◆冠詞(1) article
◇高校生になると、中学で教わった冠詞の使い方だけでは説明できない文章がでてきます。 冠詞は日本語には無いので、なかなか理解しにくいのですが、 津守光太先生がその著書「aとtheの底力―冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界」(プレイス)で 冠詞の使い方を分かり易く解説しています。 本書は平易な文章で、一般の文法書では解説していない冠詞の表す意味合についても 説明していますので、興味のある方は一読されることをお薦め致します。
また、正保富三先生著「英語の冠詞がわかる本」(研究社)では、冠詞の使い方を変えた場合の 意味の違いを例文で比較して分かり易く解説しています。 両先生の解説を少し補足して一部を御紹介致します。
尚、◆冠詞(2)では、石田秀雄先生の著書「わかりやすい英語冠詞講義」(大修館書店) の解説を御紹介致しておりますので、参考になさって下さい。

句と節 冠詞の種類
名詞について冠詞が伝える基本的なメッセージ 名詞について冠詞が伝える基本的なメッセージ
狭義のa 狭義のa
広義のa 広義のa
the the
無冠詞 無冠詞
決定詞(限定詞)determiner 決定詞(限定詞)determiner
例文で見るa/the/無冠詞の意味の違い 例文で見るa/the/無冠詞の意味の違い



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   ◇冠詞の種類
a/an
可算名詞の単数形に付く。
I bought a book yesterday. ------
the
可算名詞の単数形・複数形にも不可算名詞にも付く。
The horse is a useful animal. (総称単数) 馬は役に立つ動物だ。 --------- The lions are the king of beasts. (すべてのライオンの中、或る特定の) --------- ライオンが百獣の王だ。 I closed the window to keep out the rain. (今降っている)雨が -------- 降り込まないように窓を閉めた。 The Japanese are diligent workers.(集合全体) 日本人は勤勉な働き者だ。 ------------
無冠詞
冠詞を付けないということにも規則と伝える意味があるので、 無冠詞も冠詞の一種。
aもtheも付けない可算名詞
I went to φ school by φ bus. 学校へバスで通った。 --------- ------
theを付けない不可算名詞
φ Salt is necessary for cooking. 調理に塩は欠かせない。 -------
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   ◇名詞について冠詞が伝える基本的なメッセージ
a(狭義のa)
同じ種類のものが幾つもあるものの中の1つであるが、 聞き手はどれを指しているのか了解していないものである。 形があり輪郭を持つものである。
I bought a book yesterday. いろいろな本が出版されているが、その中の1冊の本を買った。 その本がどれかは、君はまだ知らない。
the
話し手同士がどれを指しているのかお互いに了解しているものである。
I have a book in my bag. I bought the book yesterday. 鞄の中に君がまだ知らない1冊の本がある。 今言ったので君もどれか了解したその本は昨日買った。
無冠詞
話し手同士がどれを指しているのかお互いに了解が成立して いない(theを付けない)場面で、aを付けない名詞(輪郭を持たないもの)である。
■aを付けない名詞
可算名詞の複数形
複数になると1つ1つの持つ輪郭が見えなくなる。 books
不可算名詞
物質名詞 気体、液体、原材料など一定の形の無いもの。 air、water、paper、meat
抽象名詞 目で見たり手で触れたりすることのできないもの。 名詞自体の中に動詞や形容詞を含むものが多い。 love (動詞love) happiness (形容詞happy) luck ( 〃 lucky) music
固有名詞 地名、人名など。 Paris、Smith 例外:a Smith スミスという人 ■
■aを付けたり付けなかったりする名詞
I had a chicken. 1羽の鶏を飼っていた。 I had chiken. 鶏肉を食べた。
love 愛すること a love 1人の恋人
democracy 民主主義 a democracy 1つの民主主義国家
organization 組織すること an organization 1つの組織 ■
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   ◇狭義のa
数えられるものが1個の時に付けるaで、 「不特定である1つの〜」の意味になる。
「或る〜」
A boy came to see me. 或る少年が会いに来た。
「どれでも」 a=any
A cat has nine lives. 猫はどの猫でも9つの命がある。 (猫は執念深く長寿である意の諺。)
   「〜につき」 a=per
twice a day 1日に2回
「同じ〜」 a=same
Birds of a feather flock together. 1つの同じ羽毛の鳥は自ずと集まる。(類は友を呼ぶの意の諺。)
「a+固有名詞」の場合
   「〜のような人」 I want to be an Edison. 歴史上何人もいる大発明家の中の1人であるエジソンのような人に なりたい。
