上図が薄型(カラー)スキャナーの基本構成図です。普通の凸レンズは 倒立の(逆さになった)実像 を形成しますが、小さな棒状のセルフォックレンズは個々のレンズが正立の実像を作り、 多数のセルフォックレンズを集めても同一方向に向いた長尺の画像を形成できます。焦点距離は数ミリメートルで棒状レンズの長さを含めて2センチメートル程度に原稿 と CCDセンサーとの距離を設定できます。このRod lens arrayの幅はレンズの数で自由に調整できます。 開発当初は、図のようにCCDセンサーが2列に並んでいましたが、現在では微細組み立てが可能になり、一列配置になっています。
 下図は上図の断面図です。上部に読みとる原稿があり、反射した光が下のCCDセンサーに読み込まれます。

薄型カラースキャナーの基本構造

筆者が昭和57年に特許出願し、平成2年に登録となった薄型スキャナーの基本特許です。登録に至るまでの概略手続きを参考として以下に示します。
1.特許を特許庁に提出:特許庁で受理した時点が特許開始時点になります。
2.特許庁が公開:特許庁から提案内容が公に公開されます。
3.特許庁が公告:特許庁が審査し公告されると、重要特許は
   各社から異議申し立てが出され、特許庁からその内容が
   提案者に提示されますので全てに回答します。
4.登録:全てに回答し、特許庁が特許の価値有りと判断しますと登録になり、特許が成立します。

 3,4項で提案を拒否された場合、どうしても必要な重要特許は特許裁判になります。異議申し立てをした各社を相手に自分の正当性を丁々発止で対抗します。特許有効期間は提案日から約20年程度?
現時点では、薄型スキャナーの基本特許有効期限は残念ながら終了しています。

薄型スキャナー基本特許