小松菜は茎を一本一本手折り根本を丁寧に洗う。
少しぬるぬるする手触りが無くなったら
茎と葉を分けて適度な大きさに切る。
ぬるぬる、が。
指先からこそげ落ちていく感じが有栖は好きだ。
芯を残して―
ポキリ。
茎を折るのも。
一緒に旬の茸を炒める。
とっておきのオリーブオイルにニンニク少し。
塩気にベーコンスライス。
たまにはチリパウダーでピリ辛にしてみる。
「…完璧」
冷凍庫で丸ごと冷やしたタンブラーにプレミアムなビール。
冷えてキンキン。
「美味いな」
「そうやろ?」
綻んだ口許に頷いて笑う。
―なんたってオレ特製や。
ふふん、と鼻をならせば。
火村はちょっと気取ってグラスを上げる。
「シェフアリスに乾杯」
Author by emi