◆文法用語
◇少し分かりにくいと思われる文法用語をいくつか簡単に解説致します。
詳しくは、◆基礎知識◆wh語、thatを御覧下さい。
特に限定用法、叙述用法および句動詞については、下記の項でもう少し詳しく解説致しております。
◆基礎知識 ◇形容詞の限定用法と叙述用法 ◆ 〃 ◇現在分詞、過去分詞の限定用法と叙述用法 ◆ 〃 ◇前置詞句の叙述用法 ◆ 〃 ◇名詞句の形容詞的用法(限定用法、叙述用法)と副詞的用法 ◆ 〃 ◇句動詞
■凡例: s、vは意味的な「主語+述語」の構造に於ける主語、述語 ---←、←---は後ろから修飾される語句、修飾する語句 ---→、→---は前から修飾する語句、修飾される語句 SとCとの間、OとCとの間に意味的な「主語+述語」の構造が成立する場合、 S=C、O=Cと表示する場合があります。■
句と節 句と節、従属節
(1)句
(2)節
(3)従属節
wh語の働き(疑問詞、関係詞、従属接続詞) wh語の働き(疑問詞、関係詞、従属接続詞)
(1)疑問詞のwhen
(2)関係詞のwhen
(3)従属接続詞のwhen
形容詞の限定用法と叙述用法 形容詞の限定用法と叙述用法
(1)限定用法(前置修飾)
(2)叙述用法(後置修飾、補語、準補語)
(3)限定用法と叙述用法で意味の異なる形容詞
現在分詞、過去分詞の限定用法と叙述用法 現在分詞、過去分詞の限定用法と叙述用法
(1)限定用法(前置修飾)
(2)叙述用法(後置修飾、補語、準補語)
前置詞句の叙述用法 前置詞句の叙述用法
(1)叙述用法(後置修飾、補語)
補語(主格補語、目的格補語)と準補語(準主格補語、準目的格補語) 補語(主格補語、目的格補語)と準補語(準主格補語、準目的格補語)
(1)基本5文型の補語(主格補語、目的格補語)C
(2)準補語(準主格補語、準目的格補語)C′
(3)広義の補語(叙述用法)
動作動詞と状態動詞 動作動詞と状態動詞
句動詞 句動詞
(1)「自動詞+副詞」≒「自動詞」
(2)「自動詞+前置詞+前置詞の目的語」≒「他動詞+目的語」
(3)「自動詞+副詞+前置詞+前置詞の目的語」≒「他動詞+目的語」
(4)「他動詞+副詞+目的語」、「他動詞+目的語+副詞」≒「他動詞+目的語」
(5)「他動詞+目的語+前置詞+前置詞の目的語」



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   ◇句と節、従属節
(1)句
複数の語が集まって1つの品詞の働きをします。 「主語+動詞」の構造を持ちません。
The sun rises in the east. 太陽は、東から昇る。 ----句-----
例文の句は、副詞の働きをして、自動詞risesを修飾しています。 句in the eastは前置詞inで始まっているので、構造的に呼べば前置詞句です。 同時に機能的には副詞の働きをしているので、副詞句です。
(2)節
主語と動詞を含む複数の語句が集まって1つの品詞の働きをします。 「主語+動詞」の構造を持ちます。
that節やwh節全体が他動詞の1つの目的語や補語になったり、前置詞の目的語になります。 但し、that節が前置詞の目的語になるのは、in that〜のみです。
I think that she will come tomorrow. 彼女が明日来ると思う。 S V S:主語 V:動詞 ----------節---------------
「主語she+動詞come」の構造を持ちます。 例文の節は、名詞の働きをして、他動詞thinkの目的語に なっています。 節that she will come tomorrowは、従属節と呼ばれます. 接続詞thatは従属接続詞として働いています。 この従属節は同時にthinkの目的語として名詞の働きをしているので、 機能的に呼べば名詞節です。
(3)従属節
主節に対比して従属節と呼びますが、いろいろなパターンがあります。
When she saw me, she waved her hand. 私を見て彼女は手を振った。 ----従属節----- -------主節-------
If I had enough time, I would talk with you. 時間があれば君と話せるのだが。 ---従属節(条件節)--- ----主節(帰結節)----- 仮定法の文の場合には、条件節、帰結節とも呼びます。
I think that he will succeed. 彼は成功すると思う。 S V S V -----O(目的語)------ ------従属節-------- ------------主節------------ 主節の文の中に従属節の文が入れ子になっているパターンです。 thatは従属接続詞。 従属節that〜はthinkの目的語として名詞の働きをしているので、 機能的に呼べば名詞節。
I know the artist who painted this picture. この絵を描いた画家を知っている。 S V ------O----- S V ----O----- --------従属節---------- ------------------主節-------------------- whoは関係代名詞。 従属節who〜は形容詞の働きをして先行詞the artistを修飾するので、 機能的に呼べば形容詞節。
I will leave when she comes back. 彼女が戻ったら出発する S V S V ----主節---- ------従属節------- whenは、意味上、先行詞を含まないので、関係副詞ではなく接続詞。 従属節when〜は時を表す副詞の働きをしているので、 機能的に呼べば副詞節。
