しっかりと温めたレトルトパックを開封し、ご飯を盛った皿にあけます。いかにも獰猛そうな褐色の色合いが美味しそう
で、ぷんとスパイシーな香りが漂います。見たところ具は消しゴム大の牛肉が3〜4片、野菜は溶けきったのか見当たり
ません。まずは一口。
おお、これはかなり美味しいです!溶け込んだ野菜とフルーツの甘味と酸味がぐんと前に出ていながらも、全体の味
のバランスは決して損なってはおらず、この価格帯のカレーとしては十分な実力を誇っていますね。
そしてこの、非常にボディの強い味わいと言うか、どっしりとした太さと深さのある風味が素晴らしいなあ。“濃い”でも
“辛い”でもない、“強い”味わいがあるカレーであります。
その分やや軽やかさに欠ける感はありますが、まさに『大艦巨砲主義』という言葉がしっくりと来る、いかにも大日本
帝国海軍の名にふさわしい個性的な美味しさを持つカレーですね。
なるほどカレーと言うものが、明治から昭和初期にかけての激動の時代を、海軍と共に力強く生き抜いてきた料理だ
と言う事を、改めて痛感させられます。まるでオジイチャンの若い頃の意外なやんちゃ話を聞いている様な、野放図な
パワーに満ちつつも不思議な懐かしさを持ったカレーでありました。
ちなみに今回は、野菜サラダとゆで卵、揚げ物、牛乳、果物をつけて、海上自衛隊風カレーにして頂きました。こうし
て見ると、品目は一気に増えますし栄養のバランスもいいですね。これだけサイドを固めると、確かにカレーはやや少
なめの方がいい様な気がします。180g、という一見して物足りなさそうなボリュームも、海軍カレーとしては計算し尽く
された上での基準排水量だと言えるでしょう。
歴史と風格を感じさせる、大満足の海軍カレー。大変美味しく頂きました。
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