ポークソーセージステーキ




    さて、今回は『ポークソーセージステーキ』です。外袋を開封すると、袋カレー大のOD色のレトルトパックと、主食のパッ
   クご飯がふたつ出て来ました。ご飯は白飯山菜飯。こうして並べてみると、なかなかマッチョで強そうな戦闘糧食ですね。
    ソーセージのレトルトパックには『ボロニアソーセージ(ブロック)』と書いてあります。聞いた事のあるソーセージ名ですが、
   JAS規格では“ケーシングに牛腸を使用、もしくは直径36o以上のソーセージ”というのがボロニアソーセージの定義だ
   そうです。厳密なんだかいい加減なんだか、よく分からない定義だなあ。





    十分に湯煎したメインのレトルトを開封すると、中からは巨大な輪切りのソーセージがゴロリと出て来ました。透明なスー
   プも少し入っていて、スモーキーな香りがプンと漂います。
    白飯山菜飯のパックも開封しますが、うーん、何と言うかこれは凄いビジュアルだなあ。ドカッと鉈で切り分けた様なで
   かいソーセージの塊とパックご飯。いつものラーメン屋の親父にソーセージの塊を貰ったはいいけれど、どうしていいのか
   分からないし他に何も材料が無いので、とりあえず見た事もない位にぶ厚く切ってみた男おいどん
のような気分でありま
   す。いや、それでも彼にはサルマタケという付け合わせがあったなあ。
    とりあえずソーセージを食べてみます。あれ?意外にも柔らかく、付属の先割れスプーンを軽く当てるだけで簡単に切れ
   ました。口の中に入れるとホロホロと崩れ、肉質は粗挽きに近いのにフワフワとした食感がちょっと新鮮。


    味はやや化学調味料臭いですが、レトルト臭は少ないので食べ易いですね。シンプルな塩味が豚肉の甘味によく合って
   いて、結構美味しい
です。適度に脂肪っぽさもあり、噛みしめると口の中にじわっと溢れるスープもなかなか。
    しかしこの、ソーセージ、ご飯、ソーセージ、ご飯、ソーセージ、ご飯…という、まるで何かの基本稽古を延々と繰り返して
   いるような食事
というのは変な感じです。シンプルイズベストとは言いますが、ここまでシンプルに徹するのもちょっとどうか
   と思うなあ。ここに前の戦闘糧食U型のたくあん漬けを一袋加えるだけでも、ぐっと満足度の高い豊かな食事になると思う
   のですが。せめて、肉まんについてくるマスタードの小袋でもあればなあ…。
    とは言え、食べ応えはかなりありますね。ソーセージの塊とパックご飯ふたつで、胃袋にドスンと決まった感じです。
    白飯はごくありふれたパックのトレーご飯。山菜飯にはわらび、たけのこ、ニンジン、シイタケが入っていますが、どれもか
   なり細かく刻まれていて、具材の風味と言うものは殆どありません。もうちょっと山菜飯なりの個性を前に出してみてもいい
   様な気がしますが、逆にメインの味の邪魔をしないので、主食としてはコレでいいのかもしれません。


    何と言うか、極端にリーチの短いボクサーが、相手の懐に飛び込んでひたすらボディーブローを繰り出している様な、テ
   クニシャンを相手にたった一つしかない武器だけを頼りに不器用な戦いを続けている様
な、見ていてちょっと切なくなるメ
   ニューでした。




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