Let me know the time when he will arrive. 彼が到着する時間を教えてくれ。 (S) V O C S V C:補語 --------主節-------- ------従属節------- Let me know when he will arrive. (S) V O C S V ------従属節------- ------------------主節------------------ whenは関係副詞。 従属節when〜は形容詞の働きをして先行詞the timeを修飾するので形容詞節。 先行詞が省略された場合には、knowの目的語として名詞の働きをするので、 機能的に呼べば名詞節。

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   ◇wh語の働き(疑問詞、関係詞、従属接続詞)
(1)疑問詞のwhen
I don't know when she will go there. --------名詞節--------
whenは、「いつ」なのかを問う語です。 when she will go thereは名詞の働きをする名詞節で、 他動詞knowの目的語になっています。 「彼女がいつそこへ行くのか知らない」という意味になります。 このwhenの品詞は副詞で、疑問副詞の働きをしています。 例文は、間接疑問文と呼びます。
(2)関係詞のwhen
I don't know the time when she will go there. -先行詞- -------形容詞節-------
when she will go thereは形容詞の働きをする形容詞節で、 先行詞the timeを修飾します。 「彼女がそこへ行く時間を知らない」という意味になります。 このwhenの品詞は副詞で、関係副詞の働きをしています。
(3)従属接続詞のwhen
I was sleeping when he came here. --従属節(副詞節)-
when he came hereは副詞の働きをする従属節で、副詞節として 自動詞sleepingを修飾します。 「彼が来た時、私は眠っていた」という意味になります。 このwhenの品詞は接続詞で、従属接続詞の働きをしています。

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   ◇形容詞の限定用法と叙述用法
名詞を修飾する形容詞が、名詞の前に置かれる場合は限定用法、 名詞の後ろに置かれる場合は叙述用法です。
一般に、叙述用法の場合には、名詞と名詞を修飾する語句との間に 意味的な「主語+述語」の構造が成立します。
(1)限定用法(前置修飾)
a white dog ---→ →-
形容詞whiteは1語なので、名詞dogを前から直接修飾します。    「いろいろな犬がいるけれども、それらの犬の中、白い犬」 と限定しています。
(2)叙述用法(後置修飾、補語、準補語)
名詞とこれを後ろから修飾する形容詞との間に 意味的な「主語+述語」の構造が成立します。
(a)単に名詞を修飾するだけの叙述用法(後置修飾)
a basket full of apples ---s--← ←v
形容詞fullはof applesを伴い複数の語から成るので、 名詞basketを後ろから直接修飾します。 このとき、a basketとfullとの間には、 「a basket(主語)は、full(述語)である」 (b) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
■この用法は、学校文法では次のような理由から限定用法であると教わります。
   「いろいろなカゴがあるけれども、それらのカゴの中、 リンゴでいっぱいのカゴ」と限定しています。■
(b)補語になる叙述用法
SVC、SVOCに於ける補語Cや準補語C′として機能する場合の用法です。 叙述用法の形容詞が補語Cの定位置から前に置かれた主語Sや目的語Oを修飾します。
He remained silent. s v S V C
1語の形容詞silentは、後ろに直接修飾するべき名詞が無いので 限定用法ではありません。 また、remainは自動詞、silentは形容詞であることから、 silentは目的語ではありません。 このsilentは叙述用法で補語の働きをしており、日本語に訳すと、 「黙っている」と述語のようになります。
He remainedの部分だけで、 「Heは、(何か)のままだった。(remained)」 (a) という意味ですが、これだけでは文は完結していません。 一方、補語silent(形容詞)は主語Heを補足説明しており、 Heとsilentとの間には、 「He(主語)は、silent(述語)である」 (b) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、silentの意味上の主語は、文の主語Heであるといえます。 従って、文全体の意味は(a)の意味と(b)の意味を足し合わせて、 (a)+(b)=「彼は黙ったままだった」 となります。
尚、上の例文の場合、補語silentが無くても文は成立する場合があります。 He remained. S V 但し、「彼は居残った」となり、自動詞remainの意味が 少し異なります。
上記(2)では、SVCに於ける主格補語Cを例にとりましたが、 SVOCにおける目的格補語の場合でも同様です。 SVOCの場合、文の目的語Oと目的格補語Cとの間には、「O(主語)はC(述語)である」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、Cの意味上の主語は、文の目的語Oであるといえます。
