護衛艦とね特製キーマカレー


       さて今回は、呉海自カレーシリーズ『護衛艦とね特製キーマカレー』です。DE234護衛艦とねはあぶく
      ま型護衛艦の6番艦として1993年に就役した汎用護衛艦で、DD158護衛艦うみぎりとともに呉地方隊
      
にて第12護衛隊を構成しています。
       濃紺地のパッケージ正面にはとねの雄姿がレイアウトされ、裏面には海自と呉、金曜カレーについての説明
      とともに、護衛艦とねからレシピの提供を受けた呉市内の居酒屋『利根』さんのとねカレー画像があしらわれ
      ています。それにしても、お店の名前がまるっきり一緒とは。なるべくしてこうなったというか、とねのカレ
      ーを出すならここしかない!
と言えますね。
       ちなみにこの居酒屋の方の利根で出しているとねカレー(ややこしいな)、丸皿中央に白ご飯をこんもりと
      盛り付けて、その周囲をカレーがお濠の如く取り囲んでいます。そして白ご飯の上には、勇ましくも可愛らし
      い小さな自衛艦旗が(笑)。とねカレーのために、お店の人が作ってくれたのかな?これは嬉しい演出であり
      ます。

       それでは早速試食してみましょう。なるほどひき肉を使ったキーマカレーですが、ところどころにゴロゴロ
      した肉の塊
も見えますね。原材料表示を見ると『牛肉、牛挽肉』と書いてあるので、味の土台となるひき肉と
      は別に、具としての牛肉も揃えてきた模様。
       カレー自体の色合いは明るめのブラウンで、なんとなく穏やかで気さくな性格っぽいなあ。前回の護衛艦か
      がカレーの超濃厚力押し攻撃に翻弄された私としては、ちょっとホッとしてしまいました(笑)。
       とりあえず一口。ほほう、いかにもキーマカレーらしい、牛肉の旨味をとことんまで引っ張り出したとても
      力強い味
です。スパイスは辛味よりも香りの方が勝ってる感じで、骨太な牛ひき肉の旨味を引き立てながら
      身の刺激的な主張
も忘れていないのが好印象。

       本来ひき肉が主役となるキーマカレーですが、牛肉の方も十分健闘しています。もともと塊だった牛肉が煮
      込みによって細分化した感じですが、小さく丸まったひき肉とは違った繊維っぽい口当たりがいいなあ。2種
      類の牛肉を巧みに使い分けて技あり2本の合わせ一本勝ちをもぎ取り、きっちり残心を決めて見せたとね給養
      員の得意げな表情が思い浮かぶ様。
       それにしても、食べ進むうちに意外な辛さが出て来ましたよ。最初は香りの方が前に出る感じでしたが、あ
      とからじわじわ辛味を効かせてきたか。この手の辛味は野菜フルーツ乳製品砂糖類の甘味で対抗するこ
      とが多い海自カレーですが、このとねカレーは牛肉のコクと旨味そのもので辛味を抑え込もうとしているのが
      印象的。なるほど、確かにこれはキーマカレーならではの個性です。

       塊の牛肉を使う場合はどうしてもその旨味を肉の中に閉じ込めたくなるので、辛味への対処は必然的にそれ
      以外の食材
に頼る事になりますからね。一つ一つは米粒みたいに小さなひき肉ですが、その表面積の大きさを
      生かしてカレー全体に提供した旨味の濃さはかなりのもの。ひき肉にしか出来ない仕事っぷりがお見事と言え
      ます。

       ここでふと思いついて、外箱に印刷された栄養成分表示を確認。一人前200gで286kcalと、なか
      なかのカロリーだなあ。前回試食した超濃厚護衛艦かがカレーよりも、さらに高カロリーな事に驚かされます。
      小さな体に溢れるパワー。呉海自カレーのラインナップで野球チームを作るなら、迷うことなく1番打者に据
      えたくなるやる気満々瞬足好打タイプのカレーですね。アストロ球団で言えば、明智球七でしょうか。
       そう考えると、全14種ある呉海自カレーのそれぞれを、控え選手を含めた野球チーム編成にして個性を表
      現
するというのも、ちょっと面白い手法かも。となると、一人一人の実力と素質を見極めて一つのチームとし
      て集結させる私は、さしずめシュウロの大将か?(笑)。
       そんな加齢臭ぷんぷんなイメージを膨らませてくれた、とても個性的な美味しさを誇る護衛艦とね特製キー
      マカレー
でありました。




トップページに戻る
自衛隊戦闘糧食目次に戻る