「あ」
「あ?」
「い」
「い・・・」
「し」
「し、・・・」
「て」
「っ・・・」
「る」
ひとつひとつ言葉を紡ぎ、唇を指で撫ぜ、
ふっくらとしたアリスの唇に自分の唇を重ねた。
ゆっくりと、丁寧に。
徐々に深く、舌を絡めて。
吐息すら、奪うように。
「っ・・・・ふぁ」
合間にあげるアリスの艶かしい息が熱く火村を焦がして、
きつく抱きしめる、その腕の中で艶かしく色づいていくアリスが愛おしい。
「ん・・・・、もっとぉ・・・」
離れてしまった唇を追いかけるようにしてアリスの腕が
火村の頭へと伸びて髪に指が絡むと、寄せられる唇に。
甘く堕ちていく。
まるで、そうなる事がごく自然の事の様な、
不思議な引力を持った唇に―。
引き寄せられ、魅せられ、そして、堕ちていく。
「んっ・・・・・・、はぁ・・・・・」
「アリス・・・・・カレーは?」
口の端を唾液でぬらぬらと艶めかせ、
色を含んだ濡れた瞳が誘うと二人の間には隙間は要らない。
「・・・・あとで」
「了解・・・・」
互いの想いを合わせた肌から痛いくらいに感じる。
「あっ・・・・・、動く、な・・・・」
「・・・アリス」
自分の中に感じる確かな火村の熱に内側から焼かれていく。
「・・・・・ふぁ、んっ・・・・」
ソファに腰掛けた状態の火村の上に跨る形で彼を受け入れる。
あまりの質量に馴染むまで浅く呼吸を繰り返し吐息を洩らすと、
そっと火村の指が綺麗に逸らされたアリスの背中を撫ぜた。
あまりにも軽やかで、あまりにも柔らかい温もり。
掌が、火村の熱が、通ったところから焼けおちる。
その感覚にすら腰を震わせて身悶えしてしまう。
甘い痺れに脳までおかされる、そんな快感がアリスを苛むのだ。
アリスに出来ることと言えば、名前を、呼ぶことくらいで。
「ぃあっ・・・・、あ・・・・・、ひむらぁ・・・」
「・・・アリス、エロいな・・・その顔」
腰から背中へと指を滑らせ見つめる火村の瞳も妖しく濡れていて
それが更にアリスを煽る。
「もっ・・・・・知ら、んっ・・・・・ああっ」
ゆらりと腰を揺らせばあられもない声を上げて悦ぶ。
「ひぁ・・・・、あっ」
緩慢な動きにすら否応なく煽られて。
「ああ、・・・・ぃ、はぁ・・・・」
くちゃり、と湿った音が羞恥とともにアリスに響き
それと同時に熱く漏れる吐息があがる。
「熱っ・・・・い、ああっ・・・・奥っ・・」
「・・・アリス、中動いてるぞ・・・?」
腰を掴まれてやわやわと上下する。
指で胸の突起を擦られて、受け入れている内がじんと痺れる。
時折霞めるいいところへの刺激がいっそもどかしくて、
もっと奥に欲しくて、火村の熱い楔に貫いて欲しくて懸命に腰を振るけれど、
跨った体勢では思うように奥まで届かず、もどかしく悶えるだけしかできない。
意図的に与えられている半端な快感に、
アリスはもう、どうしようもない吐精への欲求におかしくなりそうだった。
「あっ、あっ・・・・ひむ、ねぇ・・・・奥っ・・・・」
「淫らしいな、アリス・・・?奥がどうしたって?」
額にうっすらと汗を浮かべながらも火村の物言いは余裕すら感じて、
もどかしさからアリスは更に追い込まれていく。
揺らめかせる腰の動きが一層激しさを増した。
「もっとぉ・・・・、火村の・・・・奥に欲しっ・・・・やぁっ・・・」
アリスを抱えたままで容易く体勢を入れ替えると
繋がったままの秘腔が抉られるようで、急な刺激に呼吸すら奪われる。
「ヒ、ぁ・・・!」
「俺が欲しいか?アリス」
組み敷く体勢に足を大きく拡げ、火村の熱を受け入れたままで、
ぴたりと合わさる肌が痛いくらいに感じる。
それなのに火村はじっと動かないままで、
慣れた体勢から与えられるであろう最奥への刺激はいくら待っても届かない。
「やぁっ・・・・・、ひむらぁ・・・」
「アリス・・・・、どうしたい?」
意地悪く問う火村にも余裕などない。今すぐにでもおもうがまま穿ち
果てたい衝動に駆られるけれど、奥歯を噛み締めてアリスを促す。
それが、アリスを煽り、一番欲しい言葉を恥じらいと共に零すと知っているから。
だから、未だ、動かない。
「アリス、ほら・・・、言えよ」
もうどうしようもない。
どうしようもないんだ、火村。
「は、・・・ぁ、も、もぅ・・・」
アリスは早く早くと涙を浮かべて戦慄く唇を動かす。
「欲しっ・・・・、奥に、いっぱい・・・・して・・・・っ」
頬に朱を刷き唇には艶を載せ瞳で火村を篭絡して、
答える替わりに火村は一際大きく腰を打ちつけアリスの蕩けた内奥を穿つ。
「ヒぁっ・・・・・、あああっ・・・」
「・・・・くっ」
待ち望んでいた刺激を与えられ全身に痺れるような甘い快感が走り、
辛うじて残っていた思考をアリスは手放した。
「ああっ、ぃあ・・・・」
大きくグラインドを描いて火村の熱がアリスの最奥を攻め、
息も絶え絶えのアリスの嬌声が火村を煽る。
互いの熱に煽られ、焼かれて焦がれる。
その瞬間、確かに。
世界は二人だけのものになる。
肌で感じる、何よりも確かな愛を。
裸のままケットを纏って半分横になりながら愛の篭ったカレーを食べる。
「いやー、アリスがエロいから燃えたな」
「なっ、俺のせいやない!火村が変なことするからやないかっ」
横に座って腰を抱きおいしそうにカレーを口に運ぶアリスを見つめる。
「そうか?お前からもっと、って言っただろ?」
「ぐ・・・・」
顔を真っ赤にしてそれでもアリスは食べるのをやめない。
上目遣いに口を開く姿は壮絶に・・・色っぽい。
「・・・・うまい?」
「うん・・・・」
ちゅっと軽くキスをしたら、カレーの味がした。
出逢ってから何年経っても変わらない。
今日はカレー記念日。
君と出逢った思い出の日。
Author by emi