さて、先ずは朝食・・・の前に、ウェットティッシュで両手を拭きましょう。変な香りではなく好感が持て
ますが、兵隊さんが食べる事が前提なのですから、傷口の滅菌にも使用できるアルコールを含ませたウェット
ティッシュの方が便利な気がします。
Solgryn med Hindbær(ラズベリーシリアル)は大きなOD色の袋に入っていて、なか
なか存在感がありますね。固いパッケージを開封してチャックを開けると、中にはフリーズドライ加工された
シリアルが入っていて、ぷんと甘酸っぱい香りが漂います。
説明書きの通りに300mlの熱湯を注ぎ、しっかり撹拌してからチャックを閉じて3分待つと、熱々のシ
リアルの出来上がり。ぱっと見はどろどろの穀物粥風ですが、全体が如何にもラズベリーらしい赤紫色に染ま
っていて、なんだかお赤飯みたい。先ずは一口頂いてみましょう。
んん~、ラズベリーの酸味が芯になった、実にさわやかな風味。お粥の様にするすると口に入るのかと思い
きや、沢山入っている穀物それぞれの歯応えが賑やかで、スプーン一口分でもかなりの回数を噛む必要があり
ます。お陰で朝からぱっちり目が覚める感じですね。挽いた押し麦の他に色んなものが入っていますが、これ
はココナッツの果肉かな?またこの、トマトの種みたいなプチプチしたものはなんだろう。
原材料表示を見てみると、入っているのはオートミール、ドライミルク、かぼちゃの種、ラズベリー、ココ
ナッツ、小麦粉、亜麻仁、砂糖、スパイス。ははあ、この黄緑色の大きな種がかぼちゃですね。先程トマトの
種みたいと思ったプチプチは、亜麻仁だった模様です。
最初はラズベリーの甘酸っぱさがガンときますが、慣れると其々の食材の持つじんわりとした味わいが染み
出て来て、なかなかに美味しい一品であります。日本食でこれに近いものを挙げるとすれば、梅干しを入れた
五穀米粥かな?
しかしこれが430gと結構なボリュームで、小さめの丼一杯分ぐらいあります。同じラズベリー味が延々
と続くのは、ちょっとしんどい様な・・・。途中で味の方向性を変えたくなりますが、付属の塩や胡椒、マヨ
ネーズ等はどれも合いそうにないので、黙々と酸っぱいシリアルを口に運びます。
続いてはRugbrød(ライ麦パン)。形は違いますが、ドイツ軍の戦闘糧食に入っていたものと同じで
すね。携帯電話サイズの薄いパンが2枚入っていて、この湿った古雑巾みたいなすえた香りが独特だなあ。酸
味とクセに最初は少し戸惑いますが、口の中でカミカミしていると不思議な旨味が舌の上に広がり、麦の真ん
中のシャリシャリした口当りの刺激もあって結構美味しく頂けます。
そしてこのライ麦パンが、ラズベリーシリアルと実によく合いますね。どちらも酸味系の似た味わいなのに、
一緒に食べると味がグッと膨らむのが面白い。
粉末ドリンクはラズベリー味。うーん、ラズベリーが重なってしまいました。とは言えこれがなかなかのス
グレモノで、500mlの冷水で溶かすと甘さも酸味も爽やかな飲み物の出来上がり。ぱっと見はMREのチ
ェリードリンクに似ていますが、こちらの方がずっと自然な風味でスルスル飲めますね。これ、温かいお湯で
作っても美味しそうだなあ。
対照的にSolbær(クロフサスグリのジャム)は、殺人的なドギツイ甘酸っぱさ。ドイツ軍戦闘糧食に
もクロスグリのジャムがありましたが、デンマーク軍のはさらに喉がひりつく様な、実にMREチックなエグ
イ甘酸っぱさです。塩と間違えて砂糖で漬けた梅干しというか、瓶詰めのノリの佃煮に酢をブチ込んだという
か・・・正直言ってかなりつらい味わいです。うーん・・・。
Nøddemix(ミックスナッツ)の小袋は、アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、ウォールナッ
ツの4種入り。どれも余計な味がついておらず、素材そのままの味が楽しめます。炒ってもいないので微妙な
