すみれのイラスト

花談(緑花試験・傾向と対策)

このコーナーは公園緑地管理財団のホームページに設けられた「咲いと」の「おしゃべり広場」に投稿されたhiro99さんの花談(緑花試験・傾向と対策)をhiro99さんのご好意により転載させていただいたものです。hiro99様大変ありがとうございます。このページに対してのご意見ご感想はメールを当緑花会事務局まつもとまでお寄せくださいにお寄せ下さい。責任をもって事務局がhiro99さんに転送いたします。回答はページの下部にあります。


花談(緑花試験・傾向と対策1)

この「咲いと」の皆さんからの情報で、今まで知らなかったことが色々解り、大変参考になっています。有り難うございます。来年の受験に向けて少しずつでも知識を増やしていきたいと思い、復習もチョッピリ始めつつあるのですが、第4回までの試験において気が付いた点がありますので参考迄に投稿します。
第1回の問53「浅黄」の問題覚えていますか?
さだまさしの「精霊流し」でよく聞いたり、この漢字のイメージ、更に「萌葱」とも重なって、私は何の疑いもなくアサツキの芽生えの時の「薄い緑黄色」と思いこんでいました。それで山梔子に○。試験後、解説を読んで唖然,「水色」なんて!思っても見なかった!!!(ショックと同時に、はずかし〜;私事ですいません)
で、その解説ですが、藍染めの色の薄い順から
  瓶のぞき,浅黄,はなだ,花色,納戸色 とありました…
そして、第3回の問51の問題…答えは「瓶のぞき」
つまり、以前に出た問題で解説された内容は要注意なのです(今年のケヤキの散布の問題は、第3回の問68「ナンキンハゼ」で解説されています。又、第3回の問54「ツユクサ」は第1回の問11で解説されています。これら以外にもたくさんあります)。
そのような訳で、想定問題まで考えてみました。

問:食用とされる春の七草とは対照的に、秋の七草は観賞に主眼がおかれています。その中に、茶席に飾るのには好ましくない「禁花」とされているものがあります。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい(回答:第2回、問24解説)。
    1.ハギ
    2.ナデシコ
    3.オミナエシ
    4.フジバカマ
    5.キキョウ

それでは又…

花談(緑花試験・傾向と対策2)

植物と動物は、色々なところでお互いに関わり合って生きていますよね。そんな中で、蝶の種類や数は、どれだけ多く自然が残っているかそのバロメーターの一つでもあると思います。そして、蝶と植物は以下に示しますように、お互いの種の保存に関するところで密接に関係しています。
  ・蝶が吸蜜することにより、結果として受粉の手助けをする(虫媒花の場合)。
  ・植物が蝶の幼虫のえさ(食草)になる。

今までに出題された蝶の食草に関する問題は、次の通りです。
  第1回…出題無し
  第2回…エノキ(オオムラサキ:国蝶)
  第3回…カタバミ(ヤマトシジミ:都会でも生息)
      クレソン〔キアゲハ(食草はセリ科植物)の幼虫が食べない草〕
      コマクサ(ウスバキチョウ:天然記念物)
  第4回…カンアオイ(ギフチョウ:日本固有種)

そこで、第5回ですが、モンシロチョウ(キャベツ、ダイコン、アブラナ等)、モンキチョウ(ツメクサ)のような最もポピュラーな所から出題されるか、それとも特徴あるところからの出題か?今までの流れは特徴あるものばかりです。そこでこの路線で想定問題を考えてみました。

問:この植物の名称は花の形があるものに似ていることから付いたと言われています。日当たりのよい林縁によく生え、ジャコウアゲハの食草としても知られています。この植物には、アリストロキア酸という毒が含まれ、ジャコウアゲハの幼虫はこの毒を体内に取り込むことにより、鳥に捕食されることを防いでいます。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい(回答:数日後)。
  1.オオバミゾホオズキ
  2.アリストロメディア
  3.オオバウマノスズクサ
  4.トリカブト
  5.オオバギボウシ

(参考):日本には大変多くの蝶が生息していますが、ほんの一部とその食草を記しておきます。
ゴマダラチョウ(エノキ),アオスジアゲハ(クスノキ、ニッケイ、タブノキ),カラスアゲハ(コクサギ),ベニシジミ(スイバ、ギシギシ等タデ科),アカタテハ(イラクサ),キタテハ(カナムグラ)ヒメアカタテハ(ゴボウ、ヨモギ、ハハコグサ)

花談(緑花試験・傾向と対策3)

家紋
皆さんすいません。図が必要なものですからこちらに投稿させていただきました。
前回、マニアックとのことでイエローカード1枚貰ってしまいましたので、今回はぐっとポピュラーな家紋の問題です。
例によって、文様に関する過去の出題ですが、

第1回 問17  キク    文様(着物)
     問52  マツ    文様,家紋(松皮菱)
     問55  オリーブ  平和のシンボル(国連旗)
     問57  カタバミ  家紋
     問73  アサ    文様(着物、帯等の柄)

第2回 問52  チョウジ  家紋
     問60  マツ    装飾(鏡背、蒔絵:松喰鶴文)
     問62  リンドウ  家紋
     問63  バラ    建築デザイン(ステンドグラス)
     問76  ブドウ   文様(絵画・彫刻)

第3回 問24  バショウ  文様(着物)
     問55  カシワ   家紋(歌舞伎紋)

第4回 問24  ワラビ   文様(壁画)

1、2回に較べると、3,4回は出題数がかなり少なくなっています。果たして第5回は???

