指、触れる先に

キミの指が、触れる。
触れているところから、次々に零れて溢れる。


キミと買い物に出た。

夏の装いの街には、肩を並べて寄り添う人たちが溢れている。
当然の様に、繋がっているその、腕。

指を絡めて離せない、といった様に。
片時も、離れられないといった様に。


其れを横目に下りてきた箱へと滑り込んで。
閉じていく、扉を、眺めている。
目的の、階まで。

ふと、隣に立つ、君の体温を近くに感じて―
思わず。

小さく動かした私の指が、温もりに届いた。

私の人差し指の、背と。
キミの中指の、背が。
微かに、触れる。

ああ、乾いた様なその、温もりは。
なんて、温かくて、熱い。


と、温もりが。
―指が。
溶け合う。

光の筋が、徐々に左へと昇っていく。
あと、少し。
こうして、居たい。

そっと、触れた指が私の指を求めて。

ひっそりと、密やかに、指を、絡める。
そっと、そっと。

人差し指と、中指が、密やかに。

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Author by emi