(3)限定用法と叙述用法で意味の異なる形容詞
the present members (a) (限定) 現在会員の人達 -----→ →----- the members present (b) (叙述) 今出席している人達 -----s---← ←-v--- = the members who are present S V C The mayor was present at the ceremony. (c) (叙述) 市長はその式典に出席した。 ----s---- v ----S---- V C 形容詞presentは、限定用法では「現在の」という意味を表し、 叙述用法では「居合わせる」という意味になります。 (a)の形容詞presentは名詞membersを修飾しているのにすぎません。 (b)では、the membersとpresentとの間には、 「the members(主語)は、present(述語)である」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、presentの意味上の主語は、直前の名詞the membersであるといえます。 (c)では、presentは文型USVCに於ける主格補語Cになっています。 ここでも(b)と同じように、文の主語The mayorと主格補語presentとの間には、 「The mayor(主語)は、present(述語)である」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、presentの意味上の主語は、文の主語The mayorであるといえます。
この他に限定用法と叙述用法で意味の異なる形容詞の例を幾つか挙げてみます。
a certain man (限定) 或る人 -----→ →- It is certain that he will come. (叙述) 彼が来るであろうことは確かだ。 s← ←--v----- S V C -----真主語------ (It:形式主語)
a responsible job (限定) 責任の重い仕事 ---------→ →- the person responsible for the mistake (叙述) そのミスはその人のせいだ -----s--← ←---v----- = the person who is responsible for the mistake S V C
concerned people (限定) 心配している人々 -------→ →---- the people concerned (叙述) 関係者 -----s--← ←--v---- = the people who are concerned s← ←--v---- S V C
an involved story (限定) 複雑な話 ------→ →--- the people involved (叙述) 関係者 -----s--← ←--v---- = people who are involved s← ←-v---- S V C

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   ◇現在分詞、過去分詞の限定用法と叙述用法
動詞の現在分詞と過去分詞も形容詞と同じように用いられ、 限定用法と叙述用法が有ります。 名詞を修飾する分詞が、名詞の前に置かれる場合は限定用法、 名詞の後ろに置かれる場合は叙述用法です。
現在分詞は能動的な意味、過去分詞は受動的または完了的な意味に用いられます。
(1)限定用法(前置修飾)
(a)自動詞の現在分詞
「〜している…」という能動的な意味を表します。
boiling water 熱湯(沸騰している水) -----→ →--- = water which is boiling S ----V-----    「冷たい水、温い水、塩辛い水などいろいろな水があるけれども、 それらの水のうち、沸騰している水」と限定しています。
(b)他動詞の現在分詞
「〜させる…」という能動的な意味を表します。
an exciting game 観衆をわくわくさせる試合(観衆を興奮させる試合) ------→ →-- = a game which excites an audience S V -----O-----    「つまらない試合、八百長試合、緊迫した試合などいろいろな試合が あるけれども、それらの試合のうち、興奮させる試合」と限定しています。
(c)自動詞の過去分詞
自動詞は目的語をとらないので、目的語を主語にして過去分詞を用いる 受動態の文は有り得ません。 従って、自動詞の過去分詞は現在完了形や過去完了形などだけで用いられ、 「〜してしまった…」という完了的な意味を表します。
fallen leaves 落ち葉(落ちてしまっている葉) ----→ →---- = leaves which have fallen S -----V-----    「新緑の葉、枯れた葉、細長い葉などいろいろな葉があるけれども、 それらの葉のうち、落ちてしまった葉」と限定しています。
(d)他動詞の過去分詞
他自動詞は目的語をとり、目的語を主語にして過去分詞を用いる 受動態の文に書換えることができます。 他動詞の過去分詞は現在完了形や過去完了形などでも用いられますが、 限定用法の場合には、特に、「〜された…」という受動的な意味を表します。
a broken vase 割れた花瓶(割られた花瓶) ----→ →-- = a vase which was broken S ----V-----    「高価な花瓶、絵付けを施した花瓶、ガラスの花瓶などいろいろな花瓶が あるけれども、それらの花瓶のうち、割られた花瓶」と限定しています。
