SDFヌードル(シーフード味)



    さて、今回はSDFヌードル第二弾のシーフード味です。もう一目見れば説明が要らない位にあのカップめんそっくり
   なのですが、いくら製造元(言わずと知れた日清食品です)が同じとは言え、もうちょっとヒネリが欲しい気がします。
    栄養成分表示を見ると、内容量とカロリーは本家シーフードヌードルと殆ど変りませんが、タンパク質やビタミン類は
   軒並みダウングレード版になっていますね。
その借りを返すがごとく、脂質だけは妙にアップしています。まあ栄養バ
   ランス云々は、普段の基地駐屯地で供される通常食でしっかりと管理されていますから、この手の増強食に求められ
   るのは、単に「とりあえずおなか減った〜」を手っ取り早く癒せばいいや、ってところなんでしょう。







    さっそく開封してみると、以前試食したしょうゆ味と同じく、ぱっと見の具のショボさが目立ちます。本家シーフード味
   と並べてみると歴然とするのですが、カニカマボコは妙に小さいし、特にイカ分の不足が顕著ですね。
    そして粉末状のスープですが、本家に比べると妙に茶色がかっています。一応賞味期限内のものなので、品質の
   劣化ではないと見ていいのでしょうが、何だか不気味だなあ。


    とりあえず既定の量までお湯を入れて3分・・・の所を、私の趣味で2分30秒で頂きます。うーん、やっぱり全体的
   に茶色いなあ。
緑色の筈のネギまでもが、妙に茶色がかっています。そして、あれ?何だこの物体は。見た目焼き豚
   っぽいですが、シーフードヌードルに焼き豚なんて入ってたっけ?恐る恐る食べてみると、部分的に茶色く変色したキ
   ャベツでした(笑)。
茶色く変色した部分が層状になっているので、見ようによっては豚バラ肉みたいに見えない事もな
   いんですよね・・・。

    恐る恐るスープを飲んでみますが、んん〜、どこか平べったい単調な味だなあ。本家の方はミルクっぽい深みのあ
   る味わいですが、随分印象が違います。もちろんこれだけ食べれば普通に美味しいのですが、本家と比較するとどう
   しても一段二段落ちているのが感じられます。


    麺自体は殆ど変わらない気がしますが、こころなしかこちらの方がツルツルした食感かな?
    青ネギも茶色がかっていますが、他の具材であるイカやタマゴに関しては、量は少ないものの特に問題はありませ
   んでした。


    先に試食したしょうゆ味の方は、本家と比較しても遜色のない出来でしたが、シーフード味の方はちょっと印象が違
   いましたね。決して不味いと言う訳ではありませんが、何だか妙な違和感がありました。また、食べている最中はあま
   り気になりませんでしたが、食後しばらく口の中の化学調味料っぽい後味が消えませんでした。
    味自体はまあイマイチ、ですかね。ただ、ネタ的なお土産としての価値は十分にあると思いますので、基地駐屯地を
   訪れた際は、一つ二つ買って帰るのもいいかもしれません。






    あと、こちらが2011年に舞鶴で入手したSDFヌードルシーフード味です。カップには日本列島がデザインされていて、
   すっきりと垢抜けた印象がありますね。また、上記の2010年版では発泡スチロール製だったカップが紙製に変更にな
   っているのは、本家日清シーフードヌードルと同じく環境に配慮しての事なのでしょうか。


    果たして中身はどうなっているのやら…とラベルを開封しますが、おお!具が随分増えています!10式(2010年版)で
   は麺の上にパラパラと散らばっているだけだった具材が、11式(2011年版)では一気に増量していますね。特にイカ分と
   キャベツ分の増え方が著しく
、お湯を入れる前の段階で既に麺が見えないほど。これはちょっと楽しみだなあ。早速お
   湯を注いで、2分30秒で開封です。


    おおう、戻った具がたっぷりなのがいいですね。とは言え、確かに具の量はあるものの、個々のサイズはどれも微妙
   に小さいなあ。
しかし10式に見られた様なキャベツの変色はありませんし、茶色がかって見えたスープも11式では明る
   いミルク色です。

    うん、味もかなりよくなっていますね。本家シーフードヌードルにはまだ及びませんが、10式の平坦な味に比べると、
   11式はぐっとミルキーで膨らみのある柔らかい味わいになっています。正直、全然印象が違うので驚いてしまいました。
   僅か一年の間に、長足の進歩を遂げたと言えるでしょう。
    ちなみに栄養成分表示を見ても、10式と11式では別物と言っても過言ではありません。タンパク質やビタミン、カルシ
   ウムは大幅に増えている一方、脂質はぐっと抑えられ、塩分も下がっています。
一応本家シーフードヌードルのものと
   一緒に記載しておきますので、比較してみてください。うーん、こういうデータをのせると、何だかちゃんとした糧食サイ
   トみたいですね(笑)。


  本家シーフードヌードル SDFシーフード 10式 SDFシーフード 11式   対10式比
エネルギー 328kcal    334kcal   322kcal    (−3.6%)  
タンパク質 9.8g    8.2g   8.9g    (+8.5%)  
脂質 11.3g    14.3g   10.9g   (−23.8%)  
炭水化物 46.9g    43.3g   47.1g    (+8.9%)  
ナトリウム
   めん・かやく
   スープ
1.8g   
   0.8g 
   1.0g  
1.8g  
  0.8g 
  1.0g 
1.7g    (−5.6%)  
 0.7g  (−12.5%)  
 1.0g    (±0%)  
ビタミンB1 0.91r    0.67r   1.03r   (+53.7%)  
ビタミンB2 0.23r    0.19r   0.25r   (+31.6%)  
カルシウム 93r    89r   108r   (+21.3%)  
食塩含有量  4.6g    4.6g   4.3g    (−6.5%)  


    具が細かくなっているのは、恐らくコストを抑えながらボリュームを上げるために、等級の低いもの(所謂ワレモノのお
   煎餅みたいなもの)を採用したのだと思われます。
確かに本家シーフードヌードルと比べると見た目がチマチマしていま
   すが、満足度は10式を大きく凌駕したと言えますね。


    10年前に陸自に在籍していたフリーライターの人が、久しぶりに取材で駐屯地を訪れた際に、訓練内容の進化ぶり
   に驚かされた
という話を何かの本で読んだ事があるのですが、その現場の隊員さん達を陰から支えるSDFヌードルも
   負けない位に進化しているという事でしょう。
いやはや、これはSDFヌードルシーフード味12式(出るのかな?)が今か
   ら楽しみで仕方ありません。




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