しっかりと温めたレトルトパックを開封すると、ほほう、刺激的なカレーの香りと共に、甘とう独特の青くさい香りが
ふわりと漂って来ます。まずは一口。
うん、無印版の系譜を引き継いだ、軽やかな酸味が特徴的な美味しいカレーです。このししとうの様なピーマンの
様な不思議な香りが、意外にもカレーとケンカせずにはんなりと融合しているのが、実に京都らしい懐の深さだと言
えるでしょう。
具は小さな牛肉が2切れとイチョウ切りのニンジン。タマネギの甘さも感じられますが、これは完全に溶け込んで
いる模様です。そしてこの、所々に浮かんでいる四角いのが甘とうですね。ししとうやピーマンよりもずっと肉厚で、
ほの甘く青くさい個性が全然カレーに負けていないのが素晴らしいなあ。
カレー自体は結構辛いのですが、やわらかな酸味も手伝って、どこか夏向けなスッキリした辛さになっています。
コクはあるけれど重くはなく、さらりとしているのにしっかりとした食べ応えのあるこのカレー、かなりの実力派と言
えるでしょう。
そもそもご当地カレーには、地場ものの特産物に拘り過ぎるあまり、かなり無理のあるシロモノも少なくないので
すが、これは京野菜の代表格である万願寺甘とうをきっちりと取り込みつつ、その旨味も存分に引き出していると
いう点で、他の安易なご当地カレーとは一線を画していると言えますね。
明治期の海軍を発祥とし、平成の今日まで日本中で愛されてきたカレーと、伝統ある京野菜との見事なコラボレ
ーション。十分に満足のいく、美味しいご当地海軍カレーでありました。
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