豚しょうが焼き

    さて今回は『豚しょうが焼き』です。豚しょうが焼きと言えば、白ご飯との相性が素晴らしい庶民のおかずの代表格
   すね。パワーのあるヘビー級メニューでもありますし、入手して以来試食が楽しみでした。
    OD色の薄いパッケージを開封すると、パック入りの白ご飯×2と先割れプラスチックスプーン、そしてメインのレトル
   トが出て来ましたが、このレトルトが銀色です。メニューによってレトルトがODだったりだったりパールモスグリーン
   だったりと、やけに統一感が無いのが気になりますが、これは何かの意図があってのことなのかなあ。とりあえず温め
   て食べて見ましょう。



 




    しっかりと温めたレトルトを開封し、皿にあけます。かなり汁気があるので、ぱっと見はしょうが焼きと言うよりも豚汁
   みたい。豚肉は厚切りで量もけっこうあり、野菜は椎茸タマネギ。スープの表面には脂肪が層をなしていて、かなり
   濃厚そうな見た目であります。前のU型ではあっさり系のメニューが多かったのですが、改良版になって以来ギトギト
   が幅を利かせるようになって来ました。甘辛醤油の香りもぷんと漂い、これはなかなか期待が持てそうですよ。まず
   は一口です。
    うーん、意外と味付けはあっさりなんですね。生姜の風味はほのかに香る程度で、かなり控えめな印象です。隠し味
   ではないのですから、もうちょっと出しゃばってくれてもいいんですけどねえ。味付けも脂肪分に負けない程度のごく最
   小限、
と言ったところなので、ちょっと物足りない気がするなあ。


    たっぷりのスープの中から豚肉と椎茸、タマネギをサルベージしてご飯に乗せると、豚丼みたいになりました。あ、よ
   く見るとタケノコも入っていますね。歯応えの異なる具材が揃っているので、食感の変化が楽しめます。
    しかしこう、やっぱり何かもう一つ足りないなあ。ここにもう一品、別メニューに封入されている味付け海苔でもあれ
   ば、全体の満足度がグッと高まると思うのですが。主食の白ご飯×2については、片方をドライカレーやチャーハンに
   しても良かったかもしれません。


    こうなると前のU型に入っていた漬物の小袋が懐かしいなあ。どう考えてもつぼ漬けだろこれ!とツッコミたくなるよ
   うな大根キムチ
や、わざとらしい味の高菜漬けがあれば、いいアクセントになった気がするのですが。
    スープ分が豊富なのでどうにか白ご飯2つを食べきる事が出来ましたが、全体的に見るとオフィスワークのサラリー
   マンのランチ程度のボリューム
だったと思います。これ、本当に合計1000kcalもあるんでしょうか。現場で体を動かす
   隊員さんにとっては、この味とこの量はちょっと寂しい気がします。確かに脂肪分はあるので数字の上でのカロリーは
   ある様ですが、隊員さんは車輛じゃないんだから、油だけ貰ってもなあ。豚しょうが焼き・・・という大看板を背負うには、
   かなり名前負けしている印象が残りました。

    ただ考えようによっては、メインの豚しょうが焼きと汁物の豚汁を合体させたメニュー、と捉える事も出来ないでは
   ありません。量的に少し物足りないのは事実ですが、実際の有事の際には、あまり満腹にすると逆に体を動かし難
   いのかも。そういう意味では合理的・・・なのかなあ。
    ぱっと見の華の無さはやや寂しいものがありますが、これプラス加給食としてカロリーメイト的なエナジーバーの類
   を用意して、空腹状態と状況に応じて隊員さんが調節して食べるシステムがあればいい様な気がしますね。あくまで
   私の素人考えなので、もしかしたらそういう類のものが既に用意してあるのかもしれませんが。
    美味しいし白ご飯との相性もいい、しかし働く隊員さんの気力体力を支える一食分のメニューとしては、やや不安
   を感じる・・・
そんなメニューでありました。




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