放射能汚染とどう向き合っていくのか




◇ 内部被曝に注意せよ ◇

先に述べたとおり、放射性物質で注意しなければいけないことは、外部被曝も然ることながら内部被曝です ご承知のとおり内部被曝とは、食べ物や空中を浮遊するダストを摂取・吸引した際、放射性物質が体内の臓器に留まり、そこから絶えず放射線を放ちます。

体内で放射線を放たれ続けることによる影響はどういうものでしょうか? 内部被曝もたらす影響こそ注意しなければいけません。

人間の細胞は絶えず細胞分裂を繰り返していて、細胞になんらかのエラーが起きた場合、エラーした細胞を正常なものに戻そうとする活動を日々繰り返しています。 健常者についても日常からガン細胞ができたり消えたりしていて、細胞は常にエラー修復を繰り返しながら正常な人体を保とうとしています。 そのエラー修復が間に合わない状態になったときこそ、ガン細胞が形成されるのです。
また、その情報操作を手がける細胞こそ遺伝子(DNA)で、遺伝子の破壊も同時進行します。

想像してみてください。分かりやすく例えると、一般家庭にある電化製品に雷が落ち、電化製品が壊れるというようなイメージです。 雷にうたれたことによって、機器の基幹である制御部のマイコンチップが破壊し、やがて本体もろとも制御不能に陥る状態のことを言います。

内部被曝は、これに似た状態が体内で起こりうるのです。
実際に、今回の原発事故による直接的影響は未知数と
されていますが、年数を追うにつれて明らかになってくる
問題が出始めてくるはずです。
Haginokai 2012 Miyagi Japan.
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現在、国や行政、学者は正確な現状を伝えようとせずに、ひたすら「安全神話」を定着させようと躍起になっているように感じられます。 例えば・・・


「海外在住で人体が受ける自然放射線は0.4マイクロ
シーベルトなので安全です」

「検診で受ける肺の放射線量は50マイクロシーベルト
なので数分の1です」



これらの例を見る限り確かに問題はないですし、一年に何度もレントゲン検査を受けない分には安全な参考例でしょう。 ただ、これらの例は「外部被曝」に限った話で、「内部被曝」に関してはまったく触れられていないという落とし穴があります。
また、人類がこれまで共存してきた自然放射線の一例と、有毒なものを含む人工的な放射線との例を作為的に宣伝したとしても、
それはあくまで気休め程度の安全神話としてとしか伝わらず、核種別にしっかりとした基準を確立させるとともに、どういったことを
注意していかなければならないのかという重要な部分を国は積極的に示していくべきだと考えます。
過去の核実験で他国から飛散してきた放射能との量は、今回はまったく比較にならないほど深刻なものなのです。