「〜という人」 A Mr. Smith came to see you. スミスという人は大勢いますが、その中の1人がおいでになりました。
「〜の作品、製品」 It's a Sony. ソニーという会社は多くの製品を作っていますが、この製品は その中の1つです。
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   ◇広義のa
始めと終わりのあるひとまとまりの動作
He gave me a push. 私を押した。
幾つかのもののひとまとまり
a dozen 12個のひとまとまり
不可算名詞を数える
a piece of furniture 家具1点
風邪
I have a cold. 風邪をひいている。 咳やくしゃみ、鼻水などの症状をひとまとまりと見做してaを付ける。
インフルエンザは、 the flu 流行病は現在または当時流行っており、話し手同士がお互いにそれを 了解しているのでtheを付ける。
症状
病気が形になって表れたものが症状であり、発症から回復という 始まりと終わりのあるひとまとまりなのでaを付ける。 a tumor 腫瘍は形がある症状。 a fever 熱が出てから下がるまで始まりと終わりのある症状。 an itch 痒くなってから治まるまで始めと終わりのある症状。 a headache 頭痛は始めと終わりのある症状。 a heart attack 心臓発作は発作なので始めと終わりのある症状。
病気自体は形がないので、病名は無冠詞。 pneumonia:肺炎
名詞をどのように見るか明確にする
I had a chicken. 1羽の鶏を飼っていた。 I had chiken. 鶏肉を食べた。
love 愛すること a love 1人の恋人
democracy 民主主義 a democracy 1つの民主主義国家
2つのものを1セットとして扱う
a cup and saucer カップとソーサー1脚 a needle and thread 糸の付いた針
「few /a few +可算名詞の複数形」 「little/a little+不可算名詞」
few ものが無いのでaが付かない a few 〃 有るのでaが付く
Few students went there. 学生は殆んど行かなかった。 A few students went there. 何人かの学生が行った。
ここで用いられるaは、about、approximatelyの意味。
not a few =quite a few =many a great many=a good many =many (×a many)
通常の不定冠詞aは、数詞oneから派生したものですが、 a few、a good manyのaは、複数を意味する不定冠詞が語源で 現代英語のsomeに相当します。
種類を表す
1つしか無いものにはtheを付けるので、本来だと the moon とするが、theを付けるべき名詞を形容詞で修飾してその名詞の種類を表す場合には、 a full moon 満月
満月は、半月や三日月など満ち欠けする月の様々な種類の中の1つなのでaを付ける。 或いは、1年に何度もある満月の中の1つなのでaを付けると見做すこともできる。
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   ◇the
前方照応
前に出てきたものを指す。
I have a book in my bag. I bought the book yesterday. 鞄の中にあるその本。
間接前方照応
前に同じ名詞が出ていないが、前に言った内容を指す名詞に付ける。
The curator dropped the invaluable vase and broke it. The accident happened on the day it arrived from China. その学芸員は貴重な花瓶を落として割った。 その事故はその花瓶が中国から届いた日に起きた。
accidentという語自体は直接に前に出てきていないが、accidentの指すものは 前の文章で既に述べている内容(花瓶を割った事故)なのでtheを付ける。
後方照応
名詞の後ろの表現(「of 〜」、「関係詞that 〜」など)によって限定されるものに付ける。
the door of my room doorは後ろのof my roomにより限定されているのでtheを付ける。 話し手の部屋にはドアは1つしかなくて、聞き手もそのことが分かっているか または想像がつく。
後ろに「of 〜」が続いても意味上限定されなければaが付く。
a door of the room その部屋にある幾つかのドアの中の1つ。 a friend of mine 何人もいる友人の中の1人。
× a my friend 決定詞は1つの名詞に1つが原則。
■決定詞(限定詞)determinerとは、
冠詞: a/an、the 指示代名詞: this、these 人称代名詞の所有格:my、your、our 数量を表す語: some、any、no など ■
「the 〜+同格のof/that 〜」
the news of his death 彼が亡くなったいう特定の知らせ。 = the news that he died
慣用表現の「the 〜+of 〜」
with the view of 〜ing 〜する意図で = with a view to 〜ing
■上記の例では、aとtheの使い分けをドアの数の問題として説明しています。 この解釈に対して◆冠詞(2) ◇テクスト内照応に於ける後方照応で 御紹介するように、石田秀雄先生は次のように解釈していらっしゃいます。