湿り気があり、なんだか森の小動物になった気分。
ここまで甘酸っぱい味が立て続けだったので、口の中にじわっと広がる植物性脂肪のコクとほのかな甘味、
そして自然な渋味がなかなかイケます。まさに森の恵みそのものですね。
以上で朝食は終了です。甘酸っぱい食品が幾つも重なってしまったのは、流石に組み合わせのミスだったか
な?朝は血糖値を上げるために甘味を中心にして、酸味は昼夕の疲労回復に回した方がよかったかも。取り敢
えず締めのコーヒーには砂糖を入れて、体を温めるとともに糖分を補給しておきましょう。
ちなみにコーヒーは、ごく普通のありふれたインスタント。シンプルな苦味とほのかな酸味が朝の目覚めに
は丁度いい感じでした。
あと、食後の歯磨きを兼ねてシュガーレスの粒ガムを。パッケージはなんだか旅行用の小分け洗濯石鹸みた
いですが、味は至って普通のミントテイスト。よく見ると歯のイラストが描かれていましたが、やたらリアル
なのがちょっとトホホです。歯医者が苦手な私は、このイラストを見ているだけで足の裏から大腿の裏にかけ
てざわざわざわざわした不安感が上がって来そう(子供か)。
甘酸っぱい続きながらもそれぞれに微妙な味の違いがあり、結構楽しめた朝食でした。
続いては昼食です。先ずはメインのChicken Korma Potato(鶏肉とジャガイモ)のレ
トルトを温めましょう。付属の加熱袋は米軍のものとそっくりですが、レトルトの大きさに合わせて袋も結構
なサイズになっています。
袋の上部を切り取って加熱剤を取り出し、レトルトと抱き合わせにして再び袋に仕舞いこみ、下のラインま
で水(60ml)を注ぎます。最初加熱剤はまるで反応を示さず、ああこりゃハズレかと思いましたが、30
秒ほど経った頃に突然ぶち切れた様にブシューと発熱開始。おお、びっくりした。時限信管だったのか(笑)。
加熱剤はあっという間に温度を上げ、すぐに素手では触れない状態に。これは自衛隊のⅡ型加熱剤と同じモ
ーリアンヒートパックですね。パワーは折り紙つきなので、火力不足の心配はなさそう。そのまま12分放置
します。
その間に粉末ドリンクのラズベリーを作りますが、朝と同じでは芸が無いので、ここはお湯で作ってみまし
ょう。500mlの熱湯で溶かすと、実に鮮やかなホットラズベリーの出来上がり。一口飲んでみると、おお、
これは美味い!冷水で作った時には分からなかった、複雑で鮮烈な香りが堪りません。確かにラズベリー味で
はありますが、白桃やサクランボに似た香りもあり、一口含むだけで全身の力がすっと抜けていく様な、戦闘
糧食とは思えないリラックス気分を味わえます。
また、今回は白いマグカップに入れたので、色合いの華やかさが一層際立ちます。鼻に抜けていく柔らかな
香りと透明感のあるロゼの色合いを眺めていると、何だかリッチな気分になりますね。
つづいてはPeanut Butterを開封。MREのピーナッツバターよりも柔らかい上にパッケージ
の開口部が小さいので、にゅるにゅるとパスタ状に出て来るのが面白いなあ。味はごくありふれた普通のピー
ナッツバターですが、クリーミーな口当たりなので食べ易いです。
そしてこのピーナッツバター、意外にもライ麦パンとの相性が抜群でありました。口の中でパラパラと崩れ
落ちる湿った麦の粒が、程良い緩さのピーナッツバターにうまく絡まってとても食べ易くなります。ライ麦パ
ン特有のクセのある酸味も程良く緩衝されて、お互いがお互いを引き立て合う見事なマリアージュ。MREで
はあの粘着質な性格に苦しめられる事の多かったピーナッツバターですが、美味しいものはこんなに美味しい
んですね。ライ麦パンの実力も再確認出来ましたし、やるなあピーナッツバター。
機内食のパックマーガリンみたいなHonning(蜂蜜)を開封すると、気温が低かった所為か中身は半