そこで、想定問題です。 問:図は(投稿写真の図)、ある植物を図案化した紋所です。この植物名を下記の中から選び、番号で答えて下さい。

家紋

1.チャ
2.ツバキ
3.タチバナ
4.サザンカ
5.カラタチ

花談(緑花試験・傾向と対策4)

今回は、音楽関連の問題を考えてみました。このジャンルは、今までにも非常に多く出題されており、その内容は以下の通りです。このジャンルは、知っている問題の時は、メロディーを口ずさみながら回答したくなりますね。でも今年の「カルメン」には参りました(私だけかも)。逆説的に考えれば、あの群の中で浮いていた「アカシア」を選んでおけば…マ、知識の無いのがいけないか。

第1回 問21 サザンカ  たき火  童謡 「サザンカ、サザンカ咲いた道・・・」
    問58 クワ  赤トンボ 愛唱歌 「山の畑のクワの実を・・・」
    問59 ボダイジュ 冬の旅 シューベルト 「泉に沿いて茂る菩提樹…」
    問60 ハゼノキ 小さい秋みつけた 愛唱歌 「・・・ぼやけたとさかにハゼの葉一つ・・・」

  第2回 問55 アシ 早春賦 唱歌 「氷解けさり葦は角ぐむ・・・」
    問56 ハギ 証城寺の狸囃子 童謡 「証、証、証城寺、証城寺のハギは・・・」
    問57 プラタナス 風 フォークソング 「プラタナスの枯葉舞う冬の道で・・・」
    問80 コーヒーノキ コーヒーカンタータ バッハ

第3回 問22 ツバキ 椿姫 オペラ ヴェルディ
    問62 オレンジ ミニョン オペラ アンブロワーズ・トーマ

第4回 問15 モモ 春よ来い 童謡 「・・・お家の前の桃の木の・・・」
    問18 エーデルワイス エーデルワイス ミュージカル
    問21 ミズバショウ 夏の思い出 ラジオ歌謡 「・・・水芭蕉の花が咲いている・・・」
    問60 アカシア カルメン オペラ ビゼー
    問62 ポプリ (メドレー)
    問62 ヤナギ 東京行進曲 歌謡曲 「昔恋しい銀座の柳・・・」
そこで問題です

問題その1:「ただいちめんに たちこめた 牧場の朝の 霧の海」という歌詞で歌われる「牧場の朝」では、この後、ある樹の並木の様子が歌われています。又、この樹は綿毛で種子を散布し、ヨーロッパにおいては雪のように舞うこの綿毛が、春の風物詩ともなっています。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。
  1.プラタナス
  2.イチョウ
  3.マキ
  4.ポプラ
  5.ケヤキ

問題その2:「庭の千草も 虫の音も 枯れて淋しく なりにけり ああ白菊 ああ白菊 ひとり遅れて 咲きにけり」という歌詞で歌われる「庭の千草」は、元はアイルランド民謡です。トーマスムーアの詩によるこの歌は、戦いで友を亡くし、ひとりになった自分を「ある花」に重ねて歌った曲とも言われています。この「ある花」を下記の中から選び番号で答えて下さい。
  1.ポピー
  2.マーガレット
  3.クローバー
  4.バラ
  5.カーネーション

問題その3:唱歌「夏は来ぬ」は「卯の花の 匂う垣根に…」という歌いだしで歌われますが、この「卯の花」にあたる植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。
  1.ヒメシャラ
  2.ジンチョウゲ
  3.サルスベリ
  4.ウツギ
  5.キョウチクトウ

すいません。オペラからの出題はわたしには出来ませんでした。

花談(緑花試験・傾向と対策5)

今度は、文学に挑戦してみたいと思います。このジャンルも音楽のジャンル同様、かなりの出題数があります。内容も俳句、和歌、短歌、詩、小説、外国文学等多岐に渡っています。それでは例によって過去の問題の傾向からですが、以下の通りです(年内はこれで最後にします)。

第1回
問23 アサガオ 俳句 千代女 「朝顔に つるべとられて もらひ水」
問24 モモ 古事記 モモ:オホカズミノミコト
問39 カラタチ 詩 北原白秋 「からたちの花が咲いたよ・・・」
問61 リンゴ はつ恋 島崎藤村 「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき・・・」
問62 ライラック 復活 トルストイ 
問63 シラカバ 文学雑誌の題名 白樺派:武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎など
問78 フジ 短歌 正岡子規 「瓶にさす 藤の花ぶさ 短ければ 畳の上に とどかざりけり」

第2回
問19 ヤマブキ 古歌:後拾遺集 「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに 無きぞ悲しき (太田道灌の逸話)
問20 ナノハナ 俳句 与謝蕪村 「菜の花や 月は東に 日は西に」
問21 ガマ 古事記 因幡のシロウサギ
問22 ヒナゲシ 虞美人草 夏目漱石
問38 チガヤ 万葉集(あさぢ;浅茅, つばな;茅花)
問58 ナンバンギセル 万葉集 「道の辺の 尾花が下の 思い草 いまさらさらに 何をか思はん」
問59 カキツバタ 伊勢物語 在原業平 折句「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ」
問75 イチョウ 西東詩集 ゲーテ 「・・・一枚の葉が裂かれて二枚になったのでしょうか、二枚の葉が相手を見つけて一枚になったのでしょうか」
問77 ナシ 後撰和歌集 撰者:清原元輔ら5人→梨壺の五人
問79 サンザシ 失われた時を求めて プルースト 「・・・紅白のこの花がうなりをあげながら匂っていた」

第3回
問25 (ユウガオはウリ科の)ヒョウタン 源氏物語 紫式部 夕顔の巻
問57 キク 舞踏会 芥川龍之介
問61 ヒオウギ 和歌 枕詞:ぬばたまの(黒、夜、髪、夢、月などにかかる)