関係詞に修飾されていても必ずしもtheを使うものではない。 部屋のドアの数が1つだけなのか複数あるドアの中の任意の1つなのかにより 冠詞を使い分けているのではない。 the doorは、既に話題に取上げられているドアを前方照応しているのであり、 部屋のドアは1つだけとは限らない。 a doorは、単にどのようなドアなのか記述的に述べているためtheを用いないのであり、 複数あるドアの中の1つとは限らず、元々1つしかなかった場合もあり得る。 ■
場面状況照応
話の流れの中で話し手同士がお互いに了解しているものに付ける。
Would you tell me the way to the station? 駅へ行く道を教えていただけませんか。
暗黙のうちにstationはここから歩いて行ける最寄りの駅を指しており、 話し手同士がお互いにそのことを了解しているのでtheを付ける。
1つしか無いもの
the sun the world
対照される関係にあるものと区別する
the left ←→the right the north ←→the south
in the morning←→in the afternoon←→in the evening 1日という全体(午前、午後、晩)の中で互いに対照される関係。 morning 日出〜正午までの時間帯 afternoon 正午〜日没 〃 evening 日没〜就寝までの活動時間帯 night 〃 〜日出までの不活動時間帯
at night 眠っている時間帯nightは、何も活動できないので朝や昼とは 対照できないという理由からtheを付けない。 眠っている時間帯は、時刻「at ten」などと同じように点と見做してatを用いる。
全体の一部
He took her by the arm. 彼女の腕を取った。 S V O × He took her arm. S V ---O---
armは身体全体の一部で、身体を構成する他の部分(頭、胸、足など)と 互いに対照される関係にあるのでtheを付ける。 tookの目的語はher。 彼女を行かせないことが目的なので「took her」(彼女をつかんだ)としている。
医者が脈を診る目的で腕を取るような場合には、 The doctor took her arm to check the pulse. その医者は脈を診るために彼女の腕を取った。 ----S----- V ---O--- tookの目的語は「her arm」。
川、海、砂漠などの名前(固有名詞)
全体が漠然としていて、ひと目で全体のイメージを捉えることが できないものには、theを付けて統一的イメージを与えて 他との境界を明確にする。
the Nile the Pacific Ocean the Desert of Sahara
他のものと区別して1つの統合体にまとめる
固有名詞の複数形にはtheを付ける。
the United States of America アメリカ合衆国 様々な州が1つにまとまった国という意味
the Japanese Islands 日本列島は島々ののひとまとまり the Alps アルプス山脈は山々のひとまとまり the Browns ブラウン一家はBrownという名前の人々の ひとまとまりであると同時に、 他の同名の人達と区別できる1つの家族
過去・現在・未来、時代区分
時間を区切る
the past←→the present←→the future the Edo period 江戸時代
歴史上の出来事
the (Great) Depression 世界大恐慌 歴史的事実として皆が知っているあの(the)大恐慌。
単位
量に関する社会的な了解なのでtheを付ける。
They sell butter by the kilo. バターはs単位で売っている。
複数のものをひとまとまりにする。
Eggs are sold by the dozen. 卵はダース単位で売っている。
時間のように目に見えないものをひとまとまりにする。
He gets paid by the week. 彼は週給だ。
普通名詞を含む固有名詞
the Golden Gate Bridge 米国San Franciscoの金門橋 普通名詞bridgeを含むのでtheを付ける。
London Bridge あまりにも有名で身近な存在なので、地名と同様に 完全に固有名詞化しているのでtheを付けない。 身近なものなっていく過程で、theを付けないようになる。
物ではなくその機能をいう場合
Bell invented the telephone. ベルが発明したのは電話器という器具自体ではなく、 それまでは不可能だった離れた人と話すという機能を発明した ことを指すのでtheを付ける。 theを付けることにより、telephoneの上位に通信機器というカテゴリを想定し、 そのカテゴリの下位にあるtelegramやfaxなどとtelephoneを対比する。
the Internet
「the+比較級」
the=with that The more one has, the more one wants. 持てばそれだけ益々欲しくなる。
She is none the better for taking those pills. その薬を飲んでもちっとも良くなっていない。 (the=その分だけ)
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   ◇無冠詞
aを付けない名詞でtheを付けない場合
可算名詞の複数形
複数になると1つ1つの持つ輪郭が見えなくなる。 books
不可算名詞
物質名詞 気体、液体、原材料など一定の形の無いもの。 air、water、paper、meat
抽象名詞 目で見たり手で触れたりすることのできないもの。 名詞自体の中に動詞や形容詞を含むものが多い。 love(v. love)、happiness(adj. happy)、luck(adj. lucky)、music
固有名詞 地名、人名など。 Paris、Smith
