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まずはメインのレトルトを湯煎にかけて温め、その間に粉末マンゴージュースを作ります。パッケージを開
封すると、実に分かりやすいマンゴー風味が漂う粉末が出て来ました。これを８オンス（２４０ｍｌ）の冷水
で溶かすと、薄いオレンジ色の液体が出来上がりました。
早速飲んでみますが、なるほどこれは見事なマンゴー味。マンゴーと桃のネクターをスッキリさせた感じで、
爽やかな酸味もあって実に美味しいなあ。若干の粉っぽさはありますが、ネットリ系ではないスッキリ系のト
ロピカルテイストがいいですね。これ、今まで飲んだ戦闘糧食の粉末飲料の中では屈指の出来だと思います。
次はＳＬＩＣＥＤ ＡＰＰＬＥＳ。パッケージの中からは大量のリンゴのシロップ煮が出て来ました。これ、
小ぶりのリンゴ一つ分位ありそうですね。食べてみると、まずは軽やかな酸味が舌を刺激し、その後にじわっ
とリンゴの甘さが広がります。ああ、これもいけますね。シロップの甘味がリンゴの風味を損ねていないので、
甘味が苦手な私でもパクパク食べる事が出来ます。こういうのにありがちなシナモンの風味が無いのもいい意
味で新鮮だなあ。
さて、そろそろメインのＢＥＥＦ ＡＮＤ ＶＥＢＥＴＡＢＬＥ ＳＴＥＷが温まってまいりました。火傷
に気をつけながらレトルトパックを開封すると、牛肉・ジャガイモ・ニンジン・グリーンピースの入ったシチ
ューがどさっと出て来ました。ほほう、結構ボリュームがありますね。
食べてみるとこれがなかなか良く出来たシチュー。グレイビーソース風味のあっさり風味ですが、しっかり
芯の通った味で物足りなさはありません。ぱっと見でデミグラスソース風のシチューを想像していたのでちょ
っと意外でしたが、これはこれで肉じゃがっぽくて美味しいなあ。
途中で小袋の粗挽き黒胡椒を振りかけると、今度は急にパンチの効いた味になってこれまた美味。一本調子
にならない為にも、この“途中で黒胡椒”というのは有効ですね。塩はお好みでいいと思います。私は黒胡椒だ
けで十分美味しく頂けました。
続いてパンを開封。中から出て来たのは、紛うことなき見事なパン。焼きたてのバターの香り・・・という
訳にはいきませんが、これはこれで十分美味しいパンですね。水分が殆ど無いのでかなりモソモソした口当た
りですが、メインが汁気たっぷりなのでそれほど食べづらくはありません。
はちみつはかなり粘度が高く、パンに塗っても垂れ落ちる心配はありません。まあ現場の兵隊さんはは切り
口からそのまま吸い出すんでしょうね。味はどっしりしたはちみつそのものの味わいで、余計な雑味が逆に美
味しさになっているのが面白いところ。甘味が苦手な私ですが、これは不思議と美味しく頂けました。リンゴ
スライスとパンとの相性が抜群だったお陰かもしれません。
最後はチョコレートと粉末コーヒーです。チョコレートは何だか波模様みたいな不思議な形ですが、良く見
ると櫛型に切ったオレンジを６枚並べた形なんですね。パッケージにもオレンジがあしらわれていますし、こ
れはなかなか凝ってるなあ。
食べてみると意外に柔らかく、戦闘糧食の長期保存チョコにありがちな異様な硬さはありません。ほのかに
オレンジの香りがあり、このポクポクとした妙な歯応えが個性的。ナッツっぽいような落雁っぽいような、実
に不思議な口当たりです。
コーヒーはまあこんなもんだろうなあという感じで、特に見るべきものも変なところもありませんでした。
キャンディは濃い青と白のマーブル模様。パッケージにはミルクとブルーベリーが描かれていました。食べ
てみるとまさにそんな味で、しつこい甘さがやや気になりましたが、疲労回復には役に立ちそうです。
あ、食べる前にウェットティッシュで手を拭くのを忘れていました。開封するとこれがもう凄いニオイ。ト
イレのアサガオの中の玉っころを濡れた手で握りしめている様な、ちょっと勘弁してほしい不快感です。ある
意味、食事前に使用しなくて正解だったと言えるかもしれません。
全体的に見ると、良くまとまった戦闘糧食だったと思います。特にこれと言ったアピールや特徴はありませ
んが、十分に合格水準は満たしている感じ。米軍のＭＲＥを食べた後にしばしば感じる疲労感も無く、機会が
あれば他のメニューもぜひ試してみたいと思いました。
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【内容】