第4回
問12 タイム 真夏の夜の夢 シェークスピア 妖精の女王タイターニアの寝所
問17 シラカバ 文芸雑誌名 同人:武者小路実篤 志賀直哉 有島武郎ら
問64 ウメ・サクラ・マツ 謡曲拾葉抄 「梅は飛び 桜は枯るる 世の中に 松ばかりこそ つれなかりけれ」
問65 テイカカズラ 謡曲:「定家」 テイカカズラ伝説

それでは問題です。

問題その1
この花は、秋の七草の一つです。藤原定家により、小倉山 峰たちならし 鳴く鹿の 経にけむ秋を 知る人ぞなしとよまれたことでも知られています。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.キキョウ
2.オミナエシ
3.オバナ
4.フジバカマ
5.ナデシコ

問題その2
樋口一葉の「たけくらべ」のラストシーンで、この花の作り花が、遊女を姉に持った「美登里」と、僧侶になる定めの龍華寺の「信如」の、思春期の淡い恋の終わり、大人への旅立ちの象徴として登場します。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.キク
2.スイセン
3.ハス
4.アヤメ
5.バラ

問題その3
この樹は ・マツ科の落葉樹です。
     ・葉は針状です。
     ・秋の黄葉はカロチノイドが他の成分より相対的に増加して起こります。
     ・北原白秋の詩で、
【  】の林を過ぎて 【  】をしみじみと見き
【  】はさびしかりけり たびゆくはさびしかりけり
と詠まれています。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.ラクウショウ
2.カラマツ
3.ブナ
4.メタセコイア
5.シラカバ

問題その4
季節感のあるこの花は群生すると実に見事です。北前船で巨万の富を築いた高田屋嘉兵衛の生涯を描いた司馬遼太郎の小説【  】の沖は、嘉兵衛の故郷淡路島にこの植物が大量に作付けされ、その先に広がる瀬戸内の海を題名にしたものです。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.スイセン
2.レンゲソウ
3.ススキ
4.ナノハナ
5.ミカン

問題その5
この植物は一科一属一種という特異な種類の針葉樹で、福島県を北限に本州、四国、九州と、隔離して広く分布しています。木曽五木に数えられるこの樹はまた、寂蓮法師により、
村雨の 露もまだ干ぬ 【  】の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ (新古今集)と詠われています。
この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.モミ
2.ツゲ
3.ヒバ(アスナロ)
4.マキ
5.マツ

問題その6
この植物は、食用としてなじみ深いものです。この植物の葉は、水を良くはじき、露や雨水はこの葉の上で丸い水玉となって光り、宝石のように見えることから、僧正遍昭により、
【  】葉の 濁りにしまぬ 心もて 何かは露を 玉とあざむく (古今集)
と詠まれています。この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.フキ
2.ズイキ(サトイモ)
3.ヒシ
4.ハス
5.クワイ

一週間ほど家を空けますので、回答はその後に。

花談(緑花試験・傾向と対策6)

今回は受粉あるいはそれに関連する問題に焦点を当ててみたいと思います。植物の受粉には、風(風媒花)、昆虫(虫媒花)、とり(鳥媒花)等があります。そして、例えば昆虫でも特定の物のみにより受粉されるものもあります。過去に出題された受粉に関する問題は以下のとおりです。
第1回 問1 ヤツデ ハエやアブによる受粉(虫媒花)
    問29 トウモロコシ 毛の意味(風媒花)
第2回 問29 スミレ 閉鎖花(自家受粉) 
    問41 ツバキ 花粉の運搬 (鳥媒花)
    問68 ツリフネソウ マルハナバチによる受粉 (虫媒花)
第3回 問34 キキョウ 受粉時の特殊機能 (開花後しばらくすると柱頭の先端が割れる)
    問70 イチョウ 精子による受粉
第4回 問4 ヒイラギナンテン 受粉時の特殊機能(雄しべにふれると動く性質)
    問30 ヒガンバナ 花が咲いても実が出来ない(3倍体)

問題その1
この植物は夕方から夜にかけて花を開き、主に蛾によって受粉を行う虫媒花です。日本においてはその交配の手助けを行う蛾がいないために受粉が行われず、実を見ることができません。
この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.オシロイバナ
2.ツキミソウ
3.キョウチクトウ
4.ユッカ
5.クサギ

問題その2
マダガスカル島原産のこのランは、チャールス・ダーウィンがその受粉に関して研究し、その交配を手助けする蛾が必ずいるはずであると予言したことで知られています。この予言からかなり経年後Xanthopan morganipreadicataという蛾が発見されています。
この植物名を下記の中から選び番号で答えて下さい。

1.スタンホペア
2.パフィオペディラム
3.カタセタム
4.アングレカム
5.オフリス

回答は数日後に

花談(緑花試験・傾向と対策7)

私事で恐縮なのですが,風邪をこじらせ点滴をする始末。病気になると(たかが風邪なのですが)気力もうせ,考え方もマイナーに・・・これではいけないと思いつつも何をするのも億劫でこの“咲いと”も暫くご無沙汰していました。今回の風邪はたちが悪く,薬を飲みつづけているのですが,未だ,本調子に戻れません。この「薬」なのですが,実は植物とは切っても切れない深い関係があり,おそらく植物を「薬」として使用することは人類の歴史とともに始まったといっても過言ではないかと思います。それでも,植物の特徴,薬効あるいは製剤等によってある程度系統立てて使用されるようになったのはローマ時代、ガレヌスによってといわれています。
植物の草根木皮を主体に動物の体の一部、鉱物等をそのまま疾病の治療に用いた時代が19世紀まで続くのですが,19世紀の後半に「柳」からサリチル酸が単離され,さらにその誘導体であるアスピリン(アセチルサリチル酸)が合成され、これを機に、急激な科学の進歩とも相俟って目覚しい近代薬学の発展へと繋がって来ました。そこで今回は薬(または毒)に関する問題を取り上げてみたいと思います。
すべての植物に何らかの薬理作用があるといっても良いのですが,実は,意外なことに薬(または毒)に関する出題はそれ程多くないのが事実です。過去における薬(または毒)に関する出題は以下のとおりです。