aを付けたり付けなかったりする名詞でtheを付けない場合
I had a chicken. 1羽の鶏を飼っていた。 I had chiken. 鶏肉を食べた。
love(愛すること)―a love(1人の恋人)
democracy(民主主義)―a democracy(1つの民主主義国家) organization(組織すること)―an organization(1つの組織)
総称表現(一般論)
ライオン(総称)が百獣の王だ、と言いたい場合。
無冠詞の複数形
Lions are the king of beasts.  →一部に限定されず全てのライオンに当てはまる。 一般論を言うの場合、a/theによる意味の制約がないので、 無冠詞の複数形による総称表現が適する。
a+単数形
A lion is the king of beasts. →a=any 何頭もいるライオンの中から1頭だけ選び出してみると、 その1頭について言える特徴は他のどのライオンにも当てはまる。 口語的で直接的・実際的な表現。
the+単数形
The lion is the king of beasts. →ライオンの上位にネコ科の猛獣というカテゴリを想定し、その同じカテゴリの 下位に属する虎や豹などとライオンを対比することを意図している。 或る特定の1頭のライオンを指しているのではない。 学術的・抽象的な表現で、百科事典などの記述に用いる。
(注) She can play the flute. 楽器にはtheを付けると習いましたが、上と同じ理由からです。 楽器というカテゴリに属する物の中から、フルートという種類を選んでいます。 或る特定の1本のフルートを指しているのではありません。
the+複数形
The lions are the king of beasts.  →すべてのライオンの中、現存している或いはアフリカにいるライオンというように、 特定のライオンのグループを指す。 総称表現とは見做さない。(cf.現代英文法講義)
価値
money お金は目に見えるものではなくその価値を表すのでaを付けない。
動詞や形容詞を含む語
動詞や形容詞は輪郭をなす形を持たないので、動詞や形容詞を 語自体の中に含む名詞にはaを付けない。 organization(v.organize) 組織すること action(v.act) 行動すること
但し、形容詞でもtheを付ける場合がある。 the young 若い人々
他の語と結びついて1つの動詞のような意味をなす名詞
動詞は無冠詞なので、動詞の働きをする名詞は無冠詞。 go to school schoolは勉強するの意 be ill in bed bedは寝るの意 at school schoolは学ぶの意
食事名
食べるということに力点が置かれるので無冠詞。 have breakfast have lunch
交通・通信手段
動詞は無冠詞。 go by car =drive→by car は動詞の一部なのでaを付けない。 go by plane=fly →by planeは動詞の一部なのでaを付けない。 by telepone 通信手段なのでaを付けない。
スポーツ、ゲーム
行為であって形を持たないのでaを付けない。 play baseball play chess
果たすべき役割
官職、身分を表す語が補語になるときは無冠詞 We elected him captain. 彼をキャプテンの役に選んだ。 S V O C
状態を表す場合
in haste Haste makes waste. 急いては事を仕損じる。 hasteは急いでいる状態を指し、始めと終わりが明確な一連の動作では ないのでaを付けない。
in a hurry hurryは始めと終わりのあるひとまとまりの一連の動作を意味するので aを付ける。
(注) この辺りになると語感が分からないので難しくなります。 Oxford Advanced Learner's Dictionaryには、 haste: speed in doing someting, especially because you do not have enough time. hurry: the need or wish to get something done quickly. と解説してあります。 hasteはspeedなので不可算 hurryはneed or wishなので可算 という違いがあるようです。

湖は対岸を見渡すことができる。 ひと目で見渡せるような、境界が明確なものには、 普通名詞を含む固有名詞であっても敢えてtheを付けない。 Lake Victoria Mount Fuji lakeもmountと同様に肩書き的な使い方と見做すこともできる。
肩書きのように同格関係にある名詞
Professor Smith professorやuncleはよく使われる肩書きなので大文字で始める。 Uncle Tom pilot Suzuki
病名
症状は病気が形になって表れたものであるのに対し、病気自体は形が ないので無冠詞。 pneumonia 肺炎 rheumatism リューマチ AIDS(acquired immune deficiency syndrome) 後天性免疫不全症候群
流行病(今流行っている病気)は、話し手同士がお互いに了解しているので theを付ける。 the flu インフルエンザ the measles 麻疹
流行病でも現代では罹ることが殆んどないコレラや赤痢は身の回りのものから 遠い存在なので無冠詞。 cholera コレラ dysentery 赤痢
14世紀にヨーロッパで流行ったペストは歴史上の事実として皆が了解して いるのでtheを付ける。 the Black Death 黒死病(ペスト)
最も身近な固有名詞、目に見える具象的な世界から遠く離れた抽象名詞は無冠詞
