冬。
吹き付ける冷たい風。
煙草を持つ素手が痛いくらいに寒くて、
口に咥えたままでポケットにねじ込んだ。
少し伸びた髪を風が攫っていくから露わになった耳が痛い。
それなのに、目の前で笑うアリスは頬を紅潮させて楽しそうに笑う。
これまでは独りで過ごす事が多かった。
季節さえ、気がつかないうちに廻るほどで
あまりの寒さに何もかもが嫌になってしまう、
…そんな事すら思っていたのに。
アリスと過ごすようになってからは嘘のように変わった。
春、咲き誇る花たちを愛でながら笑い合ったり
夏、照りつける太陽に焼かれてはしゃいだり
秋、色づいた葉を蹴散らしながら騒いだり
冬、吹き付ける風に逆らって走ったり。
感じる寒さは相変わらずだけれど
何気ない季節の移り変わりを楽しむアリスの笑顔、
それがくれる「あたたかさ」に心がほっこりするのだ。
落ちてくる、雪にさえ…。
思わず微笑んでしまうくらいには。
Author by emi