第1回
 問10 ドクダミ 薬草
 問16 ラベンダー 鎮静効果
 問19 ヨモギ お灸(モグサ)
 問46 ゴマ 抗酸化性ほか生理活性機能
 問47 ウイキョウ 漢方薬
 問48 カリン せきどめ
 問49 サフラン 高価な薬
 問51 ホップ 芳香苦味剤 (花:沈静・催眠作用)

第2回
 問35 アセビ 毒
 問50 ジギタリス 強心・利尿薬

第3回
 問5 クスノキ 医薬品の原料
 問13 カモミール 消化促進・鎮静効果
 問36 ユキノシタ 民間薬(やけどや凍傷)
 問53 ボケ 疲労回復(薬酒)
 問76 コモンジュニパー 利尿、健胃、保腎

第4回 問54 レモンバーム 頭痛、疲労(ハーブティー)

問題その1
この植物は中国名を「淫羊かく」といい4〜5月に淡紅紫色または白色の花をつけます。地上部全草を強壮強精薬として用い,いわゆるドリンク剤の生薬由来薬効成分としてよく配合されます。また、この属は葉が主葉脈に対して左右非対称であることでも知られています。この植物名を下記の中から選び番号で答えてください。

1. タツタソウ
2. イカリソウ
3. シュウカイドウ
4. ナルコユリ
5. ツルドクダミ

問題その2
写真の植物はナス科で夏〜秋に赤い実をつけ,この実は滋養強壮薬として用いられます。また、この植物の根の皮を剥いで乾燥させたものをジコッピ(地骨皮)といい、体の内の熱を覚まし、咳、痰を取るとされ,漢方薬では「滋陰至宝湯」の一成分として配合し、慢性の咳、痰に用います。この植物名を下記の中から選び番号で答えてください。

ナス科の植物

1. トウガラシ
2. ワルナスビ
3. ヒヨドリジョウゴ
4. ジャガイモ
5. クコ

問題その3
ナス科のこの植物は山菜取りでフキノトウとよく間違われて誤食され、中毒例が報告されたりします。この植物のアルカロイド成分「アトロピン」は、瞳孔を拡大させる作用があり,ヨーロッパにおける類似植物「ベラドンナ」は、女性がこの植物の汁を点眼して目を美しく見せる化粧用に用いたことからつけられた名前(イタリア語:ベラ=美しい,ドンナ=淑女)とされています。この植物名を下記の中から選び番号で答えてください。

1. ハシリドコロ
2. フクジュソウ
3. ドクウツギ
4. ドクゼリ
5. トリカブト

問題その4
オトギリソウの名前は、隣人が預かっていた大切な鷹が病気になり、困っているのを知った男が、兄が秘伝薬としていた鷹の特効薬を隣人に渡してしまったことから、怒った兄が弟を切り殺し、血の飛沫が葉につき黒点となったという伝説に由来します。全草を日乾しし、乾燥させたものを「小連翹」といい止血、鎮痛等に用います。この類似植物に西洋オトギリソウがありますが,近年健康食品として用いられている西洋オトギリソウの英名を下記の中から選び番号で答えてください。

1. ピクノジェノール
2. アガリスク
3. マカ
4. エキナセア
5. セントジョーンズワート

回答は数日後に

花談(緑花試験・傾向と対策8)

前回の出題の時、山咲様からの情報で,ハーブのインストラクター資格なるものがあることを知りました。実は私,ハーブと料理関係は(も、と言ったほうが正しい日本語)とても苦手,第4回緑・花試験の問54、レモンの香りのハーブの時も知識のない悲しさ,レモンタイムとレモンバームまでは絞り込めたのですが,いくら考えてもその先は、知っているか知らないかの世界、タイムアップ寸前にエイヤッとタイムを選択、見事におお外れ、ガックリでした。前回,山咲様からハーブ関連がもっと多く出題されたら良いのにとのコメントを頂きましたが,調べてみると,ハーブ、香辛料、料理に関係する出題がとても多いのに驚かされました。調べた結果は以下の通りです。
そこで、インストラクターの方を差し置いて何なんですが、この分野に挑戦してみたいと思います(この分野は女性の方のほうが有利?なんでしょうね・・・ン、差別発言か?)。

第1回
問16  ラベンダー  香油、シソ科
問43  バニラ  果実
問46  ゴマ  利休煮、利休焼
問47  ウイキョウ  ハーブ、香辛料
問49  イチョウ(ギンナン)  茶碗蒸
問50  サフラン  香辛料、染料
問51  ホップ  ビールの芳香苦味剤

第2回
問14  コショウ  スパイス
問47  ミント  香料(はみがき、チューインガム、紅茶)
問50  ウコン  スパイス(カレー粉)

第3回
問12  ニラ  おひたし、炒め物、卵とじ、ぎょうざ、汁の実
問13  カモミール  消化促進
問16  クチナシ  栗の甘露煮、たくあんの着色
問17  ニガウリ  沖縄ゴーヤー
問46  バジル  イタリア料理、シソ科
問48  ヤナギタデ  さしみのつま、薬味、調味酢(タデ酢)
問75  オクラ  ガンポスープ
問76  コモンジュニパー  スパイス
問78  ローズマリー  肉料理

第4回
問13  サフラン  パエーリャ、ブイヤベース
問49  スギナ(ツクシ)  食べられるシダ類
問51  ワサビ  薬味
問53  イネ  道明寺粉、みじんこ、かんばいこ
問54  レモンバーム  ハーブティー
問57  ミョウガ  落語(物忘れ)
問71  ジュンサイ  酢の物、汁の実
問77  ケイパー  ピクルス