分固まっていました。一口掬って舐めてみると、あまり上品とは言い難いワイルドなお味。悪く言えば雑味の
強い下品な蜂蜜ですが、戦闘糧食ならこれ位で丁度いい様な気がしますね。
またこのザラついた粗野な味わいが、ライ麦パンともよく合います。蜂蜜は栄養価が高いし効率のいいエネ
ルギー源なので、実に戦闘糧食向きと言えるでしょう。
Hindbær Frugtkorn(ラズベリーの粒)は、所謂フルーツグレイン、果実のピュレを固め
て乾燥させたものです。ゴム板を小さくカットした様なものが沢山入っていて、甘酸っぱい香りが漂います。
一つ口に含んでみると、なるほどこれはラズベリー。食感は乾燥プルーンや干し柿に近く、爽やかな甘酸っ
ぱさの中に出汁昆布の様な深い味わいがあり、結構美味しいなあ。
さて、そろそろ12分が経過しました。Chicken Korma Potatoの加熱具合を確認する
と、すっかり熱々になっています。400gもあるこのでかいレトルトをここまで温めてくれるとは。加熱剤
にお礼を言いながら、さっそく一口。
おお、美味いですよこれ!たっぷりの鶏肉とダイスカットのジャガイモがあっさりしたソースに持ち味を引
き出され、実に美味しい煮込み料理になっています。それにしても、このソースの味が素晴らしいですね。ホ
ワイトソースをコンソメでのばして、シンプルに塩を効かせた感じでしょうか。いやこれ、ホントよく出来て
います。
脂肪分が少なくそのままではパサついた食感の胸肉ですが、煮崩れたジャガイモとソースのサラリとした粘
度に助けられ、口当たりは意外にもしっとり。ジャガイモもレトルトの長期保存食とは思えないほど風味も食
感もしっかりしていて、ちょっと驚きの味わいであります。黙ってお皿で出されたら、レトルトだとは気付か
ず食べてしまいそう。
鶏肉はかなりたっぷりで、あっさり味ながらも肉をガツンと食べた満足感があります。うん、これを昼食に
持ってきて正解だったなあ。
ただこの煮込み料理、一袋で400gもあるのでどうしても途中から飽きてしまいます。と言う訳で、封入
されている調味料を足して味に変化をつけてみましょう。
まずは小袋入りの胡椒から。中からは荒挽きの黒胡椒がパラパラと出て来ました。さっそく混ぜ込んで食べ
てみますが、ほほう、あっさり味のソースがぎゅっと引き締まり、随分と大人の味になりますね。これはビー
ルが欲しくなるなあ。ライ麦パンとの相性も上々です。
続いてはMEXICANA MEDIUM PICANTE。どうやら中辛のホットソースの様ですが、私
はこの南米テイストが大好きなのでちょっと嬉しいなあ。パッケージも随分可愛らしく、ソンブレロを被って
マラカスを持ったメキシカンとサボテン、荒野の彼方に落ちる夕陽が見事にデザインされています。その夕陽
が見ようによっては日の丸にも見え、仲良くしようぜアミーゴ!という気分ですね。
さっそく鶏とジャガイモの煮込みにかけて食べてみますが、おお、これも美味い!ホットソース独特の青く
さい酸味と辛味が煮込みのシンプルかつ複雑な塩味と合わさって、素晴らしい味わいになりました。ホットソ
ースの辛味はあくまでマイルドで、料理を引き立てる補助としての役割をきちんと理解してくれているのが頼
もしい。いやこれ、本当に感動的な美味さですよ。ガツガツと一気に食べ切ってしまいました。
いやあ、実に満足度の高い昼食でした。どれ一つとして不味いものが無く、まさに至福のひととき。ライ麦
パンだけが少々異質な雰囲気をまとっていますが(私は好きですけど)、ピーナッツバターや鶏肉とジャガイ
モの煮込みがうまくフォローに回り、それぞれのいいところをお互いに引き出しあった感がありました。
メインのボリュームは圧倒的でしたが、黒胡椒やホットソースと組み合わせる事で3つの味が楽しめ、それ
ぞれが個性的な美味しさを見せてくれたのも好印象。最後まで飽きることなく食べさせてくれました。いやは
や、デンマーク軍恐るべし!
