<ゴルフ事情について> ゴルフに関しては、ゴールド・コーストが圧倒的に優れている。ケアンズはコースの数も非常に少なく、グリーンフィーはやたらと高い。まともなコースは3箇所のみ、内一つは予約出来ずに、良いほうの2箇所を29日と5月1日に分けて回った。1箇所(Mirage CC)はケアンズから70kmも離れていて、車で約1時間も懸る場所にあるという不便さである。観光地というイメージが、ゴルフ場も沢山あるものと小生を錯覚させたが、ここは海が中心の観光地なのだと今になって納得させられた。
「Mirage CC」は、海の近くのマングローブの林を切り開いて造成したと思しきコースで、コース内の池には3m以上もある強暴な野生のワニが生息している(実際に18番ホール横の池の岸辺で寝そべっている姿を目にした)。コースの造りはゴールド・コーストと似通っているが、コースを分離している木々も大きく、フェアウェイはそれほど広くなく、距離は十分にある、という難しいコースである。グリーン廻りの寄せが良くて、スコアは39,43と纏まったがパーオンは容易ではない。雨季が明けたばかりとのことで、フェアウェイもグリーンも芝の状態は、あまり良くない。ゴールド・コーストのLake Landなどに比べたら、格段に悪いと言わざるを得ない。
「Paradise Palms CC」は、ホテルから約20分程度で、立地は非常に良い。コースレイトが76とのことで、大きなユーカリの樹でセパレイトされたフェアウェイはそれほど広くなく距離も十分、バンカーもボールの落ち所に配置されており、しかもアンジュレーションがあって難コースの一つと言えよう。加えて、大きなアンジュレーションのある広大なグリーンがスコアを纏めるのを妨げている。コースを横切るクリークもおおく、更にインコースは池も多く、各ホールとも気の抜けない緊張が続く、挑戦的な素晴らしいコースであった。ここでも、スコアは41、42と纏めることが出来たのは、寄せとパッチングが良かったことによるものである。毎回ここでやってみたいという気持ちと、老体にはきつ過ぎるという気持ちが、半分半分の素晴らしいがシンドイ?コースである。このコースはケアンズの町から近いこと、グリーンフィーもさほど高くないこともあってか、今日のプレイヤーの約半分は日本人であったように見受けた。
ゴールド・コーストとケアンズの両方をプレイしてみて、ゴルフに関しては圧倒的に前者に気持ちが動く。難コースから安易なコースまで、その時の気分、体調によって選べる利点は後者にはないからだ(日本では経済的にも自分のホームコースしか選択の余地はないが)。
<気候・町の印象> オーストラリアは広大な国で、熱帯から寒帯まで広がりをもっている。国としては大いに「季節の有る国」である。パースは一日の内に四季があるともいうほどに気温の変化が大きい場所だと聞かされているし、97年に自らも経験している。メルボルンの冬はどんよりとした天気が続き寒いと言う。中央部から北部の内陸部には、広大な砂漠地帯が広がっているなど、オーストラリアは色んな顔をもっている。ただし、ケアンズに関してみると、南緯16度程度で北半球のフィリピンと似たような地帯に属している。この国の多くの人がケアンズは熱帯で高温多湿で住みにくいというほどに、ここケアンズは「季節の無い国」と言ってよかろう。
訪問したこの時期は、快適な気候である。12月から4月初旬にかけた雨季が終わったばかりと言う。夜は20℃弱、昼間は27℃くらいの気温で、寒くもなく、汗も出ない快適このうえない気候が待っていた。ゴールド・コーストの時と同じで訪れた時期が良かったということと思うが、これが望んでいた気候(この国の人は春がもっと良いと言う)である。
町はゴールド・コーストを一(二?)回り小さくした規模で、人通りも多くなく、静かな雰囲気である。日本人の新婚らしい二人連れ、若い日本女性の2−3人連れも時折見かけるが日本人観光客で混み合ったいるという状況ではない。老夫婦が連れ立って散歩している光景をよく目にするのは、ゴールド・コーストの場合と同じであるが、定年後にこの当たりに移住する人が多いということだろうか、推測の域を出ないが。小生が宿泊したホテルの裏手には、長期滞在者向けと思われる2階建てのアパートらしき建物が、数多く点在していて、老夫婦が出入りしている姿を見かけるなどそれらしき雰囲気はある。
到着して早々に海岸に出てみて、意外な発見をした。グレート・バリヤリーフを想定して、またゴールド・コーストを思い起こして、珊瑚砂の白砂が広大に広がる海岸線が頭の中にあったが、現実は大違い。到着時は干潮で、一面に粘土質の広大な干潟が広がっていたのだ。干潟では無数の蟹が走り回り、水鳥が群れていて、今にもマングローブが生え出して来そうな光景が展開されていた。しかし、海岸線に沿って、椰子の木陰に芝生が張り巡らされており、そこで水着姿で寝そべっている光景はやはり海辺の景色ではある。
今日、ゴルフ場までの70Kmは殆ど海岸線に沿って走ったが、山が海近くまで迫り出しており、白砂の海岸は少しだけ目にしただけであった。山が海岸から退いた場所では、マングローブが生茂っており、インドネシアと変らない景観を呈して、南国そのものであった。ゴルフ場のなかでも、各ホールはマングローブの林で囲まれたところが多く、初めての経験であった。町の南端に流れる川の向う岸も、一面のマングローブ林であり、大珊瑚礁が近くにあるとはいえ、大陸側の海岸は全く予想と違ったものであった。昔は鉱山と砂糖きびの町であったとのことで、今でも郊外には砂糖きび畑がみられ、南国の景観である。何事も自分の目で確かめることが肝要!
<その他> 物価は、大した買物もしていないので明確ではないが、ゴールドコーストよりも幾分高そうである。長期滞在希望者に対しては「気候のよさ」が売り物ということになろう>
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