それでは問題です。

問題その1
次の植物は,何れもレモンの香りを持つハーブですが,これらの中に単子葉植物が1つだけあります。その植物名を下記の中から選び番号で答えてください。

1.レモンタイム
2.レモンゼラニウム
3.レモンバーベナ
4.レモングラス
5.レモンサントリナ

問題その2
料理にスパイスは不可欠なものですが,良く使用されるスパイスの1つにオールスパイスがあります。
次の文章の中にオールスパイスの説明として間違った記述が1つあります。その記述を下記の中から選び番号で答えてください。

1.このスパイスは肉料理、シチュー、スープ、ソース、ピクルス、マリネなどに使用されます。
2.このスパイスは16世紀後半、あるスペイン人によってメキシコからヨーロッパにもたらされました。
3.このスパイスは北欧諸国では,ニシンの酢漬けを作るときに良く使われます。
4.このスパイスはどのような料理にも使用できるようにナツメグ、クローブおよびシナモンの3種のスパイスを調合したものです。
5.このスパイスはケーキやクッキーなどの焼き菓子にも使用されます。

問題その3
次の植物は何れも良く料理に使用されます。
フェンネル,ローズマリー,チャイブ,ターメリック,コリアンダー
これらの植物の中に同じ科に属するものが2種類あります。その科名を下記の中から選び番号で答えてください。

1.ユリ科
2.ショウガ科
3.フトモモ科
4.セリ科
5.シソ科

問題その4(ハーブ、香辛料ではなく食材です)
東北、秋田県の特産物「トンブリ」は、その食感の類似性から「陸のキャビア」とも呼ばれています。
これはある植物の種子なのですが,その植物名を下記の中から選び番号で答えてください。

1.アワ
2.キビ
3.ホウキグサ
4.ケシ
5.ヒエ

回答 1

そう、こたえは「オミナエシ」でした。
第2回問24解説を以下にそのまま載せます。

「ジンチョウゲはジンチョウゲ科の常緑樹です。花は早春に枝端に頭状につき、強い香があります。室町時代に中国から渡来したといわれています。
和名のジンチョウゲ(沈丁花)は、花の香りがジンコウ(沈香)とチョウジ(丁字)に似ていることからついたとされています。
茶席の禁花については問題文にもあるように、時代や個人の好みなどによって異なります。禁花として扱われる理由としては、女郎花、河骨がその文字から、また、沈丁花は強い香り、鶏頭は花の形からということがあるようです。」

解説は読んでいてかなり面白いし、その中から次の問題が出ることも多いので、しっかり目を通しておくべきですね。私は、今まで斜めに目を通しただけで済ませていたものですからうろ覚え、今にして思えば、過去の問題とても残念です。反省してます。

回答 2

回答はオオバウマノスズクサです。

回答 3

回答は「チャ」です。なおさんさまの返信にありましたとおり、タチバナと混同しやすいデザインですね。
なおさんさまの家紋は、抱き茗荷だそうですが、これも、杏葉と混同しがちなので、この二つは注意が必要ですね。
たくさんも、丁字を大根にしたのですか、私も自信を持って大根にしました。つぶらさんもそうのようなので、「大根クラブ」なんての作りたいですね。
つぶらさん、翌年は「一夜漬け」したのですか?それでは柏は問題なく正解?
私も学生の頃、いつも「一夜漬け」、癖はいくつになっても直りません。
やまみちさま、図の挿入は、たくさんの投稿のように、どちらでも可能と思われます。今回、私は、デジカメの接写でとって、あとは写真の投稿と同じに処理しました。

回答 4

家紋ですが、自分自身のルーツを尋ねたりする時には、役に立つのでしょうね。うちは「源氏車」、着物に付いていたり、墓石に刻んであったな程度の知識しかありません。以下のURLを参考にしてみて下さい。
      http://www.harimaya.com/o_kamon1/yurai/a_yurai/yurai.html
その1は、その通り、「ポプラ」です。札幌、北大の並木の綿毛が飛ぶのはいつ頃なのでしょうか? 見てみたいです。
その2は、つぶらさんの言うように原題にあたれば確かに解ります。「The Last Rose of Summer」です。
その3は、ピンポーンです。私も梅花卯木は大好きです。
ところで、「卯の花の匂う垣根に」は変だとは思いませんか?この卯木の花はほとんど香りがないですよね。作詞は佐々木信綱ですが、匂わないことを、知らなかったとは思えません。満開の状態を表す言葉として、“匂うが如く咲き誇る垣根に”の短縮した表現と勝手に解釈しています。
蛇足ですが、「千草」は、「故郷を離るる歌」でも使われていますが、そうゆう草が有るわけではないのですよね。

回答 5

ゆうかさま、つぶらさま、ぴりうささま、なおさんさま、やまみちさま、野の花見隊さま読んでいただいて有難うございます。これからもよろしくお願いいたします。
それでは回答編ですが、以下のとおりです。

問題その1 解答:オミナエシ
この問題、はじめに訂正とお詫びをいたします。作者は、なおさんさまからご指摘いただきましたとおり、定家ではなく貫之です。
ゆうかさま、ぴりうささま、やまみちさま、野の花見隊さま、第1問はつぶらさまが気づかれた「折句」の問題です。今回の問題の前段、過去の問題の傾向で示しました第2回・問59で出題された カキツバタと同じつくりです。そして、その解説に載っていた歌からの出題です。このことに気が付けばすでに回答がそこに!!!