(2)叙述用法(後置修飾、補語、準補語)
名詞とこれを後ろから修飾する分詞との間に 意味的な「主語+述語」の構造が成立します。
(a)単に名詞を修飾するだけの叙述用法(後置修飾)
@現在分詞
Who is the girl waving her hand? 手を振っている女の子は誰ですか。 ---s--← ←v--- ---o---- C V ---S---- 現在分詞wavingが目的語her handを伴い複数の語から成るので、 形容詞と同じように名詞the girlを後ろから直接修飾します。
このとき、the girlとwavingとの間には、 「the girl(主語)は、waving(述語)する」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
A過去分詞
Teachers often have nicknames known only by their students. ----s--← ←v-- S V ----O---- 教師には生徒達だけが知っているあだ名がよく付けられているものだ。 過去分詞knownが副詞句by〜を伴い複数の語から成るので、 形容詞と同じように名詞nicknamesを後ろから直接修飾します。
このとき、nicknamesとknownとの間には、 「nicknames(主語)は、known(述語)の状態である(知られている)」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
■@、Aの用法は、学校文法では限定用法であると教わります。■
(b)補語になる叙述用法
SVC、SVOCに於ける補語Cや準補語C′として機能します。 叙述用法の分詞が補語Cの定位置から前に置かれた主語Sや目的語Oを修飾します。
@現在分詞
能動的な意味を表します。
The children came running toward us. ------s---← ←-v--- ------S----- V C′
comeは自動詞で目的語をとらないので、runningは目的語ではありません。 つまり、runningは、名詞の働きをする動名詞ではなく、現在分詞です。 1語の現在分詞runningは、後ろに直接修飾するべき名詞が無いので 限定用法ではありません。 このrunningは叙述用法で準補語の働きをしており、日本語に訳すと、 「走っている」と能動的な意味の述語のようになります。
The children cameの部分だけで、 「The childrenは、来た(came)」 (ア) という意味を成し、文は一旦完結しますが、その後更に 主語The childrenを補足説明する準主格補語running〜を追加しています。 文の主語Theyと準主格補語running〜との間には、 「The children(主語)がrunning〜(述語)する」 (イ) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、running〜の意味上の主語は、文の主語The childrenであるといえます。
従って、文全体の意味は(ア)の意味と(イ)の意味を足し合わせて、 (ア)+(イ)=「子供たちは、走りながらこちらへ来た」 となります。
A過去分詞
受動的な意味を表します。
She sat surrounded by her children. s← ←v S V C′
1語の過去分詞surroundedは、後ろに直接修飾するべき名詞が無いので 限定用法ではありません。 また、sitは自動詞、surroundedは過去分詞であることから、 surroundedは目的語ではありません。 このsurrondedは叙述用法で準補語の働きをしており、日本語に訳すと、 「囲まれている」と受動的な意味の述語のようになります。
She satの部分だけで、 「Sheは、座っていた(sat)」 (ウ) という意味を成し、文は一旦完結しますが、その後更に 主語Sheを補足説明する準主格補語surrounded〜を追加しています。 文の主語Sheと準主格補語surrounded〜との間には、 「She(主語)がsurrounded〜(述語)の状態である」 (エ) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、surrounded〜の意味上の主語は、文の主語Sheであるといえます。
従って、文全体の意味は(ウ)の意味と(エ)の意味を足し合わせて、 (ウ)+(エ)=「彼女は、子供たちに囲まれて座っていた」 となります。
(注1) 上記(b)では、準補語C′を例にとりましたが、補語Cの場合でも同様です。 SVCの場合、文の主語Sと主格補語Cとの間には、「SはCである」というように 意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、Cの意味上の主語は、文の主語Sであるといえます。 また、SVOCの場合、文の目的語Oと目的格補語Cとの間には、「OはCである」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、Cの意味上の主語は、文の目的語Oであるといえます。
(注2) SVCやSVOCの文では、補語Cが無いと文が成立しませんが、 上記(b)の2つの例文は、running〜、surrounded〜が無くても文が成立します。 換言すれば、例文の意味で用いるcome、sitは補語を必要としません。 (b)のように文が完結した後で二次的に説明を補足するために用いる running、surroundedのような語句を準補語と呼びます。

