牛丼




 


    さて、今回は牛丼です。湯煎したレトルトパックを開封し、皿に開けてみましょう。うーん、肉はフレーク状にほ
   ぐれていて、完全に煮崩れてしまっています。タマネギも蕩け切っていて、見た目はネコ缶か離乳食の様。しか
   し、すき焼きの様な甘辛しょうゆ味の何とも言えない香りが漂っていて、かなり美味しそう。このまま牛皿として
   食べてもいいのですが、折角だからご飯にかけてみます。うん、汁気が染み込んで、ようやく牛丼しい見た目に
   なりました。
    先ずは一口。おお、美味い!デロデロな見た目を大きく裏切る上品な味に、ちょっと驚きであります。牛肉とタ
   マネギの自然な甘みが醤油に引き立てられて、パック白飯の味気なさをしっかりカバーしていますね。見た目は
   若干アレですが、味は市販のレトルト牛丼に引けを取りません。
    内容量の割には汁気が多い様な気がしますが、2パックある白飯で調整すればいいでしょう。1パックだけなら
   つゆダクとして楽しめますし、2パック使うならつゆの染みた白飯と染みてない白飯の両方を楽しめると思います。
    汁物は『即席わかめスープ』。160mlのお湯を入れると、ワカメたっぷりのスープの出来上がりです。味は市販
   のフリーズドライものとほぼ同じ。しかし、戦闘糧食に海草が入っているのって、世界的に見ても珍しいのではな
   いでしょうか。
海草には体に大事な天然ミネラルが豊富に含まれますが、どっちかと言うとカロリー重視の一発
   勝負
的な性格ですからねえ、戦闘糧食って。
    ちなみに画像はお湯を入れる前の状態ですが、これをそのままの状態でフリカケ代わりにして食べる隊員さん
   もいるそうです。


    漬物は『福神漬』。T型のあの恐ろしい福神漬を想像してしまいますが、味はいたってまともな福神漬。よくあ
   るオレンジ色の福神漬では無く本来の醤油色で、味はT型の黒蜜の様な強烈な甘味も無く、牛丼との相性も悪
   くありません。
    ただ、よく見ると大根ばっかりですね。T型の方は七福神の名にふさわしく、ナタマメ、ナス、ウリ等が具沢山で
   楽しかったのですが。しかし原材料表示にはちゃんと7種類の材料が書かれていたので、たまたま大根ばかりの
   ものにあたってしまったみたいでした。


    それよりも問題は、パッケージにあった『原料原産国 中国』です。味付けは日本でしているみたいですが、大
   丈夫なのかなあ…。コストとの絡みも無視できませんが、出来れば国産でまかなって貰いたいものです。

    全体的に見ても、かなり美味しい部類に入る戦闘糧食でした。牛丼・ワカメスープ・福神漬の味のバランスも良
   く、何と言っても日本人には米と醤油味!と痛感させられる、満足度の高いメニューでした。


牛皿です




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