最後はインスタントコーヒー。ごく平凡なスティックコーヒーながら、充実した食事の後だとこんなものま
で美味しく感じられるのですから、味覚というものは不思議です。
昼食の後は、午後のティータイムです。紅茶のティーバッグはアールグレイで、このあたりはデンマークの
拘りなのかな?味はまあ、ごく普通のアールグレイでした。
RAW BITEと書かれた発泡入浴剤みたいなものはオーガニックフルーツ&ナッツバーで、見たところ
これが一番おやつっぽいですね。麻雀牌2個分ぐらいの大きさの、バーというよりもブロックといった風貌。
齧ってみるとみっしりと固く湿った口当りです。さぞかし甘いだろうと覚悟していたのですが、意外とあっさ
りで美味しいなあ。ブランデーみたいな香りもありますし、甘さもドライフルーツの様な自然な甘さで嫌味が
ないのもホッとしました。
上品なスコッチケーキをぐっと圧縮した様な、戦闘糧食にしては珍しい妙にリッチな味わい。アールグレイ
との相性も申し分なく、とても充実したティータイムを満喫できました。
ラストは夕食です。やけに小物類が多くなってしまいましたが、とりあえずTUNA WITH LIME
AND PEPPERから開封。使い捨てカイロ大のレトルトの中からは、ほぐしたツナが出て来ました。一
口食べてみると見た目通りのさっぱり味で、もうひと味欲しいところだなあ。ライムと胡椒で味がついている
筈ですが、よく言えば素材重視の味、悪く言えばキャットフードみたいな素っ気なさを感じます。
あ、そうだ、マヨネーズの小袋があるんですから、ここはツナマヨにしちゃいましょう。Mayonnai
seを開封して、まず味見。
んん~、確かにマヨネーズですが、砂糖が入っているのかやけに甘いなあ。ちょっとこれは予想外と言うか
・・・。とりあえずツナと混ぜてみますが、やっぱりこの菓子パンみたいな不自然な甘さが馴染めません。
ここでふと思いついて黒胡椒を加えてみると、だらしない甘さがきりっと引き締まり、いい塩梅になりまし
た。ああ、よかった。味のデコボコに苦戦しましたが、どうにか着地点に収まってくれた感じ。お好みで塩を
少し加えても美味しいかもしれません。
そしてこの胡椒を効かせたツナマヨをライ麦パンに乗せて食べると、なかなかよく合います。あ、よよく考
えたらこれってオープンサンドなんですね。意図せずしてデンマークの食文化に則った正式な食べ方に辿りつ
いてしまいました。
ツナのあっさりした白身魚の旨味、マヨネーズのコクのある甘さ、黒胡椒の香り、ライ麦パンのクセのある
酸味がいい具合に絡まり合い、これはウォッカと相性がよさそう。
また、袋に残っていたマヨネーズだけをライ麦パンに塗っても美味しく頂けます。このマヨネーズは甘味が
勝っているので、ライ麦パンの酸味とぶつからないんですね。
Jordbærgrødを直訳するとイチゴ粥になりますが、これもなんだか怪しい一品です。恐る恐る開
封してみると、んん~、お粥と言うよりもゆるめのイチゴジャムみたいなのがどろどろと出てまいりました。
一口食べてみると、うん、ごくあっさりした軽い甘酸っぱさがいい感じ。イチゴと言うよりもラズベリーっ
ぽい味わいで、おやつ小梅の様な風味が爽やか。そしてこれも、ライ麦パンとの相性が抜群でした。
Grovkiksは派手な赤い包装のビスケット。見た目は大きいですがとても軽く、ラスクみたいなサク
サクカリカリの食感が心地いいなあ。最初は荒く挽いた麦独特のザラザラ感が気になりましたが、香ばしさの
後にほのかな甘味が口中に広がり、これは滅茶苦茶美味しい!今まで各国の戦闘糧食を試食しましたが、ビス
ケット単体での美味しさはイギリス軍と並んでトップクラスです。
Brussels Pateと言うのがよく分かりません。ブリュッセルのパテ?疑問を感じつつ開封する
と、中身はレバーペーストでありました。食べてみると味はなかなかですが、ちょっと生臭いというかレバー
独特のクセが強いですね。私はあまり気にしませんが、苦手な人だと結構キツイかも。
