中華風カルビ



    さて、今回は『中華風カルビ』です。アルミのパッケージを開封すると、中からは白飯パックと赤飯パック、そして大小
   2つの副食レトルトが!
U型も改良版になってからは少々内容が寂しい気がしていたので、おかずが2品あるだけでも
   すごく豊かな気分になってしまいます。
大きい方は中華風カルビ、小さい方はウインナー。おお、肉食ですね。




 




    さっそく湯煎で温めた中華風カルビから開封。ドロドロとした茶色い粘液状のものが出て来ましたが、ん〜、肉は何処
   にあるんだ?付属の先割れスプーンでかき回してみますが、何だがタマネギばっかりなんですけど・・・あ、あった!ぴら
   ぴらした薄切りの牛肉が出て来ました。
    しかしこれで中華風カルビと名乗るのは、やや名前負けの様な気がしますね。スープとタマネギ、肉の割合が5:4:1
   ぐらいです。もしかしたら、ハズレのレトルトを引いてしまったのかな?
    とにかく一口。んん〜?これはまたU型改良版になってからよくあるタイプの、何と言っていいのか分からない微妙な
   味
だなあ。麻婆豆腐とドミグラスソースを8:2で混ぜた様な不思議な味です。中華とはちょっと言い難い・・・とは言い切
   れない・・・事も無い・・・様な気がしないでもない・・・。そんな感想ですね。
    しかし味自体は決して悪くなく、むしろ白ご飯との相性はいい部類に入ると思います。何だかんだ言いつつも、パクパ
   クと食べてしまいました。


    何て言うんですかね、昭和初期の新しい物好きはりきりアバウトお母さんが、『婦人倶楽部』等の雑誌のレシピを見て
   初めて中華料理にチャレンジしてみたはいいけれど、手に入らない調味料があったので手近な材料でそのままムリヤリ
   作っちゃいました!
みたいな感じです。それが子供達にはけっこう好評で、お母さんまた作って―、みたいな。
    一方のウインナーは前のT・U型のような、ネリモノっぽいウインナーを想像していたのですが、レトルトから出てきた
   のはぱっと見あら挽きソーセージっぽいシロモノです。薄茶色いスープには小さな油滴がキラキラと浮いていて、ほのか
   なスモーキーフレイバーも漂っていて美味しそう。
    一口齧ると、おお、市販のあら挽きソーセージにそっくり!はっきり言って美味いです!スープで煮た後レトルトパック
   に詰められている所為かプリプリ感こそ少ないですが、表面のケーシングをぱきっと割った後にじわっと出てくるジュー
   シーな肉汁の旨みもちゃんとあり、
これはちょっと驚きました。スープは肉の旨みをしっかりと受け止めつつ塩味が効い
   ていて、これだけで一品のおかずに匹敵する味わいです。


    それにしても、T・U型のウインナーから格段の進歩を遂げていますね。ウインナー3日会わざれば括目して見よ!
   言った所でしょうか。これを作った人には、『たいへんよくできましたスタンプ』を進呈したい気分です。
    主食の赤飯は妙に片一方に寄っていて、何だか学生鞄に縦に入れたお弁当みたいです。よく見ると容器内に隙間が
   多く、白飯と同じサイズのトレーに白飯よりも少ない量を入れている模様。内容量を確認してみると、白飯が200gなの
   のに対し、赤飯は170gでした。
使用している米も白飯はうるち米、赤飯はもち米ですし、小豆や着色料を使用している
   分だけ赤飯の方がコストが掛かっているのでしょう。


    しっかりと温めたのですが、白飯よりも赤飯の方が冷えて固くなるのが早いなあ。米の質の差だと思うのですが、先に
   赤飯を平らげてから白飯に取り掛かった方がいいと思います。味はまあ、普通のお赤飯ですね。これもコストの絡みなの
   か、小豆の量が少なかったのがちょっと物足りない印象です。T型の赤飯缶は、小豆もしっかり入ってかなり美味しかっ
   たんですけどね。
    まずはウインナーで赤飯を頂き、その後おもむろに中華風カルビで白飯を頂くのが、一番美味しい食べ方なのかもしれ
   ません。


    メインの中華風カルビは最初はやや「?」な印象でしたが、ウインナーや白飯、赤飯との連係プレーが良く、それぞれ
   の味のバラエティも富んでいて、なかなかいい仕事をしている戦闘糧食だったと思います。




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