Web page on an intranet.
ハイパーリンクをクリックすると、別のファイル、ファイル内の指定位置、World Wide Web 上の HTML ページ、またはイントラネット上の HTML ページに移動できます。
Hyperlinks can also go to newsgroups and to Gopher, Telnet, and FTP sites.)
ニュースグループや、Gopher、Telnet、FTP などのサイトに移動するハイパーリンクも設定できます。)
but it's easier to
use the Hyperlink command on the Insert menu.
しかし、[挿入] メニューの [ハイパーリンク] を使うと、より簡単に挿入できます。
About field codes and field results
フィールド コードとフィールドの実行結果について
Field codes
フィールド コード
(field code:
Placeholder text that shows where specified information from your data source
will appear;
(フィールド
コードとは、データ ソースの指定情報が表示される場所を示すテキストが入る枠。
the elements in a field that generate a field's result.
フィールドの実行結果を生成するフィールドの要素です。
The field code includes the field characters, field type, and instructions.)
フィールド コードには、フィールド文字、フィールドの種類、および命令が含まれています。 )
appear between
curly brackets, or braces ( { } ).
は、波かっこ、または、中かっこ ({ }) で囲まれて表示されます。
Fields are somewhat like formulas in Microsoft Excel,
フィールドは、Excel の数式と似ています。
the field code is like the formula,
フィールド コードは式で、
and the field
result is like the
value that the formula produces.
フィールドの実行結果は式によって算出された値に相当します。
(field results: Text or graphics
inserted in a document when Microsoft Word carries out a field's instructions.
(フィールドの実行結果とは、フィールドの命令が実行されたときに文書に挿入される文字列や図。
When you print the document or hide field codes, the field results replace the
field codes.)
文書を印刷したり、フィールド コードを非表示にすると、フィールド コードがフィールドの実行結果に置き換えられます。)
You can switch
between displaying field codes and results in your document.
フィールド コードと実行結果の表示は切り替えることができます。
You cannot insert field braces by typing the characters on the keyboard.
フィールド文字 (中かっこ ({ })) は、キーボードから入力することはできません。
However, you can insert them by using the keyboard shortcut CTRL+F9.
Ctrl キーを押しながら F9 キーを押すと挿入できます。