海軍シーフードカレーソース
さて今回は、『海軍シーフードカレーソース』です。これは2012年の終わりに江田島を訪れた際、小用港の
売店の片隅で埃を被っていたものを発見したのですが、こんなものまで販売されているんですね。製造元は
海軍カレーでお馴染みの調味商事梶Bパッケージのデザインが同社の『よこすか海軍カレー』とほぼ同じな
ので、同一軸線上にあるシリーズ商品の模様ですが、こちらはネイビーブルーとは随分違った色合いです。
それにしてもこれ、何色って言えばいいんでしょう。オレンジ色でも朱色でもなく、柿色が一番近いかな?
ちなみにこの商品はあくまでカレーソースであり、具は入っていません。別に海の幸を用意し、炒めてソー
スに入れて完成なので、あくまで半調理済みの材料の一つ、と捉えた方がよさそう。
パッケージの裏面には、例によって旧海軍の礼装に身を包んだあのオジイチャンが登場しています。KFC
のカーネルサンダースの如き、調味商事のシンボル的な存在なのでしょうか。確かにこれ位御歳を召した方
が礼装をびしっと着こなしていると、カレー全体に漂う海軍度が一層高まって雰囲気ありますね。
前置きはこのくらいにして、さっそく作ってみましょう。今回用意した具は基本的に残りもので、冷凍のブラッ
クタイガーとイカ、あとパセリとバター、日本酒(白ワインがあればベスト)を少々。
ちなみに冷凍のブラックタイガーですが、殻をむいて背ワタを取り除き、片栗粉と塩、日本酒少々でしっかり
揉み洗いした後水で洗い流し、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。この下処理をしっかりする事で独特
の臭みや冷凍庫臭、水っぽさが抜けるので、安物の冷凍エビでも十分美味しく頂く事ができます。
まずはレトルトに入ったカレーソースを湯煎して温めておき、フライパンにバターを入れて火にかけます。バ
ターが溶けたところで下処理したブラックタイガーとイカを投入。中火で軽く炒めます。
ブラックタイガーの色が変わったところで、素早く日本酒少々(杯半分ぐらい)を注ぎます。エビやイカは火が
通り過ぎると固くなるので、ここまではスピーディーに。
フライパンの中の日本酒がふわーっと沸騰したら、あらかじめ温めておいたレトルトを開封してカレーソース
を注ぎ込み、キッチンへらやおしゃもじで軽く撹拌しながら中火で加熱。全体が沸騰したら完成です。うーん、
あっという間ですね。
それでは試食と行きましょう。おお、赤っぽい色合いのカレーが実に食欲をそそります。なるほど、パッケー
ジのあの微妙な色はカレーソースの色だったんですね。とりあえず一口です。
おお、これは美味しい!トマトの軽やかな甘味と酸味にエビのミソっぽい濃厚な旨味が加わり、いかにも“海
の幸”といった本格的な味わいです。普通のカレーにエビやイカをトッピングしただけ、といったおざなりなシー
フードカレーとは全く別物の、最初から海の幸を美味しく食べるために作られた本物のシーフードカレーソース
だと言えます。
材料はこのほかにもアサリやカニ、タコ、、牡蠣、白身魚、ホタテなど海のものなら何でも合いそうですが、こ
のエビミソっぽい旨味とのマッチングを考えると、安物でも十分ですからエビは必ず入れて頂きたいですね。
元のソースの味が素晴らしくしっかりしているので、解凍したシーフードミックスを放り込むだけでも十分それな
りのお味になると思います。
一口ごとの旨味は非常に濃厚ながらも味わいはあくまでさらりとしているので、あまり煮込まない方が美味し
く仕上がるだろうなあ。あらかじめレトルトをしっかり温めて、煮込みに時間をかけない方がこのカレーソース
の本領を発揮出来ると思います。
いやしかしこれ、本当に美味しいなあ。晴れた日の海辺で、潮風に吹かれながら食べてみたいものです。市
販のレトルトカレーよりも少々手間はかかりますが、その分ちょっとしたひと手間や工夫次第で本格的なシー
フードカレーが楽しめるので、見つけた時は是非いくつか買い込みたいなあ。
あと、あからさまなカレー臭さもないので、ビールにもばっちり合いそう。冷えた白ワインで頂くのもいいかもし
れませんね。
タマ数の少なさでレア物感がありますし、簡単ながらも料理をする楽しさも味わえる、従来のレトルト海軍カレ
ーとはひと味もふた味も違った価値のある商品だと思います。味覚的にも大満足でしたし、値段以上の価値を
感じました。
パッケージ裏面のいつものオジイチャンが、心なしか得意げなドヤ顔に見えた逸品でありました。
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