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   ◇前置詞句の叙述用法
名詞を修飾する前置詞句は、常に修飾される名詞の後ろに置かれるので、 叙述用法のみです。
(1)叙述用法(後置修飾、補語)
名詞とこれを後ろから修飾する前置詞句との間に 意味的な「主語+述語」の構造が成立します。
(a)単に名詞を修飾するだけの叙述用法(後置修飾)
The computer on the desk is mine. 机の上のパソコンは私のです。 -----s----← ←---v----- ------------S----------- V C 前置詞句on the deskは、名詞The computerを形容詞的に修飾しています。 このとき、the computerとonthe deskとの間には、 「the computer(主語)は、on the desk(述語)にある」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
■この用法は、学校文法では次のような理由から限定用法であると教わります。
   「店頭に陳列してあるパソコン、最新のパソコン、壊れたパソコンなど いろいろなパソコンがあるけれども、それらのパソコンのうち、 机の上に置いてあるパソコン」と限定しています。■
(b)補語になる叙述用法
SVC、SVOCに於ける補語Cとして機能します。 叙述用法の前置詞句が補語Cの定位置から前に置かれた主語Sや目的語Oを修飾します。
@主格補語として機能する場合
SVCの補語Cとして用いられます。
This computer is of great use. このパソコンは非常に役に立ちます。 -----s-----← ←---v------ ------S------ V -----C------ (ofは「記述」(〜の性質を持つ))
前置詞句of great useは、前に直接修飾するべき名詞が無いので 限定用法ではありません。 また、isは自動詞であり、of〜は名詞ではないことから、 of〜は目的語ではありません。 この前置詞句of〜は叙述用法で補語の働きをしており、日本語に訳すと、 「非常に役に立つ」と述語のようになります。
The computer isの部分だけで、 「The computorは(何か)に等しい(is)」 (ア) という意味ですが、これだけでは文は完結していません。 一方、補語of〜は主語The computerを補足説明しており、 The computerとof〜との間には、 「The computer(主語)は、of great use(述語)である」 (イ) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、of〜の意味上の主語は、文の主語The computerであるといえます。 従って、文全体の意味は(ア)の意味と(イ)の意味を足し合わせて、 (ア)+(イ)=「このパソコンは非常に役に立つ」 となります。 尚、この例文のisは、存在のbe動詞ではなく、連結動詞として機能する be動詞です。
A目的格補語として機能する場合
SVOCの補語Cとして用いられます。
I found it of no help. 私はそれが何の役にも立たないと分かった。 s← ←--v----- S V O ----C----- (ofは「記述」(〜の性質を持つ))
前置詞句of no helpは、前の目的語itを限定的に修飾しているのではありません。 この前置詞句of〜は叙述用法で補語の働きをしており、日本語に訳すと、 「全く役に立たない」と述語のようになります。
I found itの部分だけで、 「Iはitを分かった(found)」 (ウ) という意味ですが、これだけでは文は完結していません。 一方、補語of〜は目的語itを補足説明しており、 itとof〜との間には、 「it(主語)は、of no help(述語)である」 (エ) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、of〜の意味上の主語は、文の目的語itであるといえます。 従って、文全体の意味は(ウ)の意味と(エ)の意味を足し合わせて、 (ウ)+(エ)=「私はそれが何の役にも立たないと分かった」 となります。

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   ◇補語(主格補語、目的格補語)と準補語(準主格補語、準目的格補語)
(1)基本5文型の補語(主格補語、目的格補語)C
(a)文型U SVCの主格補語C
He became a pianist. s← ←--v---- S V ----C----
becomeは、自動詞の場合と他動詞の場合で意味が異なります。 上の例文の場合、前後の語句の意味から考えて、自動詞であると 判断するのが妥当です。 自動詞は目的語をとらないので、名詞a pianistは目的語以外の働きを していることが分かります。
He becameの部分だけで、 「Heは、(何か)になりました(became)」 (a) という意味ですが、これだけでは文は完結していません。 一方、補語a pianist(名詞)は主語Heを後ろから修飾することにより、 主語を補足説明しており、Heとa pianistとの間には、 「He(主語)は、a pianist(述語)なる人である」 (b) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、a pianistの意味上の主語は、文の主語Heであるといえます。 従って、文全体の意味は(a)の意味と(b)の意味を足し合わせて、 (a)+(b)=「彼はピアニストになった」 となります。
