登山手帖

北アルプス 後立山連峰
昭和54年(1979年)7月28日(土)〜 8月1日(水)

後立山連峰の縦走路
五竜岳山頂から唐松岳・白馬岳


7月28日(土) 猿倉 ・・・ 白馬山荘

猿倉 7:45着 8:20発
白馬尻 9:17着 9:22発
白馬山荘 13:05着  

白馬駅から猿倉までバス。補助席まで使って定員どおり乗客を乗せて出発。途中一本道でバス6台、タクシー11台とすれ違った。猿倉着と同時に雨になる。弁当の朝食をとってから出発。

白馬尻から、大雪渓途中まで大雨。雷鳴も。冷雨で風も少し強く、非常に寒さを感じる。雪渓途中で2回足を滑らせる。石室近くにシュルンドが30cmほど登路を横切って口をあけていた。葱平付近の登路はまるで濁流の川そのもの。人が列をなす。

村営山頂宿舎は満員みたいに混雑していたので、白馬山荘に宿泊する。満員に近かったが、別に困ることはなかった。今日は1畳に3人寝る混雑だと小屋番の人が言ったが、かつて経験した混み具合ほどもなく安眠できた。

7月29日(日) 白馬山荘で沈

天候回復を待って、白馬山荘で連泊する。8時ごろから13時ごろまで山荘内はひっそりする。することなく暇。暖かい飲み物が欲しくなり、ホットレモンと甘酒を注文。

13時15分くらいから急に入荘する登山客が増え始め、昨日と同じ混雑になった。今日は1畳に2人だと言っていた。昨夜より楽に寝られるかと思っていたが、隣の2人連れがラジオでナイターを聴いていて、すぐには寝つけなかった。

7月30日(月) 白馬岳・・・ 唐松岳 ・・・ 五竜小屋サイト

白馬山荘 3:45起床 6:00発
白馬鑓 7:25着 7:50発
天狗山荘 8:17着 8:40発
天狗ノ頭 9:02着 9:10発
不帰キレット 10:15着 10:25発
不帰ピーク 10:40着 10:50発
不帰の途中 11:25着  
唐松岳   13:15発
五竜小屋サイト 15:33着  

目覚めてすぐ外に出てみる。昨日までのガスが晴れ、星が見える。朝食をとってすぐ山頂を目指す。4時47分過ぎ御来光。雲に隠れて南アルプスや富士山までの遠望は利かなかったが、北アルプスはほとんど見渡せた。

白馬岳山頂から御来光
白馬岳山頂から御来光

滝雲
滝雲が流れる

丸山を過ぎる頃、右足首に痛みを感じたので何かと思ってみると、靴の中に小石が入っていた。杓子はトラバースせず山頂を目指す。下りにコマクサの小群落があった。白馬鑓に到着。風が強く、ガスに巻かれてすぐ視界がなくなる。風が強いだけに、じっとしていると寒くてたまらない。天狗山荘で休んでいるうちに、ガスが晴れた。

天狗ノ頭
天狗ノ頭

天狗の大下りがなかなか大変な下りで、時間がかかる。不帰ノ劍には鎖や梯子が架かってよく整備されている。それでも悪天候の日の通過は危険箇所に違いない。

不帰ノ劍
不帰ノ劍

やっとの思いで唐松岳に到着。軽い昼食をとる。唐松から五竜までの稜線は起伏があり、思ったほど楽ではなかった。幕営。風が強くなる。ガスも出て視界がなくなる。

唐松岳
唐松岳

7月31日(火) 五竜小屋 ・・・ 五竜岳 ・・・ 八峰キレット ・・・ 鹿島槍ヶ岳 ・・・ 爺ヶ岳 ・・・ 種池小屋

五竜小屋サイト   6:55発
五竜岳 7:35着 7:57発
八峰キレット途中 9:25着 9:40発
キレット小屋 10:20着 10:35発
鹿島槍の鞍部 11:40着 12:21発
鹿島槍の北峰 12:26着 12:27発
鹿島槍の鞍部 12:35着 12:47発
鹿島槍の南峰 13:10着 13:20発
冷池山荘 14:10着 14:30発
爺ヶ岳南峰 15:30着 16:10発
種池山荘 17:10着  

快晴。御来光を白岳のピークで迎える。

白岳の御来光
御来光

五竜小屋の便所が面白い。しゃがんだ位置に大きな窓があり、正面に五竜岳が、遠くに毛勝三山が眺められる。薬剤が投入されているらしく、便所臭さも(うるさいハエも)ない。出発に手間取り、テントの撤収はほとんど最後になった。

鹿島槍ヶ岳
鹿島槍ヶ岳

五竜岳の三角点標石は地上に出ていた。五竜岳からキレット小屋までは、小さなピークの岩場を何度も登ったり降りたりするので時間がかかる。天気が良すぎて暑いくらい。キレット小屋で日よけ。ここから先は八峰キレット。不帰キレットと同じような岩場もあるが、鎖の他につかまるものが(ほとんど)ない。文字どおり鎖にすがりつきたくなるような難所。

五竜岳から鹿島槍ヶ岳までの稜線
鹿島槍ヶ岳から踏破して来た稜線を振り返る

鹿島槍の鞍部には大きな雪田がある。半分ほど水が残っているポリタンに雪を詰める。

鹿島槍ヶ岳(南峰)
鹿島槍ヶ岳(南峰)をバックにセルフタイマーで記念撮影

北峰に雷鳥がいた。南峰に着く頃には日焼けがひりひりするようになった。冷池山荘まで急ぎ足。爺ヶ岳までゆっくり登り返し、山頂でたっぷり休んでから種池へ。

爺ヶ岳に続く稜線
爺ヶ岳に続く稜線

サイト場は小屋から少し離れた棒小屋乗越にある。幕営するのはやめて、小屋泊まりにする。種池山荘は3階建て。3階の大広間は快適。あまり混んでいなかった。

8月1日(水) 種池 ・・・ 扇沢

種池山荘   6:00発
扇沢 7:01着 7:05発
扇沢バス停 7:15着  

予定は針ノ木までだったが、日程が延びたので、ここから下山する。

種池早暁の展望(八ヶ岳・富士山)
種池から八ヶ岳・富士山

山荘から扇沢まで2時間30分のコース。1番のバスに間に合わせるため、駆け下る。扇沢は朝早くから賑やかだった。

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