肉団子
![](nikudango6.jpg)
さて、今回は『肉団子』です。前のU型のメニューにも『中華風肉団子』があり、甘辛酸のバランスのいい
甘酢あんがなかなかの美味だったので、入手以来今回も試食が楽しみでした。ちなみにこのメニューに封入さ
れた主食は白飯と五目チャーハン。この辺りは中華をイメージした取り合わせなんでしょうか。そう言えば前
のU型のカニチャーハンも美味しかったので、これも期待できそう。さっそく温めてみましょう。
![](nikudango2.jpg)
加熱した肉団子のレトルトはぼってりと重く熱く、食べ応えがありそうですね。開封して皿にあけると、お
お、直径40mm程の肉団子がごろごろと転がり出て来ました。見たところ5〜6個はありそうですが、その
うち幾つかは潰れていて、ひき肉あんかけみたいになっています。
その肉団子ですが、キレイな丸型ではなくかなりイビツな形だなあ。でも、こっちの方が手作りっぽくて美
味しそうに見えるのが面白い。
意外にも和風の味付けで、甘味を抑えた薄口醤油仕立てがかなりイケます。挽肉の旨みもしっかりダシに溶
け込んでいて、そつのない手堅い仕事と言えるでしょう。やや塩気がきついのは体を使う隊員さんの食事だか
ら当然として、この手の糧食にありがちなレトルト臭さが殆どないのも好印象です。
味はあっさりしたものですが、ダシには意外と脂肪分が浮いていて、見た目以上に食べ応えを感じます。最
初はてっきり前のU型の中華風肉団子の流れをくんだメニューかと思いましたが、これはむしろT型の味付け
ハンバーグ、U型のハンバーグの発展型と捉える方が正確でしょう。
あと、たっぷりあるダシを全部かけると、こんな具合になりました。
主食の五目チャーハンです。前のU型のカニチャーハンはかなり油ギトギトな仕上がりでしたが、こちらは
米粒がパラリとしていてまさにチャーハン。具はネギ、タケノコ、椎茸、卵。かなり細かくカットされていま
すが、結構ふんだんに入っているので見た目が賑やかですね。肉は何故か豚肉と牛肉の両方が入っているみた
いですが、ほぼ1mm角の粉末に近いカットなので、味や食感は殆ど感じられず。あくまで全体のダシに徹し
ている模様です。
味付けはこちらもあっさりしたしょうゆ風味で、塩加減もいい塩梅。チャーハンらしさをちゃんと主張しつ
つも、決しておかずの邪魔をしていないのが好感持てますね。
派手さこそありませんが、地味にいい仕事をしているメニューでした。あからさまな変態キャラのかつおカ
レー煮、病人キャラのかも肉じゃが、体育会系のハヤシハンバーグ、支離滅裂な電波系のさんまピリ辛煮、カ
ントリー系のとり野菜煮、貧乏キャラのポークソーセージステーキ・・・と、かなり個性派ぞろいのU型改良
版の中で、貴重な常識ツッコミキャラとして確固たる地位を築いていると言えるでしょう。
![](nikudango41.jpg)
看板役者として華々しく活躍するというタイプではありませんが、自分が表舞台で目立たなくていい事に、
密かな誇りを抱いている・・・そんな、ある意味非常に自衛隊らしいあり方の戦闘糧食だと感じました。
トップページに戻る
自衛隊戦闘糧食目次に戻る
|