オぐらやま
ミねたちならし
ナくしかの
ヘにけむあきを
シるひとぞなし

まるでスパイが使う暗号文みたいですね。回答に挙げた植物名はすべて秋の七草ですので、ヒントになっていません。今までの傾向では、この問題のような文学関連の事柄単独で出題されたことはほとんどなく、写真やその植物の特徴とともに出題されています(今回の例ですと、秋の七草から3つ、春の七草から2つ、そしてさらに花の色とか科名とかを組み合わせて特定できるようなつくりとする等です)。
花や植物に詳しい皆さんですので、そちらですでに回答できてしまい、「折句」の部分は頭に残っていなかったのかも知れませんね。

問題その2 解答:スイセン
樋口一葉の「たけくらべ」は、今までに何度も映画化されているのではないでしょうか?
つぶらさんからヒントをいただいた漫画「ガラスの仮面」というのは知りませんでした。
やまみちさまは本まで読まれたそうで恐れ入ります。
私、高校生のときにこれよんで、おきゃんな美登利に非常に惹かれたことを覚えています(私事ですいません)。
「僧侶になる定めの龍華寺」と「作り花」で「ハス」を連想するかもしれないと思い、これを入れておきました。また、日本的な花の中に1つだけバラを入れると惑わされるかなと。
(意地が悪くてすいません)

問題その3 解答:カラマツ
白秋のこの詩は余りにも有名ですよね。
カラマツの語源なのですが、私は、自分なりの勝手な思い込みで「枯れ松」からの転換(葉が、黄葉の後、落葉して枯れたように見えるから)かと思っていました。
蛇足:新葉の形が唐絵の松に似ているところから、植木屋さんが「唐松」と呼び始めたのが語源(インターネット)なのですって。危ない危ない、「浅黄」と同じ間違いするところだった。

問題その4 解答:ナノハナ
司馬遼太郎が大好きでこの問題にして見ました。これは長編小説なので、ちょこっと読むのは大変かもしれません。実際出題されるとしたら、「季節感〜見事です」の後に「また、この花は、モンシロチョウの食草の1つです」あるいはなおさんさまからヒント頂いております「蕾のおひたしも季節感のある食べ物となっています」といったような特定できる情報が入るかもしれませんね。季節感ですと、確かに蓮華草もよいものですね。でも、ナノハナはもっと生活に直接密着していて、菜の花から菜種油をとり、これを淡路島の特産品として出荷していたようです。この時代、菜種油は食用としてより、明かり(燈火)の原料として重要だったのですね(燈芯:やまぶきの芯の話もしたいのですが、長くなるのでやめます)。

問題その5 回答:マキ
木曽五木とは、ヒノキ、サワラ、ネズコ(クロベ)、アスヒ(アスナロ)およびコウヤマキのことで、第3回問23で出題されています。モミおよびマツはマツ科、ツゲはツゲ科、ヒバはヒノキ科で、それぞれ属または種が複数あります。5択のなかで、一科一属一種はマキだけです。つぶらさまからヒント頂いておりますように、百人一首のいわゆる決り字1字(む・す・め・ふ・さ・ほ・せ)のひとつ、最初の一音「む」で札を取ることができる歌ですね。いずれにしても百人一首は押さえておかなければならないと思っています。

問題その6 解答:ハス(句では「ハチス」と詠まれています)
この問題の中で、その葉がころころと水をはじくのはサトイモとハスの葉です。実際出題されるとしたら、「地下茎を食用とします」等の特徴を盛り込んで絞り込める形にするのでしょうね。雨上がり等に、観察すると、葉全体が濡れるものと、このサトイモやハスの葉のようにはじくものがあります。これは、葉の表面の性質で決まります。ハスの葉には、非常に細かい毛がびっしり生えていて、その間に空気を抱き込み、水に濡れにくくなっています。これと、水自身がもともと持っている性質:表面張力(表面積を最小にしようとする力:同じ体積で最小となるのは球)により水をはじくのです。話は変わりますがアメンボは、足の裏がこのハスの葉と同じ構造になっていて水に浮くのですね。虫の靴屋さんがいて、昆虫たちにサトイモやハスの葉で小さな小さな靴を作ってはかせたら、みんな水の上をスーイスイと滑って遊ぶかもしれませんね。童話が作れるかもしれないな〜。

回答 6

回答:その1はユッカ、その2はアングレカムです。

今回は受粉の問題を取り上げたのですが、なおさんさま、やまみちさまから投稿のありましたコウモリ等の動物が媒体となるものもありますね。

(ちょっと脱線)
メキシコのお酒“テキーラ”はリュウゼツランから作られますが、この植物の英名は“Century flower”、つまり開花に100年かかる(実際は30〜40年)ことからつけられた名前のようです。開花にあたっては、10m近い花茎を伸ばし数千の花を次々と開くそうです。そして、この花の受粉は、花粉と蜜を求めて飛来する“オオコウモリ”によって成されるのですね。

さらに、なおさんさまからは、消去法のテクニックも投稿いただきました。私も緑花試験の過去の問題でこの手法で絞り込んだものがかなりありました。今回の問題その1では、オシロイバナ、ツキミソウおよびクサギは結実することを知っている方も多いと思います。

(またまた脱線)
オシロイバナ、ツキミソウおよびクサギは夕〜夜開花します。日本における夜咲く花の受粉は、すずめ蛾の仲間によって成されることが多いようです。このすずめ蛾の仲間のオオスカシバ(ぴりうささんのおられる北海道にはいないと思われます)は、夏、昼でも活動し、昼に咲く花の前でホバリングして吸蜜する姿を、我が家でも良く見かけます。第2回問41の解説を見ますと、サルビヤ、クリスマスカクタス、フクシアおよびアロエは本来鳥媒花だそうで、これらの花から吸蜜する「ハチドリ」のホバリングもこんな風かな?と想像し、楽しんでいます。

