陸上自衛隊松山駐屯地黒にんにく牛カレー
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さて今回は、『陸上自衛隊松山駐屯地黒にんにく牛カレー』です。はい、当S.A.Sの自衛隊レトルトカ
レー試食レポをご覧頂いている皆様なら既にお察しの通り、商品名が違うだけで中身は全く一緒の黒にんにく
ビーフカレーシリーズですね。中身が同じカレーの試食レポをする意味が果たしてあるのかどうか疑問ですが、
縁あってこの世界に足を踏み入れた私ですから、こうなったらもう追えるところまで追ってやれ!という気分
であります。
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具体的な内容については、全く同じ伊丹駐屯地ビーフカレーのレポを参照して頂くとして、とりあえず外箱
を鑑賞です。満開の桜に囲まれた松山駐屯地正門が淡い水彩絵の具風のタッチで描かれ、いかにも松山らしい
穏やかでのびのびとした雰囲気。とは言え、このカレーが松山駐屯地とは何の関係もない名ばかりのカレーと
知っているだけに、その素朴な雰囲気が逆に禍々しく思えてくるのが悲しいなあ。
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箱側面を見ると、『陸上自衛隊松山駐屯地』の部分が何故か貼りシールになっていました。ん?何だこりゃ。
まだこのKを欺こうと思うてか!とムキになって剥がしてみると、どうやら『第十四特科』と書いてあった模
様。松山駐屯地には第14特科隊だけでなく第14高射特科中隊など様々な部隊がいるので、これは至極もっ
ともな措置ですね。
箱裏面を見ると、なんだかタマネギみたいな顔の人が陸自の戦闘服を着て、炎をバックにラーメン屋の店主
のポーズを決めています。これは・・・黒にんにくかな?確かこんなのがちびまる子ちゃんにいた気がします
が、永沢君でしたっけ?彼は性格的に自衛官には全く向いていない気がするので、恐らくよく似た別人でしょ
う。
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他の旅団よりもいち早く機動旅団となった先駆け魂を猛アピールしていますが、まさに燃える様な情熱をこ
めて売り出しているこのカレーの正体を、果たして彼は知っているのでしょうか・・・。武骨で無口、曲がっ
た事が大嫌いそうなその風貌を見ると、ちょっと心が痛みます。
襟元の階級章は2等陸曹。部隊の屋台骨となる曹長や1曹を補佐しつつ若手隊員の尻を叩きまくる、部隊の
立派な中堅どころであります。向こう見ずにバリバリやれた若い頃とは立場も変わり、様々な問題や矛盾に直
面し、それを飲み込みつつ前に進む事を余儀なくされる、組織の一員としては結構微妙なポジションと言える
でしょう。若い頃に上に対して抱いていた不満や葛藤を今度は自分が受け止めざるを得なくなり、同時に以前
は想像もできなかった上の者の苦悩もだんだん身にしみてくる頃合い。
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それは同時に、黒にんにくとしてこのカレーの看板を背負いながらも、その珍しい名前の所為で『お前また
違う名前で売り出されてるの(笑)?』とバレてしまうという大きなジレンマを受け入れざるを得ない、自分
との戦いでもあるのです。
「あんたの言いたい事はよくわかる。中身は他のカレーと一緒だろ!という追求も否定しないよ。だがな、
俺は一人の黒にんにくとして、このカレーの一員として、やらなきゃならない事を必死でやってるんだ!それ
を訳知り顔で、傍からごちゃごちゃ言われたくないんだよ!」
と叫んでいる様にも見えます。そうか、この黒にんにく2曹は、余計な茶々を入れてくる私に対して怒って
いるのか・・・。
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とは言え、私の茶々も本気の茶々。本物は本物としてきちんと評価すべきという信念に基づいた、決して引
く事の出来ない茶々なのであります。黒にんにく2曹の信念に敬意を表する意味でも、私がここで折れる訳に
はいきません。今は一時、彼との対立が避けられない状況ではありますが、いずれお互いの立場を理解し、分
かりあえる日がきっと来るはず・・・。
「S.A.Sの管理人K?ああ、奴とは昔いろいろあったから憶えてますよ。俺たちの事をろくに知りもし
ないクセに色々言ってきてムカつきましたけど、まあ、骨だけはある奴だったな・・・」
と、20年後の黒にんにく2曹(その頃には曹長かな?)にこれ位は言わせてみせる俺になりたい!いや、
ちょっと待てよ、なんかこれじゃ私の訃報を耳にした黒にんにく2曹の昔語りっぽいんですけど・・・。なぜ
かそんな光景が脳裏に浮かんだ試食でありました。
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