陸上自衛隊大久保駐屯地ビーフカレー
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さて今回は、『陸上自衛隊大久保駐屯地ビーフカレー』です。大久保駐屯地と言えば第4施設団が駐屯す
る関西の施設科の総本山ですが、陸自各部隊の中でも特科と並んで気性が荒いと恐れられる施設科の駐屯地
のカレー・・・果たしてどんな強烈なお味なのか、まずは外箱から鑑賞していきましょう。
しかしまず目に入って来たのが、パッケージに堂々と書かれたスタミナの源黒にんにく入りの文字・・・
ああ、このカレーもそうだったのか・・・そうです、当S.A.Sの海軍自衛隊レトルトカレー試食レポを
ご覧の皆様なら御存じ、名前が違うだけで中身は全部一緒黒にんにくカレーシリーズであります。
私が現物を確認しているだけでも『伊丹駐屯地ビーフカレー』『舞鶴連合艦隊カレー』『自衛隊徳島航空
基地オリジナルビーフカレー』『陸上自衛隊松山駐屯地黒にんにくカレー』に続いてこれで5つ目。他にも
多くの姉妹品(・・・と言っていいのかなあ)が報告されている、外箱と商品名だけが違う同一商品ですね。
こんなものが基地駐屯地の名を頂いて平気で販売されている事に、いち海軍自衛隊レトルトカレーマニア
としては嘆息を禁じ得ませんが、毒を喰らわば皿まで。縁あってこの世界に踏み込んでしまった以上は、と
ことん追跡してやろうではありませんか。
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気を取り直して外箱から鑑賞しますが、正面にどんと配置されているバケットローダが、山盛りカレーと
ご飯を
「おりゃあああああああ!」
と押しまくっているのには笑わされてしまいました(笑)。そうか、いきなりこう来るか(笑)。
第4施設団本部が駐屯する大久保らしい、実に豪快かつド迫力に満ちたデザインセンス。まるで試合開始
早々にいきなりの奇襲技で一本取られてしまった気分です。ちくしょう、俺の一番弱いところを突いて来や
がった・・・こんなの笑うしかありません(笑)。こういう手で攻められると
「・・・まあ、いいか(笑)」
となってしまうのが、我ながら甘っちょろいなあ。
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という訳で、初っ端から対決姿勢を削がれてしまいましたが、苦笑しながら箱裏面を確認。1957年以
来の大久保駐屯地の歴史が書かれてありますが、陸自HPから年表をそのまま引用しただけで、それ以外の
大久保駐屯地についての説明や記述は一切なし。まるでやる気が感じられません。
名前は違うだけで結局中身は一緒なので、色々と情報を詰め込もうという熱意はさらさらないんでしょう
ねえ。とは言え、こんなところでもいきなり笑わされてしまった事が後を引いているというか、いまさら厳
しい追及を行う気にもなれないというか・・・。
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なんというか、私が思っていたよりもずっとしたたかな奴だった模様です。黒にんにくカレー。こんな詐
欺同然の売り方を認めるつもりはありませんが、今回ばかりは機先を制されたと認めるしかないなあ。黒に
んにくカレーを追跡し観察していたのは私だと思っていましたが、実は私の方が黒にんにくカレーに観察さ
れていた様です。月の岩盤の中に埋もれていたモノリスの正体を理解してしまったフロイド博士って、こん
な気分だったのかなあ。
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味に関しては先にレポートした伊丹駐屯地ビーフカレーと全く同じなので、今更あえて書く事は何もあり
ませんが、一個のカレーとして非常にレベルの高い味わいを誇っているだけに、なおさらこのいい加減極ま
る売り方に疑問を覚えます。確かに詐欺もどきの商法ですが、肝心のカレー自体はとても美味しく、決して
侮っていい代物ではないんですよねえ・・・。
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単独で十分やって行ける実力を持つ黒にんにくカレー君が、どうしてこんな目にあっているのか。なぜこ
んな残念な扱いを受けねばならないのか。彼はどこで道を違えたのか、それは彼にとって避ける事の出来な
い運命だったのか。そしてそれは黒にんにくカレー君に限らず、誰にでも起こり得る事なのか・・・。
「私は君の事を責めているのではない。君の実力は誰よりも高く評価しているし、苦境の最中にある今の
君を救いたいと思っている。だから話してくれ黒にんにくカレー君、君しか知らない、誰にも打ち明けてい
ない本当の真実を・・・」
しかし疑惑の渦中に立たされている黒にんにくカレー君は黙して語らず(当たり前だ)。私の言葉は君に
届かないのか、それとも口を噤み一人罪を背負い込むことで、誰かを守ろうとしているのか・・・何とも切
ない気分にさせられた陸上自衛隊大久保駐屯地ビーフカレーでありました。
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