ただこのクセのあるレバーペースト、ライ麦パンに乗せて黒胡椒をぱらりとかけると、これも実に美味しい
オープンサンドに早変わり。もう少し贅沢を言わせてもらえれば、生タマネギやブラックオリーブ、イタリア
ンパセリなんかも欲しいところですが、これだけでも十分に満足のいく味わい。これもウォッカで食べたら幸
せだろうなあ。
Solbærは朝食と同じ、クロフサスグリのジャムで、馬場チョップの様な甘さが脳天を直撃します。う
ーん、これはキツイ・・・。他の食品類が素材型の美味しさで本領を発揮しているだけに、この一人だけ浮き
まくりな不自然極まりない甘さには閉口してしまいます。
余談ですが、馬場チョップはかのジャイアント馬場が遠征先の旅館の鴨居に額をぶつけてその痛さに驚き、
同じ様に相手の額をチョップすればとても痛いのではないか?と閃いたところから生まれた必殺技だそうです。
またそれを必殺技にしようと考えた馬場に対し、師匠である力道山は
「そんな事をしたら相手が死んでしまうぞ!」
と真顔で引き止めようとしたとか。凄くステキな話ですね。
Chocolate drinking powderは、ごく普通のココアでした。200mlのお湯で
溶かしますが、この濃厚ながらも穏やかな甘味が邪智暴虐極まるクロフサスグリの後だととても優しく感じま
す。
一緒にティーバッグの紅茶も作りましたが、この安物丸出しの紅茶が全体を上手くまとめてくれるのですか
ら、味覚とは価格や等級だけでは割り切れないものがありますね。
Nøddemixは、朝食べたミックスナッツと全く同じものでした。
あと最後に残ったRabel proteinbarをおやつに頂きます。パッケージにはToffeeと
書かれてあるので、キャラメル風味の模様。うーん、やっぱり甘いのかなあ。タンカラーのパッケージが米軍
のMREにそっくりなのも、不安に拍車をかけてくれます。
中からはカロリーメイトを平べったくした様なバーが出て来て、表面をコーティングしている薄茶色のロウ
っぽいのがトフィーなのかなあ。とりあえず少しだけ齧ってみますが、あれ?思ったほど甘くないですよ。む
しろほんのり苦味の効いたカフェオレのような香りがあり、結構イケます。
口当たりはさっくりでもみっしりでもない優柔不断な発泡スチロールみたいですが、上品な甘さがいいです
ね。ブラックコーヒーとの相性もよろしく、一日の最後をきれいに締めてくれた感じでした。
以上、デンマーク軍戦闘糧食の試食を終わります。全体的に食材の持つ素材の味を生かした味付けで、シン
プルながらも懐の深い美味しさがありました。やたらとラズベリー味が多いのはやや単調に思えましたが、こ
れは私がラズベリーに馴染んでいないだけで、デンマークの人達にとっては普通なんでしょうね。
素材重視の味わいが多いので、ツナやレバーペースト、ライ麦パンが少し食べにくく感じる人もいるかもし
れませんが、塩胡椒だけでなくマヨネーズやホットソース等の調味料が充実しているので、工夫次第で自分に
合った味を作る事も可能。簡単な料理気分が楽しめますが、食べる側にもう一歩の踏み込みを要求する、ある
意味中級者向けの戦闘糧食とも言えますね。
ライ麦パンはそれ自体に結構クセがあるので、オープンサンド風に食べるのが正解だと思います。この試食
をきっかけに、少しはデンマークの食文化に触れる事ができたでしょうか。
それにしても、やっぱり初めて食べる他国の戦闘糧食は面白いなあ。自衛隊や米軍の戦闘糧食はもうすっか
りお馴染みの味なので、より理解を深める事が出来る反面目新しさの様なものは感じないのですが、未知の戦
闘糧食の試食は相手が何をしかけて来るか分からない異種格闘技戦的なドキドキ感が堪りません。
普段とは違う方向からのアプローチならではの意外な発見もありますし、これからも地雷原の如き戦闘糧食
ロードを突き進もうと、決意を新たにした試食でありました。
トップページに戻る
戦闘糧食試食レポート目次に戻る
|