ここまでくると、残るはキョウチクトウとユッカだけ、うち、キョウチクトウは昼に開花しますのでここでネグれますね。

(もう一度脱線)
このキョウチクトウも花粉を媒体する虫が日本にはいないので実を結ばないといわれています。しかしながら、我が家には鉢植えのものがあるのですが、鞘状の実をつけたことがあります。また、街路樹でも同じ実を見たことがありますので、キョウチクトウの戦略にはまった(甘い蜜の香りに誘惑された)代用昆虫が出てきたのかもしれませんね。(実践学はテストにあっては無用のもの?、ここでは「媒体となる虫が日本にはいないので実を結ばない」としておきましょう。

さて、問題に取り上げたユッカですが、子供のころ家の近くに生えていて、葉の先が針のようにとがっているので、ナイフ等で切り取り、サザンカ等の葉をプロペラ状にちぎってこの針(からたちの刺も用いました)に刺し、風車としてよく遊びました。リュウゼツラン科ユッカ属で、ぴりうささんの投稿にありました「青年の木」の名で近年インテリアグリーンとして出回っているようです。比較的大きな白い花を下向きにつけ、受粉は問題にあります蛾(やまみちさまの投稿にありました、ユッカ蛾とも呼ばれています)によってのみ成されますので、この蛾の生息しない日本では結実しません。

次に、その2の問題ですが、これはダーウィンの逸話が頭の片隅に残っていて、それを問題にしたものです。蘭のことは(“は”ではなく“も”といったほうが適切なのですが・・・)詳しくありませんので、解説できるだけの自信がありません。(なんと大胆で図々しい事か!とお叱りを受けそうですね。自分自身に覚えこませるということも含めやっておりますのでお許しください)。タンタンさんの投稿にありますように、この花は、30cmにもおよぶ長い「距」を持ち、その長さに見合った吸蜜管を持った蛾がいるはずと予言したのですね。

(大きく脱線)
インターネットで調べると、私のまったく知らない大変面白い事象に数々出会うことができました。その内の1つ、熱帯地方に多い着生蘭の種子を紹介してみたいと思います。これは世界最小の種子で、果実の重さ1g当たり10億個に達するそうです。したがって、この1粒の重量は一度空中に舞うと永久に漂うことのできるものなのだそうです。これだけ小さくなる為に、蘭は、種の大部分を占める胚乳を持たない戦略を取ったようです。従って以前つぶらさまからお教えいただいた発芽エネルギーとして蘭菌の作る栄養分が必要なのですね。

蘭のことも余り知りませんので、いろいろ教えてください。とくに名称はとても覚えきれません。何か良い方法があるのでしょうか?

(これが最後です)
ぴりうささんの投稿にありましたベンジャミンですが、イチジクの仲間とは知りませんでした。また1つ知識が増えました。有難うございます。イチジクは花をつけずに実がなるように見えることから「無花果」。でも、実は虫媒花で先端の小さな穴からコバチが入り、受粉が行われるのですね。果実と見られる内部に花をつけることから「隠頭花序」、ベンジャミンも隠頭花序だとしたら、媒体となる虫は日本にはいない?のでタネは出来ないのかもしれませんね。
今回の話に全くリンクしていると思いますよ。

話が大変長くなってしまってすいませんでした。ここまでお付き合いいただいた方、有難うございました。

回答 7

回答:その1はイカリソウ、その2はクコ、その3はハシリドコロ、その4はセントジョーンズワートです。

その1のイカリソウはメギ科の双子葉植物離弁花類の多年草で,普通に見られる種類はピンクの花をつけます。バイカイカリソウは全体に小型で白花をつけます。「淫羊かく」は、ぴりうささんからすごい名前と指摘がありましたが,その名の由来は発情期にこの葉を食べた羊が精力絶倫になったというところからきています。茎葉は2〜3回三出するところから、なおさんさまから別名の紹介がありました「三枝九葉草」とも呼ばれます。葉は主葉脈に対して非対称です。5択の中で、ベコニアの仲間シュウカイドウも葉は主葉脈に対して非対称(ベコニア属の特徴の1つ)ですが、花をつけるのは、その名の通り秋です。他のものは全て対称の葉ですので,ここで回答に行き着けます。
タツタソウもメギ科の多年草で淡い紫の花をつけ,春の草花の中の「名花」とされます。日露戦争当時,軍艦「竜田」の乗組員がロシアから持ち帰ったところからこの名があります。 ナルコユリはユリ科の多年草で、生薬名を「オウセイ」といい、やはり滋養強壮薬として用いられます。
ツルドクダミはタデ科の多年草で,生薬名を「カシュウ」といい(花の便り・イベント情報で、アモリエさまの投稿で話題になっていました)、これもやはり滋養強壮薬として用いられます。

その2の花はクコです。ナス科の花はどれも良く似てますね。クコは双子葉植物合弁花類の落葉低木で、滋養強壮薬としてよく知られています。現在でも果実で枸杞酒を作る人は多いようです。
脱線:枸杞酒の作り方
完熟した果実150〜200gにグラニュー糖150gを加え、ホワイトリカー(焼酎)1.8リットルに漬け込みます。約3ヶ月ほど冷暗所に保存し,熟成させると赤く美しい枸杞酒の出来上がりです。1日盃に1〜2杯で疲労回復の妙薬に!
5択は何れもナス科ですが,赤い実をつけるのは他にトウガラシおよびヒヨドリジョウゴです。トウガラシは生薬名を「蕃椒」といいその辛味成分「カプサイシン」は、近年脂肪燃焼作用が注目されています。強壮薬としては用いられません。ヒヨドリジョウゴの実はとても美しいのですが,有毒。強壮薬なんてとんでもないです。ワルナスビの実は黄色で,これも有毒です。ジャガイモの実は私も見たことがないのですが,トマトに似た少し小さな実を付けるようです。実の緑色が少し薄まり,少し黄みを帯びたものは、食べられなくはないそうです。

