今回が自衛隊戦闘糧食U型の初めての試食となります。メニューは酢豚。随分前から楽しみにしていたメニ
ューです。
早速パッケージを開封すると、中から出て来たレトルトもOD色で、実にマッチョな雰囲気です。メインのレトル
トパックはMREのそれよりも柔らかく、市販のレトルトと同じような感触。まあ、堅い分だけMREの方が保存期
間が長いのですが(MREは3年、U型は1年)。内容物は酢豚・大根キムチ・中華風ワカメスープ、と、これだけ
見れば一体どこの国の戦闘糧食なのかと首をひねってしまいそう。
白飯パックとメインの酢豚を湯煎にかけ、待っている間に大根キムチを開封です。うーん、キムチと言うより、
ぱっと見はつぼ漬けみたいですね。キムチらしい香りも全然ありません。一口食べてみますが、やっぱりつぼ
漬けです。パッケージを確認しても大根キムチとあるのですが、よく見るとその下の方には『別称 しょうゆ漬け
(刻み)』と小さく書いてありました。うーん、インチキ臭い…。ただ、若干しつこいものの甘辛のバランスはとても
いいので、ご飯にもお茶うけにもよく合うと思いますね。
中華風ワカメスープはキューブ状のフリーズドライ。熱湯を注ぐとあっという間に出来上がりです。味は市販
のものと遜色なく、たっぷりのワカメに小口切りのワケギが浮いています。
さて、そろそろ酢豚が温まってまいりました。ワクワクしながら開封すると、湯気とともに甘酸っぱい香りが立ち
上ります。全体量が250gもあるので結構なボリュームで、豚肉もゴロゴロしています。まずは一口。
うーん、甘くて酸っぱい、酢豚の味です。しかしちょっと変な感じだなあ。甘酢あんというより、ケチャップっぽい
味わいです。原材料表示を見てみると、砂糖・醸造酢・トマトケチャップ・しょうゆとあり、納得しました。
具は豚肉・タマネギ・ニンジン・椎茸・タケノコの5種類。野菜はそれぞれ歯ごたえが違うので食べていて楽しい
のですが、豚肉がもうスカスカで、噛みしめる程に歯の隙間に喰い込んでいきます。うああ、爪楊枝が欲しい…。
しかしこの酢豚、どこかしらMREっぽい味なのは何故でしょうか。やっぱりこのケチャップ臭いのが原因かなあ。
何と言うか、ゼンやサムライ、カラテやスシに夢中になっているアメリカ人が、初めて訪れた王将で食べた酢豚
に感動し、帰国後に見よう見まねで作った割には上出来ですよこの酢豚!という感じです。インチキな大根キム
チも、そう言う意味ではこの怪しげな雰囲気に一役買っていますね。
白飯は温めが足りなかったのか、パッケージ内側にべったりとひっついて出てきてくれません。何とか掻き出
して食べてみましたが、米の旨みこそ無いものの、やっぱり日本人は米だ!と思わせる安心感のある味でした。
酢豚もつぼ漬け…いや大根キムチもかなり濃厚な味付けでしたが、訓練で汗を流す隊員さんにはこれ位の方
が丁度いいのでしょう。副食セットに白飯二つで量的にも十分。食べた後、無性に爪楊枝と日本茶が欲しくなる
メニューでした。
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