◆本望英語教室: 基本5文型例文集
◇there構文
There 〜. のthereは、非人称のitと同じように、意味役割を持たない虚辞です。
虚辞expletiveとは、
時間・距離・天候・状況などを述べる文の主語に用いる非人称のit
存在・出現などの自動詞と共に用いるthere
などの語のことです。
虚辞はその語が指示する対象物を持たないので、他動詞の目的語にはなり得ません。
thereやitの語順は、一般の文の主語と同じ位置です。
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◇there構文の動詞
・自動詞
非対格動詞 unaccusative verb
(1)「存在のbe」
(2)「存在・出現の自動詞」
※非対格動詞とは、
John died. ジョンは(自らの意志によってではなく、自然の力により)亡くなった。
のように、主語の意思によらない行為を意味する動詞。
非能格動詞 unergative verb
(3)「運動の自動詞+方向の前置詞句」で出現を意味する場合
※非能格動詞とは、
John laughed. ジョンは(自らの意思により)笑った。
のように、主語の意思で行う行為を意味する動詞。
・他動詞
(4)「受身になった他動詞」で自動詞的な出現を意味する場合
(5)「他動詞+場所の目的語」で自動詞的な出現を意味する場合
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◇(1)「存在のbe」
There is a fly in the mustard. 辛子の中に蠅が入っている。
V --S--
There was a car blocking my way. 車が行く手を塞いでいた。
V --S--
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◇(2)「存在・出現の自動詞」
There once lived a wise king. 昔、賢明な王様が住んでいた。
V -----S-----
There arose no problem. 問題は何も持ち上がらなかった。
V -----S----
There took place a strange accident. 不思議な事件が起きた。
-----V---- -----S------------
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◇(3)「運動の自動詞+方向の前置詞句」で出現を意味する場合
There walked into the room a unicorn. 一角獣が入ってきた。
V ---前置詞句-- ----S----
× There walked a unicorn into the room.
walkとinto the roomが離れているため出現の動詞と認識されないので不自然な文。
There ran out of the bushes a grizzly bear. 藪から灰色熊が走り出てきた。
V -----前置詞句---- ------S-------
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◇(4)「受身になった他動詞」で自動詞的な出現を意味する場合
There was born a child to them. 二人に子供が生まれた。
----V--- ---S---
There was heard a rumbling noise. ゴロゴロという音が聞こえた。
----V---- -------S--------
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◇(5)「他動詞+場所の目的語」で自動詞的な出現を意味する場合
There reached his ear the sound of voices and laughter.
---V--- ---O--- ----S----
喋ったり笑ったりする声が耳に聞こえてきた。
There crossed his mind a most horrible thought.
---V--- ---O---- -----------S-----------
この上なく恐ろしい考えが頭に浮かんだ。
There entered the room an indescribably malodorous breath of air.
---V--- ---O---- ---------------S------------------
何とも言えず臭い微風が部屋の中に入ってきた。
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◇存在文とリスト文
(1)存在文
聞き手に対して或るものの存在を新たに提示するために用いる文。
→aを付けます。
What's in the garage? ガレージには何があるの。
→ There is a motorcycle in the garage. ガレージにはバイクがある。
質問者にとってバイクの存在は未知です。
応答者は、バイクの存在を初めて提示しています。
(2)リスト文
聞き手に対して事物を幾つか列挙して提示するために用いる文。
→既知の場合はthe、未知の場合はaを付けます。
How could we go to the beach? どうすれば海岸まで行けるだろうか。
→ There is the motorcycle in the garage. ガレージにはバイクがある。
または
→ There is a motorcycle in the garage.
the motorcycleの文は、質問者にとってバイクの存在が既知の場合。
質問者はバイクの存在を知っていたが、たまたま失念していたようなので、
応答者がその存在を想起させるような場面が考えられます。
a motorcycleの文は、質問者にとってバイクの存在が未知の場合。
※リスト文と区別すべき文
Where's the motorcycle? 例のバイクは何処にあるの。
→ The motorcycle is in the garage. (叙述文) そのバイクはガレージにある。
× There is the motorcycle in the garage. (リスト文)
応答者は、バイクの存在自体を新たな情報的価値を持つものとして扱っていないので
リスト文で答えることはできません。
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◇提示文と叙述文
(1)提示文
会話の場に新しい情報としての名詞句を導入する文。
文全体が新しい情報を伝える。
What happened? 何が起こったのか。
→ There was a car blocking my way. (提示文)
行く手を塞ぐ車という、聞き手がまだ知らなかった情報を紹介しています。
文全体が新しい情報です。
(2)叙述文
主語について何かを述べる文。
既知の情報と新しい情報とから構成されます。
What was blocking your way? 何が君の行く手を塞いでいたのか。
→ A car was blocking my way. (叙述文)
主語である車について、行く手を塞いでいるという事実を述べています。
a carは新しい情報、blocking my wayは既知の情報です。
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◇there構文の主語に付ける冠詞
(1)主語=「a+名詞」の場合
存在・出現の動詞は、会話の場へ新しい情報としての名詞句(主語)を導入する
働きをするので、主語には普通、aを付けます。
このaは、その名詞が幾つもある同じものの中の1つで、聞き手はその中の
どれを指しているのかまだ了解していないという意味合です。
There is a dove in the cage. (提示文)籠の中に鳩がいる。
既知のdoveについて述べる場合には、叙述文を使います。
○ The dove is in the cage. (叙述文)その鳩は籠の中にいる。
× There is the dove in the cage.
(2)主語=「the+名詞」の場合
主語が聞き手に未知の情報であればthere構文を用いることができます。
There's the possibility that his train has been delayed.
-------S-------
列車が遅れている可能性がある。
the possibilityは、possibilityが後ろのthat〜により限定されているので
aではなくtheが付いています。(後方照応のthe)
(3)主語=「固有名詞」の場合
How many can we get for our group? グループに何人加わってくれるだろうか。
→ Well, there's John, and Mary, and Bill and 〜.
-------------S-----------------
そうだね、ジョンとメアリーとビルと、それから〜。
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◇there構文は許されても、叙述文に言い換えることができない名詞
(1)抽象名詞
There was sincerity in her voice. 彼女の声には誠実さが籠っていた。
× Sincerity was in her voice. (叙述文)
sincerityは抽象名詞。
(2)部分と全体の関係にある名詞
There is a flaw in the diamond. そのダイヤには疵がある。
× A flaw is in the diamond. (叙述文)
a flawはthe diamondの一部分。
(3)或る事物がたまたま有る場合
There's an hour before lunch. 昼食までに1時間ある。
× An hour is before lunch. (叙述文)
たまたま1時間あるの意。
◆基本5文型例文集
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