-花とコトバ-

2002.7 太陽に負けてる夾竹桃 + 雨ざらしの鉄人
夾竹桃



 「俺が死んだら、このおんぼろトラックはお前にやる」
夾竹桃

「トラックよりはお義父さんのほうがずっと長生きしますよ」

「どうかな」

彼は少し考えこんだ。

鉄人



 「俺はもうギアを換える必要もない。トラックとはちがう」








 

 『白い犬とワルツを』
 テリー・ケイ
 兼武 進 訳
 新潮文庫



そう言ったサム翁はトラックをサードギアのままで走り続けるのだった。
老人が言うからこその重みを、さらっとひとことで。



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