補語または目的語の位置に名詞がくる場合、主格補語と目的語を見分けるには、 主語He=主格補語a pianist という関係が成り立つことを調べれば識別できます。 この場合のbecameは、主語と補語とを結びつける連結動詞として機能しています。
これに対して、SVCに似ている形のSVAの文では、 The manager is in his office. マネージャーは執務室にいる。 S V ------A------ のように、S≠A(The manager≠in his office)となるので、 SVCとSVAを区別することができます。 この場合のisは存在のbe動詞で、前置詞句in his officeは動詞isを 修飾する副詞句Aです。
(注)連結動詞
連結動詞は、SVCに於けるVのことで、S=Cとする機能を果たしますが、 次のような種類があります。 be型: be、keep、remain、stay 外見動詞:appear、look、seem 五感動詞:feel、smell、sound become型(結果):become、get、come
尚、私見ですが、主格補語が主語を説明する働きをするということを 知っていさえすれば、特に連結動詞であるか否か識別しなくとも 文の解釈に支障を来たすことはないと思います。
(b)文型X SVOCの目的格補語C
I found this book interesting. ----s--← ←v S V ----O---- C
findは他動詞なので、後ろの名詞this bookはfoundの目的語です。 I found this bookの部分だけで、 「Iは、this bookを見つけた(found)」 (c) という意味ですが、これだけでは文は完結していません。。 一方、補語interesting(形容詞)は目的語this bookを後ろから 修飾することにより、目的語を補足説明しており、 this bookとinterestingとの間には、 「this book(主語)は、interesting(述語)である」 (d) というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 言い換えれば、interestingの意味上の主語は、文の目的語this book であるといえます。 従って、文全体の意味は(c)の意味と(d)の意味を足し合わせて、 (c)+(d)=「私はこの本が面白いということが分かった」 となります。 この場合の形容詞interestingは、叙述用法です。 尚、限定用法の場合には、this interesting bookという語順になります。
(注) 補語に該当するものは、名詞、形容詞、副詞の他に 不定詞、分詞、動名詞、前置詞句など様々です。 文の動詞の型と文の意味に応じてこれらの語句のいずれかが補語となります。
(2)準補語(準主格補語、準目的格補語)C′
SVCやSVOCの文では、補語Cがなければ文は完結しませんが、 準補語はなくても文の意味は完結します。 文が一旦完結した後で、主語や目的語の状態を補語と同じように二次的に 補足説明する語句を準主格補語、準目的格補語と呼びます。
準主格補語は文の主語を後ろから修飾することにより、主語を 補足的に説明する語句で、文の主語Sと準主格補語C′との間には、 「S(主語)は、C′(述語)である」というように意味的に「主語+述語」の 関係が成立しています。
もう一方の、準目的格補語は文の目的語を後ろから修飾することにより、 目的語を補足的に説明する語句で、文の目的語Oと準目的格補語C′との間には、 「O(主語)は、C′(述語)である」というように意味的に「主語+述語」の 関係が成立しています。
They came running toward us. 彼らは走ってこちらへきた。 s← ←v S V C′ (C′は準主格補語) runningは現在分詞の叙述用法です。 They cameの部分だけで文は一旦完結しますが、その後更に 主語Theyを修飾して補足説明する準主格補語runningを追加しています。 文の主語Theyと準主格補語runningとの間には、 「They(主語)がrunning(述語)する」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
She went shopping in Fukushima. 彼女は福島へ買物に行った。 s← ←v S V C′ (C′は準主格補語) shoppingは現在分詞の叙述用法です。 She wentの部分だけで文は一旦完結しますが、その後更に 主語Sheを修飾して補足説明する準主格補語shoppingを追加しています。 文の主語Sheと準主格補語shoppingとの間には、 「She(主語)がshopping(述語)する」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 この場合のin Fukusimaは、went 〜 to Fukushimaと続くのではなく、 shopping in Fukushimaという意味のまとまりなのでinを用います。
