とりあえず紙箱を開封してレトルトを取り出し、しっかりと温めます。火傷に気をつけながら中身を皿にあけると、こんな感
じになりました。うーん、地味だな。しかし、レトルトカレーがご飯と福神漬と組み合わさって初めてカレーライスになる様に、
ビーフシチュー単体で見た目をどうこう語るのはフェアとは言い難いですね。という訳で、付け合わせのパスタとブロッコリー、
ニンジンを用意してシチューキャセロールに入れてみましょう。
ほほう、随分と鍛え直し・・・もとい、こうしてみるとなかなか見れますね。盛りつけの乱雑さは素人ゆえ御容赦頂きたいで
すが、ちょっと美味しそうですよ。まずは一口。
おお、これは美味しい!牛肉の奥の深い渋い味わいがダイレクトに感じられ、野菜の甘味と旨味もドミグラスソースにしっ
かりと溶け込んで、実によく出来たビーフシチューであります。
ソース自体はとてもどっしりした味わいで、200gはちょっと物足りないんじゃないかなあ・・・と試食前に感じた不安を一掃
してしまう食べ応えを感じます。
それにしてもこのボディの太い味わい、濃厚なコクの中に感じられる苦味と甘味・・・さては、煮込み時に赤ワインだけでは
なく黒ビールも使っているな?と思いつつ外箱の原材料表示を確認しましたが、赤ワインはあっても黒ビールのくの字も見
当たりませんでした。・・・そうか、なるほど、黒ビール味の赤ワインを使っているんだな(ないない)。
牛肉は25×40×6(o)の大きさのものが6枚入っていて、トロトロになった脂肪層の味わいもなかなか。ただ、これだけの
量の牛肉を入れるなら、薄切りにせずにひと塊のままの方がずっと美味しそうに見えると思うんだけどなあ。まあ、薄切りの
方が加熱のムラが無く、薄いレトルトパックにも入れやすかったのでしょう。この辺りはまあ、保存形式や輸送コストの制約
を無視出来ないので仕方ありませんね。
よく見ると、細切れになった野菜がソースに混じっていますね。どうやらタマネギらしいのですが、入っている筈のニンジン
はすっかり煮溶けてしまったのか、影も形もありませんでした。
しかしこれ、本当に濃厚で美味しいビーフシチューです。これだけだと味が強過ぎて舌が疲れてしまうので、少々面倒でも
つけ合わせは是非用意した方がいいと思います。今回のニンジン、ブロッコリー、パスタ以外にも、ジャガイモやサヤインゲ
ン、アスパラガスなんかもよく合う気がします。
確かに最初はそのあり方について疑問を感じましたが、この味なら十分納得のいく一品でありました。ただ、パッケージの
軍人勅諭の代わりに、陸軍発行の軍隊調理法についての説明や、海軍が軍隊食に取り入れたビーフシチューが陸軍でも
採用され、そこから日本全国に広まって行った経緯などを分かりやすく説明できれば、より付加価値の感じられる商品にな
った様な気がしますね。
まあ、製造元である株式会社調味商事様にとっては、この上なく余計なお世話だと思いますが、一人前525円(税込)の価
値は十分にある、大満足のとても美味しいビーフシチューでした。
トップページに戻る
自衛隊戦闘糧食目次に戻る
|