a bridge 不特定の単なる普通名詞なのでaを付ける。 ↓ the bridge 他の橋と区別して特定しているのでtheを付ける。 ↓ the Tower Bridge 普通名詞bridgeを含む固有名詞なのでtheを付ける。 ↓ Tower Bridge 地名と同じ程度に身近な存在になったのでtheを付けない。
(注)◆冠詞(2) ◇固有名詞を普通名詞として使う場合の型(換喩と提喩)で 御紹介するように、上記のような例を石田秀雄先生は次のように 解釈していらっしゃいます。
提喩により普通名詞(類)が固有名詞(種)に変化した例。 その地域で唯一的に同定可能な普通名詞the bridge(類)が 固有名詞Tower Bridge(種)に変化した。
最も身近な存在は固有名詞と同様に無冠詞
next Sunday 今話している時の次の日曜日(身近な日曜日) the next Sunday その場面で話題になっている日の次の日曜日
We will go on a picnic next Sunday. 今を基準として次の日曜日にピクニックに出かける。 今というのは最も身近な時間なのでtheを付けない。
He didn't come to my office, but he called me the next Sunday. 彼は事務所に来なかったが、(当時を基準にして)その次の日曜日に電話してきた。
last night 昨夜 the last night 最後の夜
その前夜という意味を表すには、 the night before the previous night などと言わなければなりません。
next、lastは古期英語の最上級の形が変化した語なのでtheを付けるのが自然だそうです。
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   ◇決定詞(限定詞)determiner
名詞は決定詞を付けて用いる。
決定詞とは、 冠詞 a/an、the 指示代名詞 this、these 人称代名詞の所有格 my、your、our 数量を表す語 some、any、no など
some+可算名詞の単数形=a+可算名詞の単数形 any +可算名詞の単数形=a+可算名詞の単数形
A girl came into the office. = One girl came into the office. 1人の少女が〜 aに含まれる数量的な意味、つまり1人であることが明確になる。 = Some girl came into the office. 或る少女が〜 aに含まれる不特定の意味、つまり少女が誰か分からないという情報 が明確になる。
some+可算名詞の複数形 some+不可算名詞
漠然とした量を表す。
I want bread. とにかくパンが欲しい。 I want some bread. いくらかの分量のパンが欲しい。
all、every、each
I sent the e-mail to all members of the club. eメールをクラブの皆に送った。 →allはまとまりを意味するので、メンバー全員を想起させる。 I sent the e-mail to every member of the club. →everyは1つづつが集まった全てを意味するので、 メンバーを1人づつ指さしながら全員と言っている。 I sent the e-mail to each member of the club. →eachには全てという意味はなく各々を意味するだけなので、 1人1人に送った結果全員に送ったことが推測できる。
some、any
someは何かが存在する意。
Some student in this class stole my bag. 誰かは分からないがこのクラスに犯人がいる。
anyは空席を表すので、anyの場所にはどのような数字を あてはめてもよい。
I don't have any books. = I have no books. 本を1冊も2冊も3冊も……どの冊数の本も持っていない。
疑問文のsome、肯定文のany
   Would you like some tea? お茶を如何ですか。 今用意しているお茶は実際に存在するので疑問文でもsomeを用いる。
Any student can use this computer. 学生は誰でも使うことができる。 anyは空席を表すので、誰でも皆の意になる。
1つの名詞に1つの決定詞が原則
a friend of mine (× a my friend)
複数の決定詞を用いる場合、決定詞の位置は3種類
前に置く決定詞 all、both、half、twice
中心となる決定詞 a、the、my、his、this、that、some、every
後ろに置く決定詞 many、few、little、much、two
all the three books
the→this/thatに置換えて間接前方照応をより明確にする
theを用いる場面でtheの代わりにthis/thatを使うと、 theの持つ曖昧さを避けることができ、どれを指すのかより明確になる。
The curator dropped the invaluable vase and broke it. The accident happened on the day it arrived from China. →That accident happened on the day it arrived from China. その学芸員は貴重な花瓶を落として割った。 その事故はその花瓶が中国から届いた日に起きた。 the accident→that accidentとするとthatが前出の事故を指して いることがより明確になる。
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   ◇例文で見るa/the/無冠詞の意味の違い