The bees are busy collecting honey. 蜜蜂はせっせと蜜を集めている。 ----s-← ←v ----S--- V C C′ (C′は準主格補語) = The bees are busy in collecting honey. ----S--- V C ------副詞句------- (collectingは前置詞inの目的語である動名詞) C′のcollectingは現在分詞の叙述用法です。 The bees are busyの部分だけで文は一旦完結しますが、その後更に 主語The beesを修飾して補足説明する準主格補語collectingを追加しています。 文の主語The beesと準主格補語collectingとの間には、 「The bees(主語)がcollecting(述語)する」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
尚、形容詞busyは文を完結させるのに必要な主格補語Cであり、 主語The beesを補足説明しています。 The beesとbusyとの間には、 「The bees(主語)は、busy(述語)である」 というように、やはり意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
He ate the meat raw. 彼は肉を生で食べた。 ---s-← ←v S V ---O---- C′ (C′は準目的格補語) ----小節---- rawは形容詞の叙述用法です。 He ate the meatの部分だけで文は一旦完結しますが、その後更に 目的語the meatを修飾して補足説明する準目的格補語rawを追加しています。 文の目的語the meatと準目的格補語rawとの間には、 「the meat(主語)はraw(述語)である」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。
尚、ひとまとまりの語句the meat rawの間には意味的に「主語+述語」の構造があるので、 これを小節と呼びます。
We can buy vegitables fresh at Wilson Farm. ウィルソン農場では新鮮な野菜が買える。 s← ←v S V O C′ -場所の副詞句- (C′は準目的格補語) ------小節------ freshは形容詞の叙述用法です。 We can buy vegitablesの部分だけで文は一旦完結しますが、その後更に 目的語vegitablesを修飾して補足説明する準目的格補語freshを追加しています。 文の目的語vegitablesと準目的格補語freshとの間には、 「vegitables(主語)はfresh(述語)である」 というように意味的な「主語+述語」の構造が成立しています。 尚、場所の副詞句at Wilson Farmはなくても文は完結します。
(3)広義の補語(叙述用法)
辞書を読むと、語句の意味を完全なものにするために補う形容詞や動詞の現在分詞・過去分詞も 広い意味で補語と解説している場合があります。 これらは、 名詞+補語 動詞+補語 という語順をとります。 このような使い方は、基本5文型に於ける補語Cとは意味合いが異なるので、 形容詞や現在分詞・過去分詞の叙述用法と呼ぶ方が適切です。
She stood on the deck with her hair streaming in the wind. (付帯状況のwith) ---s--← ←v -名詞-- 補語 S V 彼女は髪を風になびかせながらデッキに立っていた。 streamingは現在分詞の叙述用法です。
To be honest, there's something I haven't told you yet. (s) --v-- c 補語 (honestはbe動詞の補語) S V C (there〜の真主語はsomething) 実を言うとまだ君に話していないことがあるんだ。
She seems to be single. 彼女は独身らしい。 s← ←v-- c 補語 (singleはbe動詞の補語) S V -----C------ (to be singleはseemsの補語) singleは形容詞の叙述用法です。
(参考) 限定用法と叙述用法(補語として用いる場合)とでは語順が異なり、 意味も異なる例を挙げておきます。
the present mayor 現在の市長(presentは形容詞の限定用法) -----→ →--- all the people present 出席者全員( 〃 叙述用法) ----s---← ←v = all the people who are present S V C
with a concerned look 心配そうな顔つきで (cocernedは形容詞化した過去分詞の限定用法) -------→ →-- speak to the people concerned 関係者に話をする( 〃 叙述用法) ----s---← ←v = speak to the people who are concerned S ------V------

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   ◇動作動詞と状態動詞
(1)動作動詞
動作の始まり〜終わりまで、一連の動作すべてをを意味します。
進行形にすることができます。 進行形にした場合、動作の始まりと終わりを含みません。
go have(〜を食べる) play read see(〜と会う) watchなど
He watches TV. テレビを見始めてから、見ている途中の動作、見終わった動作を 含みます。
She is wathing TV. テレビを見ている途中の動作の一部を指します。
(2)状態動詞
動作の始まりと終わりを含まず、動作の部分的な途中の状態を 意味します。 普通は進行形にしません。
