笑う男-2-

立夏を過ぎたばかり。

とはいえ肌寒い日があったりもするが
今日はさんさんと陽が降り注ぐ、暖かい日。

初夏を思わせる日差しの中でも
頬をなぜる風は涼しい。


絶好の昼寝日和。


生憎と昼前で空腹ではあるが
睡魔には勝てず茂みに潜った。

手にしたテキストを日よけに
ごろり、横になる。


さわさわ・・・。


優しい風が木々を揺らす。


秋にはかさかさと葉を尖らせていた地面にも
芽吹いた新緑が柔らかく身体を受け止めてくれる。


芳しい土の香り。

何も無い、思考の休止。



しばしの、休息。


と。

近づいてくる気配。

身に馴染んだ、気配。


くしくも一年間の今日。

出会ったおれたちは誘い誘われるままに
学食を目指したっけな。


ああ、そうだ。

ちょっとしたお遊びみたいなもんだ。

自分に言い訳をして起きあがった。


欠伸をしたらアリスに告げてみようかと思う。


『昼飯はカレーにしないか』と。


俺たちが出会ったあの日。

連れだって食べた、あのカレーに。


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Author by emi