その3の5択の植物はすべて毒草です。ここでナス科はハシリドコロだけ。フクジュソウとトリカブトはキンポウゲ科、ドクウツギはドクウツギ科、ドクゼリはセリ科です。ハシリドコロは成長してしまえばフキノトウと全く異なりますので間違うことはありませんが,芽だし時の若芽はみずみずしくてどこかフキノトウに似ているので誤食が多い要注意植物です。これら毒草のうち,ハシリドコロはその根茎を生薬名で「ロートコン」と呼び,そのエキスが胃腸薬に配合されます。また,トリカブトは塊根を同じく「ブシ」と呼び,漢方薬に配合されます。ですから、生薬や漢方薬だからといって必ずしも副作用等にたいして安全性が高いというわけではないのですね。まさに毒にでも薬にでもなるわけですから,薬剤師の方によく相談して用法等を良く守り,使用する事が大切ですね。

その4のオトギリソウの伝説は何か血なまぐさくて良い感じがしませんね。実は,西洋オトギリソウもキリスト教の民話で、この花から出る赤い色は,洗礼者ヨハネが斬首されたときに流れ出た血の象徴と言われています。この西洋オトギリソウは、英名でセントジョーンズワートと呼ばれ,米国ではストレスの緩和(軽いうつ病)等にサプリメント(サンシャインハーブ)として発売されています。ドイツでは医薬品として医師により処方箋が出されています。
ピクノジェノールはフランス海岸松の樹皮、アガリスクはきのこの一種、マカはアブラナ科の植物、エキナセアはキク科の植物で5択の選択肢は何れも健康食品として日本でも販売されています。しかしながら,その使用に当たっては先にも述べましたが医薬品相当の作用を及ぼすこともありますので,薬剤師の方に相談する等の慎重さが必要ですね。

回答 8

回答遅くなってごめんなさい。 さすがに皆さん良くご存知ですね。作った本人がこんなことを言ってはいけないのですが、この問題が出たとすると,私は,問題その1とその4がかろうじて答えられる程度。問題その2とその3はお手上げ状態です。このように調べたことが頭に残るようにはじめたことなのですが,どうもハーブはだめです。1/10残ればよいほうでしょう,きっと。

それでは回答です。
問題その1は、4.のレモングラス。 問題その2の、間違った記述は、4.の3種のスパイスの調合したもの。 問題その3は、4.のセリ科。 問題その4は,3.のホウキグサです。

問題その1の「レモングラス」ですが、「グラス(grass)」のつく植物はこの他にパンパスグラス、ライグラス、ベントグラス等があります。どうやらススキやイネ状の葉を持ったものの英名が「グラス」らしいですね。grassを英和辞典(研究社:新英和辞典)で引くと「草」、「牧草」なのですが,植物関係の専門用語として「イネ科に属する草」となっています。イネ科は単子葉植物です。レモンタイムはシソ科、レモンゼラニウムはフウロソウ科、レモンバーベナはクマツズラ科、レモンサントリナはキク科ですから、何れも双子葉植物ですね。

問題その2の「オールスパイス」は、ジャマイカおよびメキシコ原産のフトモモ科の植物で,その実をスパイスとして用います。日本名は百味胡椒(知りませんでした。オールに百を当てるとは,なかなか味なネーミングですね)。これはナツメグ、クローブおよびシナモンの香りを併せ持つといわれ(これも知りませんでした),とくに肉料理には欠かせないハーブの一つと言われています。

問題その3に出題した植物の科名はフェンネル:セリ科、ローズマリー:シソ科、チャイブ:ユリ科、ターメリック:ショウガ科およびコリアンダー:セリ科です。(私事で恐縮なのですが,この中でさえチャイブとコリアンダーは良く知りませんでした。マロウ、ヒソップ、チャービル、フレンチタラゴン等々挙げたらきりがないハーブの種類の多さに、とてもとても名称、科名を覚えきれません。また,実際に生えているところを見たものはほんの数種です。・・・どうか覚える為の良い方法をアドバイスください。)

問題その4の「トンブリ」ですが、初めてこれを口にしたときは,何か得体が知れなくて恐る恐るの感がありました。ところが、ある植物の種子と言う説明を受けたとたん、現金なもので安心と同時に食感を楽しむ余裕が生まれました。このアカザ科のホウキグサの種は,加工された状態で最近はスーパー等で売っていることが多くなりましたね。

なおさんさま いつも有難うございます。ご指摘頂いた通り、自分で育てたり、料理をしたりしないと身につかないのでしょうね。

ぴりうささま ピンポーン、全問正解です。やはり良く観察されていますね。そして台所には香辛料が備わっている。実践は強いですよね。趣味の園芸は本の付録に種子が付くのですね。

f.-f.さま 食いしん坊は良いですよね。そこから広がる知識もありますから。特に植物と食の関係は人類の歴史と同じ期間経過し、民族・国それぞれの文化として定着していますよね。特に日本には季節を食べるといった情緒的な部分がありますので大事にしたいですね。

やまみちさま いつも参加いただき有難うございます。私もトンブリ好きなのですが,ただ醤油をたらして食べるだけなのですが,ほかにどのような(料理法というより)食べ方があるのでしょうか?すごく興味があります。

山咲さま ハーブのインストラクター資格をとられた実力、垣間見させていただきました。全問正解です。やはり、ご自分で育てておられると,関連していろいろな知識がどんどん身につくのでしょうね。またいろいろ教えてください。

カイさま 参加いただき有難うございます。私もわからない事だらけなのに、このような大それた事を始めて身のほど知らずなのですが,これからもよろしくお願いします。

今回の問題では,私も含めて「オールスパイス」に関する知識がやや不足といったところでしょうか。有難うございました



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