後ろの修飾語で限定された名詞(後方照応)
前置詞句、関係詞節などが後ろから修飾して限定される名詞には theを付けますが、後ろに修飾語句があっても必ずしも限定される訳ではありません。
Peter is the captain of our soccer team. サッカーチ−ムの主将は1人に限定されるのでthe。 Henry is a member of our soccer team. チ−ムのメンバーは何人もいて1人に限定されないのでa。
This is the book that I bought yesterday. 買った本が1冊だけに限定されるのでthe。 This is a book that I bought yesterday. 買った本が複数ありその中のどの本か特定できないのでa。
(注)上記の例では、aとtheの使い分けを数の問題として説明しています。 この解釈に対して◆冠詞(2) ◇テクスト内照応に於ける後方照応で 御紹介するように、石田秀雄先生は次のように解釈していらっしゃいます。
関係詞に修飾されていても必ずしもtheを使うものではない。 買った本の数が1冊だけなのか複数冊買った本の中の任意の1冊なのかにより 冠詞を使い分けているのではない。 the bookは、既に話題に取上げている本を前方照応しているのであり、 買った本は1冊だけとは限らない。 a bookは、単にどのような本なのか記述的に述べているだけだからであり、 複数冊買った本の中の1冊とは限らず元々1冊しか買わなかった場合もあり得る。
The biggest problem was shortage of skilled workers. 一般的な熟練労働者の不足を意味する。 The biggest problem was the shortage of skilled workers. 以前から問題になっていて既知の熟練労働者の不足を意味する。 The biggest problem was a shortage of skilled workers. 熟練労働者の不足という問題を初めて話題に取上げる場合。
最も身近な存在は固有名詞と同様に無冠詞
next Sunday 今話している時の次の日曜日(身近な日曜日) the next Sunday その場面で話題になっている日の次の日曜日
We will go on a picnic next Sunday. 今を基準として次の日曜日にピクニックに出かける。 今というのは最も身近な時間なのでtheを付けない。
He didn't come to my office, but he called me the next Sunday. 彼は事務所に来なかったが、(当時を基準にして)その次の日曜日に電話してきた。
last night 昨夜 the last night 最後の夜
その前夜という意味を表すには、 the night before the previous night などと言わなければなりません。
next、lastは古期英語の最上級の形が変化した語なのでtheを付けるのが自然だそうです。
序数にaを付ける場合、無冠詞になる場合
序数にはtheを付けると学校で習いましたが、これは次のような意味があるからです。
The first prize went to John. ジョンが1位だった。 1位の人は1人で、その順序によってその人を特定できるのでtheを付けます。
John won a first prize. ジョンが1位だった。 1位が何人かいた場合、または幾つかの競技があり、その中のどれかの競技の1位を指す場合。
尚、「a+序数詞+〜」=「another 〜」(もう一つの、別の〜)という意味になります。
競技会で何位に入賞するというときは、 be placed first/second/third などのように無冠詞。 この場合のfirst/second/thirdは副詞的に用いられています。
I was quite satisfied to be placed third. 3位に入賞できて満足だ。 thirdは副詞的に用いられています。
the sixth sense 第六感が存在するという前提で話す場合。 a sixth sense 感覚には五感の他に6番目の感覚(五感とは別の感覚another sense)が あるかもしれないという意味合い。 可能性としてはあるが断定できないので、順序が確定していない。 I had a sixth sense that the train was going to crash. 電車が衝突するという第六感が働いた。
Success does not consist in never making mistakes but in never making the same one a second time. 成功とは、決して間違いを犯さないことにではなく、同じ間違いを二度と犯さないことにある。 2回目の(今回とは別にもう一つの)間違いを犯す可能性はあるが、 まだ犯していないので順序が確定しない。
交通手段を言う場合のa/the/無冠詞の意味の違い
I took the train to Liverpool. the trainは総称表現。 交通手段として電車を用いたという意。
I took a train to Liverpool. 何時発の電車というように特定の電車を思い浮かべながら言っている。
I went to Liverpool by train. go by trainと動詞の一部になっているので無冠詞。 交通手段としての電車を言っており、上記のthe trainと言う場合とほぼ同じ意。
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