be(〜である、いる) have(〜を持っている) know(〜を知っている) like live need see(〜が見える) wantなど
I need your advice. 必要としている状態の一部を指します。

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   ◇句動詞
動詞が副詞や前置詞と結合して、1つの動詞の働きをする語句です。 「動詞+副詞」を phrasal verb 「動詞+前置詞」をprepositional verb と呼び、自動詞に相当するものと他動詞に相当するものがあります。 句動詞の意味は、各語を単独で用いる場合の意味と大きく異なるものが 多いです。
■凡例: 自 :自動詞 他 :他動詞 目 :他動詞の目的語 副 :副詞 前 :前置詞 前目:前置詞の目的語■
(1)「自動詞+副詞」≒「自動詞」
My car broke down on the way. 車が途中で故障した。 自 副 --S--- ----V-----
A war may break out. 戦争が勃発するかもしれない。 自 副 --S-- ----V----
(2)「自動詞+前置詞+前置詞の目的語」≒「他動詞+目的語」
前置詞の目的語が代名詞の場合でも、「自動詞+前置詞の目的語+前置詞」の語順 にはなりません。
Don't hesitate to ask for advice. ためらわずに助言を求めなさい。 自 前 前目 ----v----- o (S) V --------O--------
I don't care for that color. その色は嫌いだ。 自 前 ---前目--- S ---V---- ----O-----
You never listen to me. 君は決して私の言うことを聞かない。 自 前 前目 S ----V---- O × You never listen me to.
前置詞が文の末尾になる場合があります。
What are you thinking about? 何のことを考えているんですか。 前目 自 前 O S ------V-------
I've found the book which I was looking for. 捜していた本を見つけたところです。 前目 自 前 O S -----V-----
(3)「自動詞+副詞+前置詞+前置詞の目的語」≒「他動詞+目的語」
They always looked down on us as poor relations. 彼らは、私達を貧乏な親類としていつも見下していた。 自 副 前 前目 S ------V------- O
We have just run out of sugar. 丁度、砂糖を切らしてしまった。 自 副 前 前目 S ----V----- O
I must make up for lost time. 空費した時間の埋合せをしなければならない。 自 副 前 --前目--- S -----V----- ----O----
(4)「他動詞+副詞 +目的語」、 「他動詞+目的語+副詞」 ≒「他動詞+目的語」
I helped her to fill in the form. 彼女が申込用紙に記入するのを手伝った。 他 副 ---目--- ----v----- ---o----
目的語は、副詞の後または前にきます。
She switched off the light. 彼女は灯りを消した。 他 副 ---目---- S -----V------ ----O---- = She switched the light off. 他 ---目---- 副 S V ----O---- A
目的語が代名詞の場合、目的語は常に副詞の前にきます。
She switched it off. 彼女はそれ(灯り)を消した。 他 目 副 (itは代名詞) S V O A × She switched off it. S -----V------ O
(5)「他動詞+目的語+前置詞+前置詞の目的語」
The company spends a lot of money on advertising. その会社は広告に大金を費やしている。 他 ------目------ 前 前目 -----S----- V ------O------- -------A------ = A lot of money is spent on advertising. (受動態) ------目------ 他 前 前目 ------S------- ---V---- -------A------
Compare your composition with[to] the example. 君の作文をお手本と比べてみなさい。 他 -------目------- 前 [前] ---前目---- (S) V -------O-------- ---------A----------
Did you thank Daniel for helping us? 私達を手伝って貰ってダニエルに礼を言いましたか。 他 目 前 ---前目--- S V O ------A-------
Most people prefer the new system to the old one. 大抵の人々は古い制度よりも新しい制度を好む。 他 ------目------ 前 ---前目---- -----S----- V ------O------- ------A-------

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