戦闘つけめん
という訳で、今年・・・もとい今回は、自衛隊戦闘糧食『戦闘つけめん』です。言うまでもなく、例によって鋼海
物産の仕業・・・もとい納入によるものですが、よくよく考えてみるとこれだけ麺類好きな日本人なのに、自衛
隊戦闘糧食に一つも麺類が採用されてこなかったのは不思議な話ですね。まあ、SDFヌードルがあるには
ありましたが、あれは制式採用された糧食ではありませんし、2011年の内容の改定を最後に姿を見かけな
くなりましたし。
それにしても、うどんでもそばでもなくつけめんか・・・。ちょっと意表を突かれた気分です。普通の汁もの麺
類を缶詰にするのは流石に無理がありますし、今時の若い隊員さんの嗜好に合わせる意味からも、これは
なかなか面白い選択かもしれません。
まずは外観から見てみましょう。味も素っ気もないOD色の缶詰ですが、この戦闘つけめんは麺缶、具缶、
めんつゆ缶の3つから構成されています。保存期間は他のⅠ型缶飯と同様に製造後3年で、冬場に暖かくし
て食べたければ湯煎で、夏場に冷たく食べたければそのままでもいけるとの事。
とりあえず麺缶から開封してみますが、ほほう、まるで今さっき茹でたばかりの様なつやつやの黄色い中華
麺が、ぎっちりと入っていますよ。中太の麺には軽い縮れが入っていて、めんつゆとの絡みも良さそう。
続いては具缶。おお、いきなりチャーシュー様のお出ましです。豚バラ肉を丸めた5mm厚のチャーシューが
2枚、堂々たるボリュームを誇っていますね。脂身のバランスもよろしく、これは美味しそうだなあ。
ちなみにチャーシューをどけると、こんな感じ。下には茹でキャベツ、ワカメ、青ネギが入っていました。青ネ
ギはまるでついさっき切ったばかりの様に瑞々しく、これが長期保存の缶詰とはちょっと驚き。以前の戦闘ピ
○といいコレといい、革新的な技術を変な事ばかりに使いたがる自衛隊&鋼海物産コンビであります。
最後はめんつゆ缶です。おお、表面にはラー油たっぷり!これは強烈そうだなあ。どうやらこのつけめんは
広島風らしく、軽やかな酸味の効いたすっきり醤油仕立てのつゆに、ラー油の辛味を加えたとの事。いやあ、
私大好きなんですよね、広島風のつけめん。早速試食してみましょう。
ギラギラと凶暴そうに輝くめんつゆに青ネギとワカメ、茹でキャベツを加え、つやつやの中華麺をそっと浸
します。青ネギの小片や唐辛子の粒を纏い、赤黒く染まった黄色い中華麺がなんとも言えないなまめかしさ。
江戸川乱歩の世界観を彷彿とさせる、エログロテイストを感じます。
爽やかな柑橘系の酸味とさっぱりした甘辛出汁醤油味がよくマッチしていて、ラー油の香りと辛味も十分。
いやー、これは美味い!しまった、鋼海物産の担当者に戦闘麦酒も一緒におねだりして来るんでした。きっ
とよく合っただろうなあ。
この戦闘つけめんですが、現場の隊員さんからの評価は上々らしく、納入された部隊では奪い合いになっ
ているとか(笑)。今後はさらに具缶やめんつゆ缶のバリエーションを増やして、様々な組み合わせを楽しめ
る展開にする予定だそうです。予断を許さない国際情勢の変化に迅速な対応を迫られている昨今の自衛隊
ではありますが、隊員さんの胃袋のニーズにもちゃんと応えているんですね。その辺に関しては大いに安心
かつ納得できた試食でありました。
この記事は、2016年4月1日にupしました。
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