その距離を縮めて

吹き付ける風の冷たさも、一段と鋭さを増した季節に
吐きだす息は白く、
濁っては凍える風に掻き消されていく。


「…ぅううう、寒いっ!」
「寒いのに、寒いって言うなよ、バカアリス!」
「関西人にバカって言うな言うてるやろ、アホ火村!」


授業の合間、校舎間を移動する
その、短い距離でも…



付かず離れず触れる肩が、嬉しい。


寒いから、だろうか。
自然と距離も近くになり、ともすれば…


手が、届きそうな位に
近い、距離


「うっわ…」

向かい風、を避けようとしただけ。

寒さに上がったテンションに言い訳をして
火村の背中に張り付く様にして抱きついた。


「な、アリスっ!俺を風除けにすんな!」
「へへ…、あ〜火村の背中は温いなぁ」


張り付いた背中に隠れて…
本当に温かかったのは、きっと


顔が…火照って熱かったから

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Author by emi