鮮やかなる世界


吹き付ける風は涼しく、
聴こえてくる季節の鳴き声が秋を知らせる。

キミと出逢ってから半年が過ぎた。


麗らかな春を越し、暑い夏を経て、
また、季節が廻り秋を感じる。

「有栖川」

そう言っていた呼び名はいつの間にか

「アリス」

変えられていた。短縮、したのだと
キミは億劫そうにしていたけれど。

その、表情が。
少しだけ、照れたようになっていたのを
オレは知ってる。

秋の夕暮れに染まったのでは、きっと無い。
少しだけ、朱を刷いた頬の意味を―。

また、季節が廻る前に聞けるだろうか。
冬、肌寒い季節に…。

キミと寄り添っていられたらいいのに、と
思うオレの気持ちは、届くだろうか。


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Author by emi