防人の誉ハヤシ



        さて今回は、『防人の誉ハヤシ』です。ステーキハウスキッチン飛騨が作っている、誉シリーズの第3弾
       すね。以前試食した『防人の誉カレー』は実に見事なお味だったので、こちらもかなり期待できそう。
        それにしても、ハヤシライスか・・・。自衛隊とはまるで関係ない気がしますが、このハヤシはキッチン飛騨
       で使用している熟成ステーキソースをベースに作られている
との事。ある意味以前のカレーよりも、さらに
       身の得意分野に引き込んでの勝負
なんですね。キッチン飛騨にとっては、防人のカレー以上に負ける事が
       出来ない戦い
だと言えるでしょう。


        パッケージの下半分は迷彩模様に彩られ、ブルーインパルス仕様のT−4練習機90式戦車、あと護衛
       艦・・・
と思われるイラストが描かれていて、陸海空そろい踏みです。一見してヘタウマチックながらも、個々
       のフォルムがきれいに整っている所なんかは、なんだか小学生が写真にトレーシングペーパーを重ねてな
       ぞったみたい
で、不思議な味わいが漂っています。
        それより、T−4がさりげなく尾翼部のエアブレーキを展開していたり、90式の車長が敬礼していたりと、
       いろいろ細かく描かれているのに、護衛艦だけがやけに投げやりというかいい加減なのが気になります。


        T−4は細かい機体番号まで再現されているのに、同じ位大きく描かれている護衛艦には艦番号すらない
       
ので、艦種の見当すらつきません。艦橋の窓に到っては側溝のフタみたいだし・・・。T−4、90式までは気
       合いを入れて描いたものの、護衛艦のところまで来て突然力尽きた感じが漂っていて、艦艇好きの私とし
       ては悲しい気分・・・。
        とりあえず気を取り直して、温めた樹脂製パックを開封します。防人の誉カレー同様、パックごとレンジア
       ップすることも可能
なのも、このシリーズの売りですね。
        火傷に気をつけつつ、お皿に盛ったご飯にかけてみます。ほほう、予想外に明るい色合いのソースです。
       トマトを思わせるでもなければドミグラスソースの深いブラウンでもない、ちょっと不思議な色彩ですが、ま
       ずは一口。
        おお、これはこれは。かなり美味しいですよ。さすがステーキソースでの実績を誇るだけあって、この分厚
       く深く強く太い味わいのドミグラスソース
には驚きです。もはやこのソースそのものが液状の牛肉料理と言っ
       ても過言ではない、ステーキで牛肉を知り尽くした店が作り上げたハヤシライスですね。


        牛肉は消しゴム大のものが2つ、ころりと出てきました。てっきり薄切りなのかと思いきや、これは意外だ
       ったなあ。ここはやはりステーキハウスが作ったハヤシライス、という自己主張なのでしょう。大き目の角切
       りなので、柔らかく煮込まれながらもその芯にはしっかり牛肉の風味が残っていて、とろけるような脂身にも
       脂肪の甘さが感じられます。なるほど、これは薄切り牛肉では出ない味だなあ。
        具は牛肉の他に、トロトロになったタマネギが入っています。品質が高い事で有名な淡路島産のタマネギ
       を使用していて、気合いが入っていますね。恐らくソースとして煮溶かすぶんとは別に、食べ応えのある具と
       してのタマネギも使っているのでしょう。
        あと、隠し味としてもろみ醤油が入っている模様です。これは防人の誉カレーでも同様だったので、キッチ
       ン飛騨伝統のこだわり
ですね。


        うーん、とにかくこのソースの濃厚さ、旨味の強さには驚かされました。ご飯は200gという標準的な量を
       用意したのですが、一番美味しい混合比を探りながら食べて行くと、ソースが半分残った状態でご飯がなく
       なってしまいました。これはご飯をお代わりだ!これ一袋で通常の倍の400gものご飯を相手に出来る、非
       常にキルレシオに優れたハヤシソースだと言えます。
        それにしてもここまで味覚的に満足度が高いと、ハヤシと自衛隊の関連性については・・・まあ、棚上げっ
       て事でいいか・・・
と納得させられますね(笑)。製造元である株騨ハム様には、さらに調子に乗って次なる
       防人の誉シリーズの開発
に取り掛かって頂きたいものです。レトルトで出来る牛肉ものといえば、次は牛丼
       あたりが来るのかな?うーん、きっと美味しいんだろうなあ。今から期待に胸を膨らませながら、大満足の
       試食
を終えました。




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