湯煎にかけた『野菜麻婆』を皿に空けると、おおお、見るからに凶悪そうな、真っ赤なソースにまみれた肉と野菜が
どろりんと出て来ました。この赤いオイルは、ちょっと前に流行ったラー油かな?何故かキヌサヤみたいな青臭い香
りがぷんと漂います。
しかしこれ、本当にメインなの?と、ちょっと聞きたくなる位にボリューム感に欠けますね。標準的なレトルトカレーよ
りも量が少なく見えます。その分、表面に浮いた真っ赤な脂肪分がギタギタと光って濃厚そうではありますが。
まずは一口。んん?攻撃的な見た目を裏切って、辛さは全くありません。むしろ爽やかに甘酸っぱく、この脂肪分で
ドロドロなのに妙に食べ易い風味は、ショウガを効かせてある所為かな?
野菜はタケノコ、茄子、キクラゲ、椎茸、タマネギ、となかなか多品目で具沢山。そして肉も意外と気前よく入っていて、
見た目以上に食べ応えを感じます。また、このオイル分が多いのもまろやかな味わいを出していて、何となく本格中華
っぽくもあります。プロの中華の料理人さんって、かなり大胆に油を使いますし。家庭でなかなか本格的な中華の味が
出せないのは、火力の違いと言うよりも、どうしても健康の事を考えてつい油脂を控えめにしてしまう所為だと思います。
しかしこの野菜麻婆、辛味が全然ない割には結構イケますね。特に『白飯』との相性が抜群で、ぱくぱく食べてしまい
ます。
もう一つの主食である『ドライカレー』ですが、おお、これも美味い!いかにもカレー粉っぽいトゲトゲしたスパイシー
風味が前面に出ていて、前のU型のドライカレーみたいにベタついていないのもいいですね。辛さも心なしかグレード
アップしている様な気もしますし、うん、美味しいです。これをおかずに普通に白ご飯が食べれそう。
具はハムみたいな豚肉とグリーンピース、このぺらぺらしたのはマッシュルームかな?パッケージの原材料表示を
見るとニンジンとタマネギも書いてありましたが、よほど細かく刻んだのか殆ど確認できませんでした。
メインの野菜麻婆が拍子抜けするほど辛くなかったので、ドライカレーの突き抜けるような辛さがいい意味で意外だ
ったというか、フェイントを喰らった様な気分でした。
野菜麻婆のレトルトを見ると、やっぱり原材料表示にキヌサヤが入っていましたが、実際には見当たりませんでした。
気付かないうちに食べてしまったのかな?また、ちゃんと豆板醤も書いてありましたが、真っ赤な色の演出にとどまっ
た模様で、辛味は全然感じませんでした。辛いのが苦手な人も、問題なく食べる事が出来ると思います。
ちなみにレトルトパッケージには『名称 まあぼ料理のもと』とあり、メーカーは日本ハム梶Bもしかして市販品の流用
かと思いましたが、検索してもそれらしき名前の商品は見当たりませんでした。
またこのレトルトは二次的にもいろいろと楽しめそうで、茹でた中華めんにかけたらジャージャー麺っぽくなりますし、
味噌ラーメンにかけるとマイルド坦々麺風に楽しめると思います。また、赤色が強烈に鮮やかなので、オムライスなん
かにかけても合う様な気がするなあ。次に手に入ったら、色々と工夫して楽しんでみたいですね。
今までの自衛隊戦闘糧食には珍しい、変化球的な面白さと美味しさを兼ね備えた、個性的で存在感のあるメニュー
でした。
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