いつの間にか。
いつの間にか、というのが
相応しいと思う。
いつの間にか、秋。
昼間は相変わらず暑くて
じっとりと汗ばんで厭うけれど
日が陰れば、吹く風は涼しいのだと知る。
日が落ちるのが幾らか早くなっただろうか。
朝方には肌寒い位の風が吹いていたりとか。
他愛も無い変化に季節の移り変わりを見る。
「秋やなぁ〜」
そうしている間に、夏は彼方へと往き
秋を通り越してしまうのだろう。
「何の秋だ、アリス」
隣で紫煙を燻らす人影。
「ん〜、とりあえず食欲?」
ざりざりと音を立てて灯りが消される。
「欲多き生き物だな、人間ってやつは」
「キミかてそうやろ。欲があるからこそ人やで」
他愛のない会話。
繰り返される日常の先に
春が来て、私たちの日常は終わる。
いつの間にか。
移ろい往く季節、そんな風に
私たちの距離さえも変わってしまうだろうか。
そんな不安を抱えつつ、秋。
Author by emi